原田マハさん著『キネマの神様』には「映画の神様」が宿ってます!映画愛にあふれています!物語の中に出てくる映画は全て実在する映画なのです。
最後の映画『ニュー・シネマ・パラダイス』はゴウもRose Budも一番好きだという映画。映画愛にあふれる名作です。
小説だけ読んでも、もちろん感動するしおもしろいのだけれど…、できれば映画を鑑賞してから読むと、何倍もおもしろくなります。
ゴウやRose Budの気持ちを共有してみませんか?
『ニュー・シネマ・パラダイス』のあらすじ
映画が唯一の人々の娯楽だった時代、映画が大好きな少年トトと映写技師アルフレードが心通わせる物語。
映写室に潜り込んではカットされたフィルムを欲しがってアルフレードを困らせるトトでいたが、次第に2人は映画を通じて仲良くなっていきます。
アルフレードが操作していた映写機が過熱で火を噴き、村でたった一つの映画館が焼失。瀕死の重傷を負ったアルフレードは失明してしまいます。
新しくできた映画館「ニュー・シネマ・パラダイス」の映写技師となったトトは、映画にますます魅せられ、自分でも8ミリカメラで撮影することに夢中になります。
美しい娘エレナと恋に落ちますが、エレナの父には反対され、トトは兵役へと向かうことになり、2人は別れてしまいます。
兵役から帰ったトトにアルフレードは「この村を出て帰ってくるな」と言います。
映画監督として成功したサルヴァトーレ(トト)は、アルフレードの訃報を受けて30年ぶりに村に帰ってきます。そしてアルフレードの形見を受け取るのでした。
アルフレードの形見、それはトトが子どもだったころに欲しがっては叱られていた、キスシーンをカットしたフィルムをつなげたものでした。
映画の見どころ
戦争下、人々の娯楽は映画だけの時代のお話です。
映画が好きで好きでたまらない少年と、同じく映画が好きな老人の友情物語…。というか、トトのお父さんは戦争で亡くなってしまっており、トトにとっては父のような存在の友だちでした。
映画のとりこになったトトは、見るだけでは飽き足らず、映写機にも興味を持ち、映写室に入り浸りになります。
小さな村の小さな世界しか知らないトトは、たぶん、そのまま放っておくと、その村でアルフレードの跡を継いで映写技師にでもなっていたのかもしれません。
でもアルフレードをそれを良しとはしませんでした。もしかしたら、アルフレード自身の夢もトトに託したのかもしれません。
アルフレードは、トトにとって「最初で最後の愛」となるエレナを捨ててでも、映画の道に進むことを強く望んだのです。目が見えなくなったアルフレードは、本当はトトにそばにいてほしかっただろうに。
「ここを出て、帰ってくるな。私たちを忘れろ。」
言う方もそれなりの覚悟がないとなかなか言える言葉ではありません。
「お前のうわさが聞きたい。」
この言葉もトトの力を信じていないと言える言葉ではありませんね。
最後のシーンでは、トトが幼いころ欲しがっていた「カットしたキスシーン」が、一つにつなげられています。アルフレードが当時「預かっておく」と言っていたものです。まさかそんな約束も守ってくれていたなんて。
そのフィルムの中には、トトの幼いころに心の中に芽生えた映画への興味や愛、そして青春など、トトを形作ったすべてのものが、アルフレードのあふれんばかりの愛が、キラキラした破片のように詰まっていたのでした。
エレナとは別れてしまったけれど、トトは映画監督になったことを決して後悔していないと思います。
「完全版」では、エレナと別れてしまった経緯が明らかになり(アルフレードがエレナの伝言をトトに伝えなかった)、エレナとも再会を果たします。
映画監督として成功したサルヴァトーレの物語だけでなく、たった一人の女性が忘れられないトトの人間らしい部分が描かれています。
映画『ニュー・シネマ・パラダイス』視聴方法は?
動画配信サービス
3時間弱の「完全版」と約2時間にカットされた普通バージョンとがあります。
【2024年5月24日時点の情報となります。 配信が終了している可能性がございますので、オフィシャルサイトにて必ず最新の情報をご確認ください。】
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