小説『スマホを落としただけなのに』犯人は誰?衝撃の目的は?

スマホを落とした…ただそれだけなのに…。次々と起こる恐怖の出来事。

でもそれが、スマホを乗っとられたことで起こっているんだとしたら…。こっわーっ!

気づくのは、個人情報や画像が流出していたり、身に覚えのない高額のクレジット決済がされていたりと、大抵とんでもないことになった後だったりします。

そして、拾った人がサイコパスだった場合、ホラーより怖いことが…。

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小説のあらすじ

タクシーで拾ったスマホに着信があり、男は画面に表示された長い黒髪の美女に釘付けとなります。その女性の名前は稲葉麻美

そして落としたスマホの持ち主は、その恋人である富田誠。麻美はかつて富田の会社で派遣社員として働いており、2人はそこで知り合いました。

男はパソコンでSNSをを通して、富田誠と稲葉麻美の個人情報を徹底的に調べ上げ、富田のスマホのパスコードも解除してしまいます。

富田のスマホの中には、美しい麻美の写真がたくさん保存されていて、中には全裸の写真までありました。

男は富田のスマホにSNS監視ソフトを組み入れて返すことにします。

麻美が取りに来たカフェにスマホを預け、男は実物の稲葉麻美を近くの席から見ていて、どうしてもこの女を手に入れたいと思っていました。

富田がフェイスブックの友人からレディガガのチケットを手に入れてくれたり、友達の加奈子から勧められたりして、麻美もフェイスブックを始めることにしました。

ちょうどそのころ、丹沢の山中から女性の遺体が次々と発見されていました。共通しているのは、全員長い黒髪だということ。そして全裸で、下腹部をめった刺しにされていました。

富田のクレジットカードが不正利用されたり、友人の加奈子の元に「あなたの友人AIのカレシMTを信じてはいけない」というメールが届いたり、麻美に富田が女性といる写真が送りつけられてきたり、不快なことが立て続けに起こります。

麻美はためらっていた「武井雄哉」の友達申請を承認することにしました。するとすぐに食事の誘いがきました。武井は10年前に麻美が一方的に好きになり、もてあそばれて捨てられた男でした。

武井と会って食事をすることにした麻美。帰りにキスをされますが、ちょうどその時、富田から連絡が入ります。スマホを乗っ取られたと…。

麻美はフェイスブックで友達申請のあった、セキュリティ会社に転職した同期の戸部のことを思い出し、連絡をとります。戸部は出張中だということで、代わりに浦野善治という男が派遣され、無事に富田のスマホを復元してくれました。

麻美は武井と2回目の食事に行きました。そこで、友達の山本美奈代が死んだのは、彼女を妊娠させたあなたにも原因があるかもしれないと告げました。

富田の会社の小柳はフェイスブックで麻美とも繋がっていましたが、富田は会社でよくない話があると言ってきたり、富田にも麻美は武井雄哉と結婚するつもりらしいと情報を流してきました。ついには自分が持っている麻美の恥ずかしい写真をネット上にばらまくと言って麻美の裸の写真を送ってきます。

武井からは怒りの電話がかかってきます。麻美のフェイスブックには武井と麻美がキスをする画像があげられており、武井を中傷する投稿がされていました。麻美のフェイスブックは誰かに乗っ取られていました。

再び小柳からメールが来たので、その添付ファイルをクリックすると、麻美のパソコンはランサムウェアに感染してロックされてしまいました。

一方、丹沢山中からは5人の女性の遺体が見つかりました。しかし捜索願が出されている人物と一致せず、なかなか身元が特定されずにいました。犯人の男は、その中の1人の女性の部屋に住み込んでいて、女性たちのスマホで家族に連絡をとり生きているかのように成りすましていました。

麻美は浦野善治に連絡を取り対処をお願いすると、浦野はパソコンを復旧してくれて、脅していた相手を警察に通報したと言いました。結局、富田の会社の小柳は、誰かが成りすましていたもので、本人とは全く無関係だということがわかります。

麻美が一人で飲んでいると、そこへ浦野がやってきました。帰ろうとした麻美は意識が朦朧としてきます。浦野によって睡眠薬を飲まされていました。

目が覚めると麻美は、ベッドにうつ伏せに手足を縛られていました。浦野はしばらく麻美の髪をなでたり口に含んだりしてもてあそんだあと、麻美を埋めるための穴を掘ると言って出かけていきます。

逃げ出そうにも、どうあがいても抜け出すことはできそうにありません。麻美は「シリー、富田君に電話して」と叫びます。

浦野が戻ってきて、執拗に麻美の体をもてあそび始めます。ナイフを出して麻美を刺そうとしたその時、富田が現れ浦野の後頭部をバットで強打しました。麻美のスマホのGPS機能を使って、富田は麻美を助けに来たのでした。

目を覚ました浦野に「鍵を出せ」という富田。浦野はその前にぜひ見てほしいものがあると、パソコンの中にある動画を見せようとします。「やめて!」と嫌がる麻美。しかし、麻美の秘密は富田の知るところとなってしまいます。

