世界を震撼させたカナダ映画『CUBE』

カナダ版『CUBE』は1997年に発表されるや、世界中を震撼させた新しい形の「ワンシチュエーションホラー」。

今でこそ定番化している”見ず知らずの人たちが集められる”というパターンは、この映画がさきがけと言われています。

何が怖ろしいかって、ワイヤーで切り刻まれたり、炎で焼かれたり…というトラップ。いやいや、一番怖ろしいのは困難に直面するたびに、次第に現れてくる人間の本性です。

リメイクされた日本版『CUBE』は、オリジナル『CUBE』の監督ヴィンチェンゾ・ナタリ公認でナタリ自身もクリエイティブ協力として制作に参加しているとのこと。オリジナル映画の世界観を守りながら、日本の価値観や人間性などを落とし込んで作られています。

トラップも結末も異なる日本版「CUBE」とカナダ版オリジナル『CUBE』ですが、どちらも恐ろしさの神髄を見せてくれる映画です。

【主なキャスト(敬称略)】
菅田将暉:後藤裕一(29歳エンジニア)
杏:甲斐麻子(37歳団体職員)
岡田将生:越智真司(31歳フリーター)
田代輝:宇野千陽(13歳中学生)
斎藤工:井手寛(39歳整備士)
吉田鋼太郎:安東和正(61歳会社役員)

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カナダ版『CUBE』のあらすじ

目覚めるとそこは見たこともない部屋。部屋は立方体の形をしていて6面に一つずつの扉。

出口を求めて隣の部屋に移動してみようとしますが、隣の部屋は必ずしも安全という訳ではありません。入った瞬間に作動するワイヤースライサーや火炎噴射など確実に死に至らしめる恐ろしい殺人トラップが仕掛けられている場合があります。

迷いながらも一つの部屋に集まってきたのは警察官クエンティン精神科医ハロウェイ脱獄囚レン女子大学生レブン無気力男ワースの5人。

レンのアイデアで、隣の部屋に靴を放り込んでトラップがあるかどうかを確かめながら進むことにしますが、何か生物的なものを感知して反応するトラップによってレンは顔面に酸を受けて死んでしまいました。

どの部屋にも入り口には(645 372 649)という風に3桁の数字が3つ書いてあり、大学で数学を専攻しているレブンが素数が1つでもあればトラップがあるという仮説をたて、進んでいきます。

天井の扉を開けると1人の男性が落ちてきますが、それは障害を持った青年カザンでした。

素数がない部屋に入ったのにワイヤーナイフが作動して、クエンティンが殺されそうになり、素数の仮説は覆されてしまいます。

ワースは自分がこの建物の外壁を設計したという衝撃の事実を口にしました。外壁は1辺約130メートルの立方体で、出口は1か所だけだということがわかり、中の立方体の部屋は1辺に26個ずつ並んでいると考えられました。

レブンは3つの数字がデカルト座標、例えば(645 372 649)であれば3桁の数字を足した(x,y,z)=(16,12,19)という位置にあるのではないかと予想しました。

ある扉を開けるとそこは空洞の暗闇。一番端っこにきているようです。洋服をつないでロープを作り、ハロウェイは外壁の様子を見に行きますが、ロープをつたって部屋の入口まで上って来たときにクエンティンに手を離され落とされてしまいます。

部屋が移動していることが分かり再び数字を解析して、座標が27の部屋が外に通じていること、あと2回移動したら元の位置に戻ること、因数が何種類あるかによってトラップの有無を示していることなどがわかってきました。

カザンは数字を見ただけで因数の数が分かる数学的な才能を持っていることが分かり、トラップを回避することも可能となった今、一刻も早く27の座標を持つ部屋にたどり着くことが重要です。

ワースは身勝手な行動ばかりするクエンティンを部屋に突き落とし、3人はついに座標27の部屋に。扉を開けると、まばゆいばかりの光が差し込み、表へと通じているようです。

やっと出られると思ったのもつかの間、背後の扉からクエンティンが来ており、レブンを刺殺してしまいました。

カザンが表に出て、それに続こうとしたクエンティンをワースが捕まえている時に部屋が動き始め、半分出ていたクエンティンの体は引きちぎられてしまいました。

明るい日差しの中へと歩み出ていったのは、カザンただ一人でした。

『CUBE』の続編

CUBE 2(HYPERCUBE)

