映画『この子は邪悪』衝撃の結末、あらすじとネタバレを文庫本で

『この子は邪悪』という、あまりにも衝撃的すぎるタイトル。一体誰が、どんな風に邪悪なの?と沸き起こってくる疑問に頭が支配されてしまいます。

交通事故で植物状態になった母親が、5年経って突然目を覚ましたと言って帰宅します。でも花は違和感しか感じない…この人は一体だれ?

「マイダディ」や「哀愁しんでれら」を送り出したTSUTAYA CREATORS’ PROGRAM 2017で片岡翔さんが準グランプリを受賞された作品で、原作となる小説やコミックが存在する訳ではありません。

映画に先駆け、片岡翔さんの脚本を小説化した文庫本『この子は邪悪』が発売されました。

”世にも奇妙な謎解きサスペンス”と謳われていますが、単なる謎を解くだけでは終わらない、戦慄の結末が待っています。

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小説のあらすじは?

窪花(くぼはな)16歳。学校には通っていない。

5年前、家族で遊園地に行った帰り、居眠り運転の暴走トラックに突っ込まれ、家族が乗っていた車は大破した。

父・司朗は杖がなければ歩けなくなり、母・繭子は植物状態に、9歳の妹の月(るな)は顔にひどい火傷を負ったため仮面をつけて生活している。

花が「遊園地に行きたい」とさえ言わなければ…何度もメリーゴーランドに乗りたいと言わなければ、こんな事故に遭わなくてすんだのに…。それなのに、花だけが元気な体でいるなんて…、自分を責めずにはいられなかった。

司朗は「くぼ心理療法室」という診療室を経営している心理療法士で、主にヒプノセラピー、つまり催眠を使って児童虐待の被害者や加害者のメンタルケアをしている。

診療室ではたくさんのウサギを飼っていて、そのお世話をするのが花や月の仕事だ。

花が診療室の前でウサギを散歩させていると、1人の少年が現れた。少年は幼い頃にくぼ診療室で花と出会い話したことがあると言った。

少年の名は四井純(よついじゅん)。花と同じ16歳。何度か訪れるうちに花とは次第に親しくなっていった。

純の母親・理沙はいつからか感情も思考も全て失い、まるで抜け殻のようになってしまっていた。純は街で母のように抜け殻になった人間を何人も見ている。

なぜこの街にこんなにも奇妙な症状の人が何人もいるのか。純は独自に調べ始めた。

ある日、司朗が「お母さんが目を覚ました」と繭子を連れて帰ってきた。大好きなお母さんが帰って来て嬉しいはずなのに、花は違和感を感じていた。この人は一体だれ?

花は落ち着かない気持ちを純にだけ話した。純はなにか花の力になれることはないかと、まずは事実を知ろうと事故のことを検索した。

驚いたことに、ネット上のどの記事にも「次女の月は死亡」と書かれていた。

月の誕生日会に招待された純。繭子はその場で「赤ちゃんができた」と告白した。

花の家を後にして、純は決意を新たにしていた。花の母親だと名乗る繭子をどこかで見たことがあった。

花はソファに横になる繭子を見て、衝動的に目の下のほくろに触れた。指でこするとほくろは黒いシミのように広がった。その瞬間、覚醒した繭子は目を見開き眼球を∞マークのようにぐるぐると動かした。

「∞」は司朗がヒプノセラピーを施すときに指先で描くマークだ。

司朗と直接対決することを決意した純は、1人で「くぼ心理療法室」を訪ねた。司朗は純の母がかつて自分の患者だったことを告げると、ウサギを純に抱かせ、目の前で∞を描き始めた。

その日以来、純は変わってしまった。花の気持ちを唯一理解してくれる人だと思っていたのに。花は自ら一歩踏み出す決心をした。そして母が入院していた「高岡総合病院」にむかった。

高岡総合病院の一室に繭子は眠っていた。

花と純が一緒に市役所に行って窪家の戸籍謄本を取ると、月は死亡したことになっていた。何か悪い夢を見ているようだ。あの子は一体だれ?