浦野からカギを受け取り麻美の拘束具を外す富田は無言でした。そして、今度は浦野が富田の後頭部をバットで強打しました。

その時警察が駆け付けてきて、浦野は逮捕されることとなりました。

稲葉麻美の秘密とは…

ここから先は大いにネタバレを含みます。知りたくない方は【+ボタン】を開かないでね。

麻美の秘密とは?
富田に知られたくなかった麻美の秘密は「渚さゆりというAV女優だった」ということです。そして、本当の名前は山本美奈代といいました。

山本美奈代は母親と仲が悪く、東京に出るときに「学費以外は1円も出さない」と言われていました。大学を出て最初に勤めた会社はブラック企業で、それをやめて派遣で働きだしましたが生活は苦しくてたまりません。軽い気持ちからAVの仕事を引き受けてしまいました。

AV会社の不注意で美奈代の個人情報がもれてしまい、実家からは絶縁され、昔の友人からも後ろ指をさされることとなってしまいました。

当時ルームシェアをしていた友人の稲葉麻美がうつ病で働けなくなり、その医療費を消費者金融で借りてしまったことで、事態はもっと悪くなりました。

そしてある日、麻美は姿を消します。そこへ警察から電話がありました。

「山本美奈代さんが電車に飛び込み自殺をしたので、身元を確認しに来てください。」

麻美は長かった黒髪を切り茶色く染めて、美奈代の健康保険証の入ったバッグを持って、美奈代のお気に入りのワンピースを着て亡くなっていました。

美奈代の元には「私の代わりに生きてください 麻美」という遺書が残されていました。

麻美が命懸けでくれたプレゼントを一生かけて守ろう、そう美奈代は心に誓ったのでした。

なぜ浦野にばれたのか
浦野は、富田のスマホからデータを抜き取ったときに、麻美の全裸の写真を手に入れていました。その時に、麻美のももの付け根に大きなほくろがあることに気付きました。

後に、麻美のパソコンが乗っ取られて復旧させたときに、今度は麻美のパソコンのデータを全て手に入れていました。その中に、かつてAV女優として活動していたころの動画が残されていました。その動画の中で、ももの付け根のほくろに気付いてしまいます。

そして、麻美が「minayo」や「sayuri」というパスワードを使っていることと照らし合わせて、過去を徹底的に調べ上げ秘密をつかむこととなりました。

富田とどうなるの?
麻美の秘密にショックを富田ですが、共に生きていく決意をします。

「新しい戸籍で俺と人生をやり直しませんか?」と麻美にLINEを送ります。

犯人の目的は?

犯人の浦野は、一言でいうと「サイコパス」です。

とにかく長い黒髪の女性に執着し自分のものとすることにこだわっていました。

その中でも稲葉麻美はひときわ美しく、自分の理想に近い女性だったということでしょう。

長い黒髪に執着するのは母親がそうだったから…。母親に虐待されて育ったため、愛情というものを知らずに成長していました。

小説を読んだ感想

もう怖くて怖くて!そこいらのホラーなんかよりずっと怖かったです!

ゾンビや幽霊ももちろん怖いんだけど…、結局、人間が一番怖いのだと改めて思い知らされました。

サイコパスにターゲットにされることも怖いけど、まあそんなことは私の身に起こることなんてまずあり得ないから、よしとしましょう。

でもスマホを乗っ取られたり、ランサムウェアを仕掛けられたりなんてことは、普通にありうるのだと思います。

とにかく念には念を。怪しいサイトにクレジット情報は入れない!SNSに個人が特定されるような画像や情報を載せない!

当たり前のことのようだけど、麻美のようにパニックになったら何をしてしまうか自信がないわぁ。

映画では麻美の過去の設定が変わっていますが、小説の恐ろしさがそのまま映像化されています。ホラー映画より怖いかも。

『スマホを落としただけなのに』続編も!

この怖ろしい物語には続編があります。逮捕されたはずの浦野がさらなる暴挙に!

『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』

シリーズ第2弾。逮捕されて警察に囚われている身の浦野は、ダークウェブのカリスマ「M」を捕まえるために警察に捜査協力することに…。

獄中の殺人鬼が新たな罠を仕掛け、事態はとんでもない方向へと動いていきます。

そして遂に、浦野は脱獄し…。

『スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス』

シリーズ第3弾。脱獄し海外逃亡した浦野が更なる攻撃を仕掛けてくる戦慄の展開。

個人を通り越して国家をも揺るがす大事件が計画されますが、その裏では浦野が個人的欲求を満たすために着々と準備を進めていました。

『スマホを落としただけなのに 連続殺人鬼の誕生』

シリーズ第4弾。連続殺人鬼・浦井光治はどのようにして誕生したのか?

浦井光治の人間形成に大きな影響を与えた半生を描くスピンオフ的な物語。

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