
「縦の糸は あなた 横の糸は わたし」で有名な、中島みゆきさんの『糸』が映画になりました。
歌を原作として紡がれた、人と人の出会いと別れを切なくも丁寧に描いた珠玉の作品です。映画だけでなく、小説や漫画で楽しむことができます。
映画の脚本を書いた林民夫さん執筆の小説で読むことができます。
また、小説版に沿ったコミックがLINE漫画で毎週金曜日に更新されているので、いつかは電子版のコミックも販売されることになると思います。
小説のあらすじ
平成13年 出会いと初恋
友達の直樹と花火大会に出かけ、自転車でこけた漣にばんそうこうをくれたのが葵でした。それから二人は時々会って話したり、漣のサッカーを葵が見に来てくれたりして小さな小さな愛をはぐくんでいました。
夜逃げのように突然いなくなった葵を、漣は探し出して訪ねます。葵は義父から虐待を受けていました。それを知った漣は「葵ちゃんは俺が守る」と、葵を連れ出しかくまいますが、結局警察に見つかってしまい、2人は引き離されてしまします。
そして、葵と母(山口紗弥加)は北海道を出ていってしまいました。
平成21年 再会
さよならを言うこともできないまま別れてしまって8年後、漣は北海道から出ることもなく、美瑛のチーズ工房で働いていました。幼なじみの直樹(成田凌)と弓(馬場ふみか)が結婚することになり、漣と葵に再会する機会が訪れます。
8年の思いがこみ上げながらも、うまく言葉を交わせない2人。そこへ、ベンツの男・水島(斎藤工)が迎えに来て葵は帰ってしまいます。
水島は葵がキャバクラで働いていた時に手をさしのべ、葵が大学に進む援助をしてくれた人でした。
平成22年 函館
葵は9年ぶりに北海道の地を踏みました。母が病気で北海道に帰っていると知って、どうしても最後に謝ってほしいと思っていました。そして、母親の居場所を探すために訪れた町役場で、偶然にも漣に会います。
母親の手がかりがつかめなかった葵は、漣の車で函館のおじさんのところへ向かいます。しかし、母はすでに亡くなっていました。
葵は漣にお礼とさよならを言って沖縄へと帰っていきます。しかし、そこに水島の姿はありませんでした。
平成23年 結
チーズ工房の先輩・香(榮倉奈々)と結婚することを決意した漣。香のおなかに新しい命が宿っていることを知り、この生活を愛し続けていこうと思っていた矢先、香が乳がんであることがわかります。
娘の結(ゆい)を出産し、抗癌剤治療や放射線治療も受け、香の病状は落ち着いているかのように思われました。しかし、病魔は確実に香の体を蝕んでいました。
平成26年、香は最愛の夫と娘を残して亡くなりました。
平成30年 シンガポール
水島がいなくなったあと、葵はキャバクラ時代からお世話になっていた玲子(山本美月)に誘われ、シンガポールでネイリストとして働いていました。
そして、独立起業して7年経ったある日のこと。玲子が会社のお金で不動産投資をし、多額の借金を作って逃げたことが発覚します。葵は事業をたたんで日本に帰ってきます。
平成31年 美瑛
あと少しで平成が終わるというある日、シンガポールで一緒に事業をしていた冴島(高杉真宙)が葵に会いに来ます。葵は自分にとっての運命の人だと言い、シンガポールで待っていると伝えて帰っていきます。
葵は冴島の気持ちに応えようと空港に向かう途中、幼いころご飯を食べさせてもらっていた近所のおばあさん(倍賞美津子)を取材する動画を見て、行き先を北海道に変更します。
おばあさんのところで温かいご飯を食べて「お帰り」と言われ、涙を止められない葵を一人の女の子が抱きしめてくれました。
その女の子は漣の娘でした…。
小説の感想
中学生だった漣と葵は、互いに求め合い必要としあっていたのに、大人の力に逆らうことも現状から逃げ出すこともできませんでした。
言葉を交わすこともできないまま、引き裂かれてしまうことになった2人。
2人がともに過ごした時間はそんなに長いものではありませんでした。それでも、魂が触れ合うような出会いは、運命の糸は、どんなに細くても、どんなに時間がかかっても、再び手繰り寄せられるのです。
あと一言、もうあと一言、気持ちを伝えれば…。すれ違う2人にヤキモキしながらも「出会うべき時に、出会うべき人に出会う」ということを、何の根拠もなく最後まで信じながら読むことができます。
それは、きっと中島みゆきさんの『糸』の力なのでしょう。
映画の脚本家である林民雄さんが執筆しているので、おそらく映画も同じ内容で構成されているのだと思います。美しい2人の運命の出会いをスクリーンで見るのが楽しみです。
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