『CUBE』とは別の監督が2003年に制作したアメリカ映画です。

”2”となっていますが、『CUBE』の続きから始まる訳ではなく、全くの新しい立方体に、また新たな人たちが閉じ込められる物語。

閉じ込められたのは心理療法医のケイト技術屋ジェリー経営コンサルタントのサイモン盲目の女性サーシャゲームプログラマーのマックス認知症の女性ペイリー弁護士ジュリア

今回のCUBEはただの立方体ではなく、HYPERCUBE=超立方体と呼ばれる物。3次元の空間だけでなく、扉を閉めると瞬時に隣の部屋が入れ替わっていたり、重力の向きが違っていたり、時間の進む速度が違っていたりという時間軸まで支配している4次元の世界です。

CUBE内にはパラレルワールドが複数存在しており、別の時間軸を移動する自分に出会ったり、死んだはずの仲間が何度も現れたりと、もはやカオス。波打った壁や透明な角柱、回転する多角形など殺人の方法も尋常ではありません。

アイゾンという兵器製造会社に関連した人物が集められているのではないかということや、途中で遭遇した博士の遺体とともに残された「60659」という数字が鍵を握っていること、アレックス・トラスクという天才ハッカーがこのHYPERCUBEの理論を構築したことなどが次第に明らかになっていきます。

しかし追い詰められていく現状を解決する糸口は全く見つかりません。もうお手上げ状態になってきた段階でサーシャは衝撃の事実をケイトに告白します。「私がアレックス・トラスク」

アレックス・トラスクが言うには、パラレルに存在する複数の時間軸がある1点に集まり始め、この世界は終わるのだと…。

60659という数字は世界が終わる時刻を示していました。ケイトはそのことに気付き、サーシャのネックレス奪うと、6時06分59秒ちょうどに部屋から脱出しました。

ミッションを成功させ、持ち帰ったサーシャのネックレスに隠されていたチップを将軍に渡したケイトは、その場で銃殺されてしまいました。

カナダ映画『CUBE』視聴方法は?

2024年5月7日時点の情報となります。 配信が終了している可能性がございますので、オフィシャルサイトにて必ず最新の情報をご確認ください。

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CUBE 1 CUBE 2(HYPERCUBE)
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日本版『CUBE』のあらすじ

目が覚めるとそこは謎の立方体=CUBEの中。

どういう理由で集められたのか、彼らにどんなつながりがあるのかも全く分からない男女が6人。

出口を探すために隣の部屋に移動しようとすると、そこには殺人的なトラップが次々と仕掛けられている。

火炎バーナーギロチンのような回転スライサー音感知式のワイヤースラーサー感情に呼応して発動する有毒ガス熱感知レーザープラズマ内部の人間を分断する鉄格子過去のトラウマを映像化して投影する壁感情に呼応して発動するフラクタルツリー

回避できないことは「死」を意味する。

扉には暗号と思われる数字。これを解かない限り次の部屋に進むことはできない。

CUBEから安全に脱出することを目標とする仲間のはずなのに、追い詰められるにつれて次第に人間性をむき出しにしていく人々。

トラップに殺されるだけでなく、ついには人の手によって人が殺されることも…。

本当に出口はあるのか?彼らは脱出することができるのか?

そしてこのCUBEは何のために作られたものなのか?

脱出できるのは誰?

