
東山春人は、可愛い女の子を見ると「この子に殺されたい…」と、殺される妄想をしては欲情していた。それがいつしか「佐々木真帆に殺されたい」という願望へと変わっていく。
高校教師になり、真帆に近づき、着々と計画を実行していく春人。
一方、真帆は過去に重大な事件に関わっており、誰にも言えない秘密をもっている。
『女子高生に殺されたい』という衝撃的なタイトル。禁断の犯罪計画サイコサスペンス…内容は期待を裏切りませんよ!
衝撃のあらすじは?
東山春人(ひがしやまはると)、34歳、独身。学生たちからは「ヒガシー」と呼ばれ、人気のある高校教師。
春人はこれまで問題を起こすこともなく勉強も運動もそこそこできた。しかし恋愛には奥手で高校になっても彼女ができたことはなかった。
進路について考え始めた高2の初め、春人は自分の性癖に気付いた。可愛い女の子を見ると「この子に殺されたい…」と思い欲情するのだった。
自分は変態かもしれないと悩んでいたある日、春人の性的嗜好に名前があることを知った。
【オートアサシノフィリア/Autoassassinophilia】自分が殺されることに性的な興奮を感じる性的嗜好。
なぜそんな欲望を持つにいたったのか、人間の心理に興味を持った春人は、大学の心理学研究科に進学し、臨床心理士になるために大学院にも進んだ。
そのとき付き合っていた彼女の五月(さつき)とは普通にセックスの快楽を共にする関係で「殺されたい」という願望は湧かなかった。
春人は急に「高校教師になる」と言い出し進路変更をし、五月とも別れた。
そして目的の進学校、二鷹高校に3年前に赴任してきた。「女子高生に殺されたい…」という夢を叶えるために…。
女子高生なら誰でもいい訳ではない。春人が殺されたいのは1年3組の佐々木真帆だ。8月8日16時、春人はまさに35歳になる瞬間に真帆に殺されることを切望した。
真帆には後藤あおいという保健室通学をしている親友がいる。あおいには特殊な力があり、それらの能力を隠すように語尾に「~ぽよ」を付けて話すキャラを演じている。
真帆もあおいも「遺跡研究クラブ」に所属していた。顧問は東山春人先生。真帆の中学からの同級生、川原雪生も部活仲間だ。
雪生は中学のころから真帆のことが好きで、死に物狂いで勉強して同じ二鷹高校に滑り込み、真帆を追って「遺跡研究クラブ」に入部した。
ところが真帆は東山先生のことが好きみたいだ。
2学期に入ると、不登校やいじめなどの問題に対応するため週に1度スクールカウンセラーが来ることになった。臨床心理士の深川五月…春人の大学時代の元カノだった。
真帆には誰にも言えない秘密があった。それを受け入れてくれているのはあおいだけだ。
小6の下校途中、真帆とあおいが歩いていると、いきなり大型犬が襲いかかってきて真帆の足首に咬みついた。気が付くと、真帆の横で大型犬は死んでいて、何が起こったかの記憶が真帆には一切なかった。
真帆がそのことを打ち明けると、五月は恐怖から自分の心を守るために記憶を消した正常な自己防衛だと説明した。
五月との話が終わって、真帆があおいを迎えに行くと、あおいが頭を抱えて苦しんでいた。地震が来ると言う。
大きな揺れがあり保健室の棚からいろいろな物が落ちたが、ようやく落ち着いて五月が真帆に声をかけると、真帆には別人格が現れていた。「カオリ」だった。
翌年の4月、真帆たちは2年生になった。春人はついに佐々木真帆に殺されるための計画を始動させた。
夏休みに入る直前に春人は親の介護というもっともらしい理由を付けて辞表を出した。嘘であることがバレバレの五月には世界中を旅すると言った。
春人は夏休みの遺跡探索が最後の活動になることを真帆とあおいと雪生に告げた。ショックを受けた真帆は、今度は雪生の前でカオリの人格を現した。
カオリが雪生に説明した。真帆は幼い頃両親から虐待されていた。辛い状況から逃げる真帆を守るため、カオリは現れたのだと言う。
春人は身の回りの全てのものを処分し、ついに計画は最終段階に入った。
「遺跡研究クラブ」最後の活動を終え、春人は真帆に電話をかけた。遺跡の近くの林で土器を見つけたので、周辺の調査を手伝ってほしいと。誰にも言わずに来てほしいと。
約束の8月8日、真帆が出かけようとすると、家の前にはあおいが待っていた。あおいは真帆の危険を察知してこの1週間くらい震えが止まらなかった。
「東山先生から逃げて…」あおいはそう言ったが、春人に想いを伝える決心をしていた真帆は、結局あおいを連れて約束の場所に向かった。
大きな木の下までくると、春人は真帆に「僕を殺して、キャサリン」と言った。
春人の計画は成功したのか?結末は?
漫画を読んだ感想
まずは『女子高生に殺されたい』というタイトルが衝撃すぎて、読む前から胸のザワザワが止まりません。
そして、看板に偽りなし!女子高生に殺されたい男が、計画を遂行するためにそれはそれは綿密な計画を立てて実行に移していきます。この精神構造が怖すぎた…。
この殺されたい願望は”オートアサシノフィリア”と言って実際に存在する精神疾患なんですね。その事実にも驚愕…。
オートアサシノフィリアだけでなく、虐待、多重人格、アスペルガー症候群とてんこ盛りの設定だったけど、どれも必要な伏線だったのね。
私は専門知識は全く持ち合わせてないけど、個人的には性癖とか嗜好って一生変わらないんじゃないかと思ってます。だってそこに理屈が存在する訳じゃないから。
救いがないような物語の中で、雪生の単純すぎるくらいの一途な想いと五月の愛情には癒されました。
でも最後の最後に、実は全く問題が解決されてなかったっていう…怖すぎる結末。人間という複雑で深い闇を持つ生き物を、解き明かすのも理解するのも、所詮は無理ってことなのでしょうか。
読んだ後も胸がザワザワするとんでもない作品でした。
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