豪華キャストで送る映画『ホテルローヤル』ロケ地釧路の魅力満載!

桜木紫乃さんの直木賞受賞作品が、豪華キャストで映画になりました。舞台はあるホテルの一室です。

ホテルを訪れる人は、それぞれに生活があり思いがあります。そんな人たちが、人には言えない感情をあらわにする場所。それがホテル…。

原作では7つの物語が、時間を逆走しながら描かれていく連作でしたが、映画ではホテルの娘・雅代の物語として描かれます。

昔からラブホの娘とからかわれてきたために、どうしてもその場所から抜け出したかった雅代が、自分の気持ちとどのように決着をつけていくのでしょう。

全編北海道ロケで、主に釧路で撮影されており、小説では味わえない釧路の魅力もぎゅうぎゅうに詰め込まれた作品です。

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彩豊かな豪華キャスト

田中雅代:波瑠

母は若い男と出ていき、父は倒れ、「ホテルローヤル」の女将となります。実家がホテルだということに反発して生きてきたものの、美大受験に失敗し、家業を継ぐことに…。アダルトグッズの営業にくる宮川に密かな恋心を抱いています。

常にうつろな感じで、感情を激しく揺さぶられることもなく、無表情で傍観している感じの雅代。普段バラエティなどで見る波瑠さんは、明るくてかわいい感じなのに、静かな感じと眼鏡が似合いすぎていて、しっくりきすぎるくらいしっくりきてました!

宮川聡史:松山ケンイチ

アダルトグッズの製造販売会社の営業をしている通称”えっち屋さん”。雅代が恋心を抱いていますが、えっち屋さんは妻帯者ですよ。

田中大吉:安田顕

雅代の父で、ホテルローヤルの創立者。

桜木紫乃さんの熱いラブコールに応えて、満を持しての大吉役です!

原作とは少し違う、気になるあらすじは?

映画の『ホテルローヤル』は、ある一つの部屋にまつわる10年間を描いた物語です。

原作は現在からどんどん時間をさかのぼって描かれていくのですが、そこはエンターテイメントの映画として見事にアレンジして描かれていました。

最初と最後は原作と同じ。廃業して廃墟となったホテルで、カップルが写真を撮りに来るところから始まり、大吉とるり子が結婚してホテルローヤルを始めるエピソードで終わります。

立ち入り禁止となっている廃墟と化したホテルに、若いカップル・貴史(丞威)と美幸(冨手麻妙)が入っていきます。

人生の目標を見失った青年が、再起をかけた「ヌード写真」。その熱い想いに応えるべく、美幸は妖艶なポーズをしていきます。

そして、ホテルローヤルの在りし日々の姿がよみがえっていきます。

ホテルローヤルの一人娘・雅代は美大受験に失敗し、しかたなく実家のラブホテル経営を手伝うことになってしまいました。従業員のミコと和歌子は雅代を温かく迎えてくれています。

息子の小次郎から仕送りが届き、幸せそうに写真を見せてくれたミコ。ところが、テレビのニュースは、小次郎は暴力団員で殺人を犯して逮捕されたと告げています。

仕事を終えて岐路についたはずのミコは家に帰っておらず、夫の正太郎が心配して探しにきます。ミコは森の中で星を見ていました。

正太郎に負われて帰っていくミコ。母のるり子は「ちゃんと愛してくれる男を見つけるように」という言葉を残して、酒屋の若い配達員と駆け落ちして出ていってしまいました。

将来の進路が閉ざされ、母が出ていってしまった今、ホテルを継ぐことが必然となってしまったことに怒りを覚えながらも、雅代は日々黙々と女将として働いていました。

ホテルには様々な人が、様々な事情を抱えてやってきます。他では言えない複雑な事情を、吐き出せる秘密の場所…それがホテル。

子育てと介護に追われる本間夫妻(正名僕蔵・内田慈)は2人だけの時間を間喫して、5000円たまったらまた来ようね、と約束してホテルを後にしました。

訳ありの女子高生・佐倉まりあ(伊藤沙莉)と高校教師・野島亮介(岡山天音)。まりあは美容学校の受験をすっぽかし、引率の教師・野島と雨宿りしていました。

まりあは両親が借金だけを残し共に愛人を作って出ていってしまい、ある日突然天涯孤独の身となってしまいました。親からは電話も着信拒否されてしまいます。

野島は、自分の妻が恩人であり仲人もしてくれた校長と長年の愛人関係であることを知って、家に帰ることができなくなってしまっていました。

行き場所を失った2人。大量の睡眠薬を飲み心中を図ります。

マスコミがホテルを取り囲み、お客は激減し、父・大吉は病に倒れます。経営者として苦境に立たされた雅代はホテルを閉める決断をします。

売れ残ったおとなのおもちゃを取りに来た宮川と、ホテルの一室で話をしながら、初めて自分の気持ちと向き合い素直になる雅代。

宮川にずっと好きだった気持ちを伝え、セックスしましょうと誘いますが、宮川は一旦はその気になったものの雅代を抱くことはできませんでした。

雅代はホテルローヤルを後にしました。

そこに現れたのは30年前の大吉とるみ子の車です。るみ子は大吉の子どもを身ごもったことを告げます。

大吉は、釧路湿原を一望できるこの場所にラブホテルを建て、自分は社長として成功し、るり子と生まれてくる子どもを幸せにすると誓うのでした。

映画の見どころは?

雅代にとって「ホテルローヤル」は、「ラブホの娘」というからかいを受けた黒い思い出しかなく、自分にとって負の感情の元凶になっているような場所です。

そんな「ホテルローヤル」を訪れる人たちは、様々な問題や秘密を抱えていて、ふだん何事も無いように我慢して生活しています。

裸になるということは、心の鎧も脱ぐということなのでしょうか。感情をあらわにする人々を傍観しながら、雅代はやがて自分の気持ちと対峙するときがやってきます。そして、ホテルを去っていきます。

北海道三大市場の1つである和商市場、釧路市街地のシンボル・幣舞橋、釧路港など、釧路の名所をふんだんに取り込んだ映画ですが、中でも釧路湿原の絶景には心奪われること間違いなしです!

この釧路湿原を望む場所を選んだ大吉は、妻となるるり子と生まれてくる子どもを幸せにしようと心の底から真剣に思ったに違いありません。

ラブホの子といじめられたこともあったかもしれませんが、雅代があんなにもまっすぐに育ったのは、実は両親の愛情をたっぷり受けて育ってきたからだと思うのです。

きっと雅代は前向きな気持ちで、ホテルを後にしたに違いないと。頑張れ!と応援するような気持ちで映画を見終わりました。

原作者の桜木紫乃さんが「積極的に逃げることは”前向き”と同義語」とおっしゃるのが、わかるような気がしました。少し清々しい気持ちがしたのは不思議です。映画ってすごいな。

主題歌『白いページの中に』

1978年に流行った柴田まゆみさんの『白いページの中に』を、女性アーチストであるLeolaさんがカバーしています。

昭和感がプンプンにおう映像にぴったりの昭和感満載の曲ですが、Leolaさんが歌うとなんだか少しあか抜けて聞こえるから不思議~。

映画『ホテルローヤル』視聴方法は?

2023年8月7日時点の情報となります。 配信が終了している可能性がございますので、オフィシャルサイトにて必ず最新の情報をご確認ください。

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