純は事故の年に甲府市内で行方不明になった女の子がいないかネットで検索してみた。すると鮫川愛華ちゃんという女の子がヒットした。

愛華ちゃんを虐待していたと思われる父親・鮫川祐一の写真を見た純は驚愕した。かつて純が見かけた、母のように抜け殻になった人物の1人だった。

月の素顔の写真を撮るように言われ、花は純から借りたデジカメを持って月の部屋に行った。しかし月の姿がなかった。

花が部屋に戻るとそこに月がいて、繭子のときのように目を「∞」マークのようにぐるぐる回していた。手には月の死亡を告げる戸籍謄本が握られていた。

純が家に帰ると、母の診療に来たという司朗の姿があった。純が詰め寄ると司朗は、母親から虐待されていた純を助けるためだったと言った。

花の家族も純の家族もおかしくなってしまったのは司朗のせいだと、純は司朗の首に手をかけた。

約束していたのにいくら待っても来ない純のことが心配で、花は純の家に向かった。純の家で花が見たのは、顔面蒼白で目を充血させ、なんの感情もなく転がっている純の姿だった。

自宅にもどって司朗と対峙した花。司朗の口からは驚くべき事実が語られた。

衝撃の結末は?

ここから先はネタバレを含みます。知りたくない方は【+ボタン】を開かないでね。

司朗が語った真実とは
司朗は虐待されている子どもを救うために、「退行催眠」とある宗教の儀式を使って虐待をしている親とウサギの魂を入れ替えていた。

純の母親もかつては純のことを虐待していた司朗の患者だった。全ては虐待のない平和な世界を作るため…。

家族が大事故に遭って、司朗は初めて人間と人間の魂の交換を行った。繭子の魂と子どもを虐待していた美崎ユリエという母親の魂を入れ替え、月の魂と虐待されていた鮫川愛華ちゃんの魂を…。

そして家族を壊そうとした純の魂はウサギと入れ替えたと言って、花の前に黒いウサギを差し出した。

衝撃の結末…
真実を知った月は人の命を奪ってまで生きているのは嫌だと、自分の首にナイフを突きつけた。

また自分のせいで家族が壊れてしまう…。花は全てを受け入れると司朗と約束した。純の魂を元に戻す代わりに、純の記憶を消してしまうことも…。

次の瞬間、司朗が倒れた。傍らにはナイフを握って返り血をあびた月が立っていた。

意識が薄れていく中、司朗は繭子のお腹に向かって何やら呪文を唱え、指で「∞」を描き始めた。

やがて繭子は女の子を出産し、その子はと名付けられた。

幸せそうな昼下がり、花は純の魂を宿した黒いウサギを抱いて家を出る決心をしていた。雪の指は「∞」を描いていた…。

小説を読んだ感想

「この子は邪悪」というタイトルが気になり過ぎたのと、映画を1回見ただけで何が起こっているのか理解できる気がしなくて、文庫本を買って読むことにしました。

ホラーではなくて、ちゃんと種明かしのあるサスペンスなんだけど…怖すぎた!

物語は全部フィクションで、こんなことはあり得ないと自分に言い聞かせてみるものの、「ヒプノセラピー(催眠療法)」は現実に行われている治療法で「年齢退行療法」「前世療法」「悲嘆療法」などが実際に存在します。

司朗自身は罪悪感など1ミリも感じておらず、神であるかのように自分に酔いしれ、歪んだ愛で家族を包み込むことに言い知れぬ幸福を感じていました。

過去も不幸も全部ひっくるめての自分であり家族であるはずなのに、形だけの幸せに執着する父・司朗に「邪悪」なものを感じ取った花。そんな花の一番の理解者で心の支えだった純くん。

謎は解けたんだけど、若く純粋な2人が全く救われていないこと、「邪悪」な魂が生き続けていることに、もしかしてまだまだ戦いが続くの?と全然すっきりしません。それどころか、こんな絶望的な結末、ホラーやんか…。

予想のはるか斜め上をいく展開はお見事としか言いようがありません!結末知った上で何回読んでも引き込まれます。

これ、映画も必見ですよ!

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