
ある日突然庭に現れた、壊れかけのロボットのタング。タングにたまたま出会ってしまった冴えない男ベン。
ロボットに入れ込み妻に愛想をつかされたベンは、それでもタングを直してあげたいと旅に出ます。
ポンコツの2人が地球を半周する旅の中で、喧嘩したり助け合ったりしていくうちに、互いにかけがえのない存在になっていく姿は最上級の癒しです。
劇団四季の公演も二宮和也さん主演の映画化も決定した、SF・家族・冒険・親子・友情…全部全部てんこ盛りで繰り広げられる成長物語。
この本の表紙を見るだけで「タング可愛い♡」と声が出てしまう人多いんじゃないかな。読めば読むほど愛おしさが増してきますよ!
かつてベルリン国際映画祭で「映画化したい一冊」に選ばれた本作品は、期待を裏切らない心温まる珠玉の物語です。
『ロボット・イン・ザ・ガーデン』ミニチュア"タング"大阪四季劇場での展示のお知らせ – https://t.co/kl4MI6GEP9
— 劇団四季 (@shiki_jp) June 30, 2021
小説のあらすじは?
「庭にロボットがいる」不機嫌な妻エイミーの声でベンはベッドから起きあがった。
ロボットは金属製の四角い箱を2段重ねただけの頭と胴体から排水ホースのような手足が伸びていて、手はマジックハンドのようだった。胸のフラップはパタパタしていて、中のガラスシリンダーにはヒビが入っていた。
弁護士をしている妻のエイミーが欲しいのは、こんな旧式のロボットじゃなくて、家事全般何でもこなせるアンドロイドだ。
ベンが名前を聞くと、ロボットは「アクリッド・タング」と電子音的な声で名乗った。
どこから来たのかどうしてうちの庭にいるのか聞いてみても「オーガスト、タング」という言葉を繰り返すだけで、有用な手掛かりは何も得られなかった。
さっさと捨ててこいというエイミーに、ベンは「タングにはいたいだけいてもらう」と宣言し、汚れた体をきれいに磨いてあげることにした。
タングの底面に貼り付けられた金属板からは「PAL~」「Micron~」「所有者B~」とだけ解読できた。「Bって誰?」聞いてもタングは何も答えない。
「Micron~」という文字を手掛かりに、ベンはカリフォルニアにある「マイクロンシステムズ」に連れて行けばタングを直せるのではないかと言うと、エイミーは怒りだした。
獣医になるという夢も途中で放り投げたままで、何も成し遂げたことがないのに、壊れたロボットに入れ込んでいるベンが理解できないと、エイミーは離婚を切り出して家を出ていった。
ベンはタングとカリフォルニアに行くことにした。胸のシリンダーの液は2/3に減っていたし早く直さないとタングが動かなくなるかもしれない。
空港でタングを荷物と一緒に貨物室に乗せようとしたら、タングの猛反撃にあい、結局プレミアムシートで飛ぶことになった。
なんとかマイクロンシステムズにたどり着いたベンとタングだったが、タングはマイクロンシステムズ製ではないとわかり、事態は早速暗礁に乗り上げた。
ゲーム事業部のコーリー・フィールズがロボットを趣味にしているので何か役に立てるかもしれないと紹介してもらったが、コーリーにできることは何もなかった。
コーリーはロボット歴史学者のリジー・キャッツ博士を紹介してくれた。
テキサス州ヒューストンの博物館で働いているリジーに会うために、再びプレミアムシートで飛びたいと駄々をこねるタングを説得し、ベンはレンタカーを借りて出発した。
ところが、リジーもタングをどうすることもできないと言った。彼女が知っているロボットの変遷の、どのパートにもタングはあてはならないのだと言う。
そして、ロボットのことならわからないことはないというカトウ・オーバジンという人物のメールアドレスを教えてくれた。
日本に飛んだベンとタングは、刺激的な東京の街を楽しもうとカラオケバーに出かけて行った。そこで半ばへべれけになったベンに話しかけてきたのはなんとカトウ・オーバジンだった!
