映画『アナログ』ビートたけしの原作小説、あらすじとネタバレ

喫茶店「ピアノ」で出会った水島悟とみゆきと名乗る女性。

互いの素性も連絡先も知らないまま、木曜日に「ピアノ」で会うという約束だけを頼りに育んでいく愛。

メールやラインが当たり前のデジタル社会において、こんなにもアナログで純粋で熱い恋愛ができるものなのかと、胸が熱くなります。

大切な誰かとつながるって、きっとこういうことなんだなぁ。

ビートたけしさんが70歳にして初めて書き上げた珠玉の恋愛小説です。

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小説『アナログ』のあらすじ

清水デザイン研究所に勤める水島悟

高校時代からの悪友で、不動産屋の高木淳一とゲーム機メーカー勤務の山下良雄と飲みに行くことになり、悟の会社がデザインを手掛けた「ピアノ」という名前の喫茶店で待ち合わせすることになった。

早めに仕事を終えて「ピアノ」に向かった悟。空いていた長椅子に腰掛けると、誰かが忘れていったものなのか雑誌が置いてあった。

その雑誌には「ピアノ」が紹介されていいた。悟たちが苦労して考えたデザインを上司の岩本が自分の手柄のように語っているのがおかしかった。

すると女性が、その雑誌は自分のものなのだと声をかけてきた。悟は自分が手掛けた「ピアノ」が載っていたのでつい見てしまったと謝った。

女性が「ピアノ」を気に入っていると聞いて、悟は思わず岩本ではなく自分たちが手掛けたのだと本当のことを言ってしまった。

女性は名前をみゆきといい、木曜日の夕方にはよく「ピアノ」に来ているのだと言った。

高木と山下が来たのでみゆきと別れて飲みに行くことになったが、それ以来悟はみゆきのことが気になり、次の木曜日が楽しみでならなくなった。

イタリアンレストランの急ぎの仕事が入ると、何が何でも木曜日の夕方を空けたい悟は、会社に泊まり込みで徹夜で仕事に没頭した。

おかげで仕事は終わったが、風呂にも入れず無精髭姿で「ピアノ」に行くことになってしまった。そんなことも一切気にしていないそぶりのみゆきが一層好きになり、悟はみゆきを食事に誘った。

勇気を出してみゆきの連絡先を聞いてみたりけれど、「ピアノ」に来さえすれば会えるから、余計なメールや電話をしない方が会うのが楽しみになると言われ、悟もそのやり方にのることにした。

週末になると、悟は埼玉の特別養護老人ホームにいる母に会いに行く。父親を早くに亡くし、母は女手一つで苦労して悟を育ててくれたのだ。

長年の栄養不足と過労で母の体はボロボロだった。先生からも先は長くないと言われ、悟は申し訳なさでいっぱいだった。

月曜日出勤すると、急遽大阪への1週間の出張が決まった。どんなに頑張っても木曜日の夕方までに東京に帰ることは叶わず、結局みゆきには会えなかった。

そして遂に木曜日。2週間ぶりにみゆきと会った。みゆきが好きだというクラッシックのコンサートに誘われて、悟はクラッシック音楽なんてまるで分らないのに二つ返事で行くことにした。

夕食はみゆきに焼き鳥屋に連れて行ってほしいと言われた。焼き鳥屋に着くとそこには高木と山下がいた。

タクシー乗り場まで送って行くと、みゆきは別れ際に悟の頬にキスをした。

翌週にはまた大阪出張が入り、木曜日の「ピアノ」は絶望的。その翌週の木曜日には何としてでも東京に帰りたいと思っていると、高木から母の具合がよくないらしいと連絡があった。

大急ぎで新幹線に飛び乗り東京に戻ったが、母の死に目には遭えなかった。親しい人だけでお通夜を営みながら、悟は心の中で今日は木曜日なのに…と思ってしまい、そんなことを考える自分にまた落ち込んだ。

次の木曜日。みゆきにやっと会えた。悟は夜の海を見に行こうとドライブに誘った。

高木が気を利かせて伝えてくれたのか、みゆきは母の死を知っているような気がした。

いろんな思いがこみ上げてきて声を出して泣いてしまった悟を、みゆきは優しく抱きしめてくれた。

それからは毎週木曜日に会うことができたが、相変わらず連絡先もなにもわからないままの2人。

ホテルが完成するまで1,2年大阪に常駐するようにという話が上がり、悟はみゆきに結婚を申し込む決意をした。

高木と山下に付き合ってもらって指輪を買い、迎えた翌週の木曜日。

みゆきは来なかった…。

自分も行けなかったことがあるので、たまたまかもしれないと思ったけれど、翌週も翌々週もみゆきはこなかった。

悟は「ピアノ」に行くのをやめてしまった。そしてそのまま大阪へと引っ越していった。

1年ほど経ったころ、たまたま立ち寄った大阪のCDショップで、悟はどう見てもみゆきにしか見えないチラシを目にした。

「ナオミ・チューリング よみがえる幻の名演」と書かれたチラシにはみゆきと思われる女性がヴァイオリンを弾く姿の写真が添えられていた。

ナオミ・チューリングは旧姓・古田奈緒美といい20歳のときにピアニストのミハエル・チューリングと結婚したらしい。ミハエルの急逝後、日本に帰国し、現在は音楽業界から引退しているらしい。

悟は高木に連絡してオミ・チューリングのことを詳しく調べてほしいと頼んだ。

ナオミ・チューリングは日本では美春みゆきと名乗っていて、悟がプロポーズしようと思っていたまさにその日に交通事故に遭っていることがわかった。

高木と山下がナオミ・チューリングの姉・古田香津美を見つけ出し、悟のことを話すと、香津美も妹から悟の話を聞いていたようで、会わせてもらえることになった。

悟は大急ぎで大阪から東京に向かった。

香津美によると、ナオミ・チューリングは交通事故に遭って頭部の障害と下半身の麻痺が残っており、今は香津美のところからリハビリ施設に通っているらしい。

悟が香津美にみゆきに対する気持ちを正直に話すと、香津美はみゆきが書いていた簡単な日記のようなノートを見せてくれた。

そこには、みゆきも木曜日を心待ちにしていたことや悟に会いたい気持ちが書かれていた。ナオミ・チューリングはみゆきだった…。

翌日、悟はみゆきに会いにいくことにした。

車椅子に座ったみゆきは悟を見ても何の感情も表さなかった。それでも声を出して泣き始めた悟の頬に手を伸ばして、涙をぬぐおうとしてくれた。

悟は一生みゆきと生きていく決心をした。岩本に全てを話し、在宅でできる仕事をメインに仕事を続けることになった。

介護に必要な設備を備えたマンションは、高木が面倒を見てくれた。

みゆきの微笑む横顔は、悟にとって何よりも美しく幸せな景色だった。

『アナログ』の感想

こんなにも美しい恋愛小説は久々。愛おしさが物語全体からあふれ出てくる、まさに珠玉のラブストーリーです。

何かを求め合うでもなく、互いのこともよく知らないまま、1週間に1度の会っている時間だけをひたすら大切にする2人。

不測の事態で会えなくなってしまっても、お互いの心の中にあるよりどころは

互いに、会いたい気持ちがあれば、会えますよ。

という言葉だけ。

そんな言葉を信じたくなる、素敵な素敵なラブストーリーでした。

二宮和也さんと波瑠さんが紡ぐ愛おしい日々を早く劇場で見たいですね。

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