ここから先は大いにネタバレを含みます。知りたくない方は【+ボタン】を開かないでね。

脱出できたのは?
出口へと通じる部屋にたどり着けたのは、甲斐麻子と宇野千陽だけだった。

CUBEの外に出ていったのは宇野千陽ただ一人。甲斐麻子は箱の中へと戻ってき新なメンバーと合流した。

後藤裕一の運命は?
出口へと続く部屋に千陽だけを送り出し取り残された後藤は、脱出への再チャレンジへと向かうことになった。

物語を読み解くキーワード

素数

1より大きい自然数で、1と自分自身でしか割り切れない数。

例えば「8」は1と8以外に2と4でも割れるので素数ではない。2,3,5,7,11…などは素数。

デカルト座標

x軸、y軸、z軸が直角に交わるいわゆる「直交座標」のことで、3次元空間での位置を表す。

下図のようにの位置は(3,2,2)と表される。

フラクタル構造

一部が全体と自己相似の構造を持っていて、同じ形が再現されていく構造のこと。

中でも”正方形を縦横3等分して9つに分け、真ん中をくりぬく”という作業をくり返した図形は「シェルピンスキーのカーペット」と呼ばれており、部屋の壁や天井、床に配されていて最初に目に入るフラクタル図形。

他にも「マンデルブロ集合」というフラクタル図形が壁面にデザインされていたり

通路にある光るバーコードは、線分を三つに分けて真ん中を取り除くという作業をくり返した「カントール集合」というフラクタル図形になっていたり

最後のトラップは枝の3分岐が繰り返される「フラクタルツリー」と呼ばれるもの。

人間が行動と反省を繰り返し形成されていくさまのメタファーでもあるフラクタルをふんだんに使ったデザインも映像の中でお楽しみください!

前日譚『小説CUBEコンティニュード』

映画で描かれる物語には前日の物語が存在しました。

ええ?という驚愕の展開が映画へと続いていきます。ぜひ読んでみてください。

映画が100倍おもしろくなります!

甲斐麻子は何者?

始まりの登場シーンでもなにやら違和感がありましたが、最後の場面で「え?」となることでしょう。

『小説CUBEコンティニュード』にも登場する甲斐麻子。ゲームに参加していても、数々の殺人トラップに対して動じることもなければ、積極的に脱出しようという勢いもない…。淡々とみんなの行動を見つめているだけの存在。

少年が出口を見つけて出ていくときに一緒に出て行かないので、さらに「え?」が深まり、次の場面で確信へと変わっていきます。

確実に甲斐麻子は”CUBE設計者”側の人間です。いや!人間でもないな。AIなのでしょう。学習したことは淡々とこなせる、だけど感情の動きはほとんどない。

ということは”CUBE“は”人間観察装置”とでもいうべき存在でしょうか。一体誰が何のために?その答えは想像するしかありませんが、脱出に失敗するとかなりむごい”死”が待っていることにどんな意味があるのか…全く想像の域を超えています。

映画の見どころと原作との違い

殺人トラップによって切り刻まれる人間、とにかくグロくて残酷。その映像だけでも怖さMaxなのですが、結局一番怖いのは人間の本性という残酷さです。

中でも清水康彦監督がオリジナルから膨らませて描いたのは「世代間の衝突

大勢の年寄りが数少ない若者に乗っかっているという日本の縮図が、人間ドラマだけでなく社会的な問題をも描いています。

パワハラや家庭崩壊、育児放棄、閉塞感といった社会の縮図がCUBEに閉じ込められた人たちの中に存在していて、全員の気持ちが同じ方向に向いている訳ではありません。

だからといって決して相いれない訳ではありません。人間同士には少しでも相手を受け入れようとする温かい関係が生まれてくるものなのです。

最後まで生き残ってCUBEを出ていこうとする人物に「前と何も変わらないかもしれない。それでも進む?」と聞くと「僕が…、変わらないと」という答えが返ってきます。結局自分と向き合うことが未来へと繋がっていくというメッセージのように感じます。

終始不思議なたたずまいで冷静沈着な甲斐麻子が最初に発する「あなたたち、何者ですか?」という質問。「誰ですか?」ではなく「何者ですか?」という質問は、ただ名前を聞かれているのと違って、社会にとってあなたはどういう存在ですかと聞かれているような気がして胸がザワザワしますね。

SFでありホラーでありヒューマンドラマであり。全てを描き切り、オリジナル版『CUBE 』の監督ヴィンチェンゾ・ナタリをも納得させた珠玉の作品をぜひ楽しんでください!

日本版『CUBE』視聴方法は?

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2024年5月7日時点の情報となります。 配信が終了している可能性がございますので、オフィシャルサイトにて必ず最新の情報をご確認ください。

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