翌日カトウの事務所に出向き、タングを見てもらうと、カトウはタングを直せそうな人を知っていると言った。
名前は「ボリンジャー」。そして「Micron~」はミクロネシア、「PAL~」はパラオのことだろうと言った。
ボリンジャーはかつて東アジアAIコーポレーションでカトウの同僚だった人物で、大きな事故の責任をとってミクロネシアで隠遁生活を送っているとのことだった。
ボリンジャーには会いに行かない方がいいというカトウの忠告を無視して、ベンはタングをつれてパラオに行った。
パラオは暑すぎてタングはヒートアップを起こしてしまうし、探しても探してもボリンジャーの情報は得られないし、ベンは心が折れそうだった。
タングを元気付けるために乗ったグラスボートで、ボリンジャーといういかれたじいさんが離れ小島で一人で住んでいるかもしれないという情報を得て、ベンとタングは次の日その島に降り立った。
老人はタングを見つけると「ジェイムズ」と呼びながら近づいてきて、タングを抱きしめた。老人はオーガスト・ボリンジャーと名乗った。
持ち主に再会できたというのにタングは極めて機嫌が悪かった。
着替えようと出したベンのハーフパンツのポケットからコルク栓が出てきた。ベンの姉のブライオニ―が開いた、エイミーが法廷弁護士の資格を取得したお祝いの席でベンとエイミーは出会った。その時のシャンパンのコルク栓だ。
居ても立っても居られなくなったベンはエイミーに電話をかけた。「もう一度やり直さないか」と言ったベンに、エイミーは「付き合っている人がいる」と答えた。
ボリンジャーが起こした過去の”事故”はとても許せるものではなかった。暴走し始めたアンドロイドを止めるために、ボリンジャーは同僚もろとも建物に閉じ込めて爆発させたのだった。
自分の技術は唯一無二のものであり持ち出すことは一切許さない、タングからチップを抜き取ってより精巧なロボットに埋め込むつもりだというボリンジャーに、ベンは反論した。
シリンダーを交換したタングはもうベリンジャーに用はなかった。完全に閉じ込められ逃げ道がないと思われたが、タングが「地下に貯めてあるゴミといっしょに明日の船で脱出できる」と言った。
前回もそうやって逃げ出してきたタングは、脱出が成功した暁に自分の名前を「アクリッド・タング(つんとする臭い)」に変えたのだと語った。
イギリスに帰ったベンとタングは姉のブライオニ―をクリスマスプレゼントとお土産をもって訪ねた。エイミーが新しい恋人のロジャーと一緒に来ていた。
エイミーはベンの子かロジャーの子かわからない子どもを妊娠していた。
エイミーはタングに全く興味がなかったのに、タングは特別な存在だと言い、頻繁に会いに来るようになった。そして片時も離れたがらなかった。
エイミーが産気づいたときもロジャーとは連絡がつかず、出産にはベンとタングが立ち会った。ボニー・エミリアは元気に誕生した。
ロジャーは生まれた子どもを見ても感動などすることもなく、エイミーの元を去っていった。ベンは自宅に準備している子ども部屋にエイミーとボニーを迎えることにした。
ベンとエミリーがやり直す方がいいのかどうか、今はわからない。ただベンはエミリーとボニーを心から愛していたし、二度とそばを離れないと誓った。
小説を読んだ感想は?
1番に言えることは例にもれず「タング可愛い!」
ポンコツな男とポンコツなロボットの地球半周の旅は、想像以上にトラブルが次から次へと起こります。
次々に起こるトラブルがタングを成長させベン自身も成長させる…というのは、もしかしたらありがちな設定なのかもしれません。
それでもベンとタングのやり取りは笑いと愛おしさにあふれていて、次に起こる出来事にワクワクが止まらなくなります。
ベンとタングの関係は、子どもを育てるようで実は自分が親として育てられているまるで子育てのようです。
「ロボットは命令に従わせるだけの存在ではない」というのも子育てと全く同じですよね。
腹が立つこともあるけどすべてが愛しい…、一つ一つの経験を通して大切な感情を育んでいく姿に感動しきり…、支えて支えられて生きていく…そんな大切な家族の物語。
笑いあり涙ありでおもしろおかしく感動してください!
文字で読んでいてもタングの可愛さにはキュンキュンが止まらなかったのに、これ映像になるとキュン死に確実だな!
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タングとのやり取りがたまらなく愛おしい。ぜひご一読を!
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