小説『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち』感動の実話あらすじは?

金メダルを獲った1998年長野オリンピックの”日の丸飛行隊”の感動の実話の裏に隠された奇跡の物語。

彼らが金メダルを獲れたのは、4人の代表選手が大飛行を成し遂げたことに間違いないんだけど、彼らを支えた舞台裏の英雄たちの存在があったからです。

この小説は脚本をノベライズしたもので、原作という訳ではありません。

ただ、リレハンメル五輪も長野五輪もリアルタイムで応援していて、あの金メダルの感動を体験した身としては「舞台裏があったなんて!」とどうしても読まずにはいられませんでした。

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小説のあらすじは?

1994年、リレハンメル。スキージャンプの団体競技は金メダルが目前でした。西方の2回目は135mの大ジャンプ。2番手岡部も3番手の葛西も順調に飛距離を伸ばし、あとは原田が普通に飛んでくれさえすれば、金メダルを手にすることができるはずでした…。

メダル獲得の記者会見は辛辣なものでした。金メダルを獲得したノルディック複合の選手たちは賞賛をあびにこやかに会見をしています。一方、銀メダルに終わったスキージャンプ、ラージヒル団体の選手たちには、金メダル獲得に失敗したと、心ない質問が浴びせられます。

「オリンピックは金じゃないとダメなんだ…」

4年後の長野オリンピックで金を獲る。西方仁也はそう心に誓いました。

夏が来て、新しい家族が増えました。息子の慎護に金色の思い出を作ってあげたい…西方の戦いは熱を帯びてきます。妻の幸枝は西方の体のことだけが心配でした。

長野オリンピックまであと半年。自国開催もあり選手層は厚くメダルへの期待は高まっていきます。代表強化合宿に参加しているのは16人。そのうち代表選手に選ばれるのは8人です。

実力派ほぼ横並び。筋力と体力をつけバランス感覚を磨き、やらなければいけないことが山のようにあって、幸枝の心配をよそに西方はどんどん自分を追い込んでいきました。

いつもより重いバーベルを無理矢理上げたら、その瞬間背中の肉がきしみ下半身に激痛が走りました。バーベルが音を立てて落ち、西方は叫びたいほどの苦痛を必死で抑え込みました。

そのとき以来、腰の不安感が消えません。本来ならジャンプなど絶対にしない状態でしたが、西方は「飛べない」とは言えませんでした。

カンテから飛び出した瞬間、激痛で頭が真っ白になりました。バランスを崩し、西方の体はランディングバーンにたたきつけられました。

仁也が病院のベッドで目を覚ますと、そこには泣きはらした顔の幸枝がいました。神崎コーチからも泣きながら怒られましたが「俺にはこれしかない…」と言うのが精一杯でした。

辛い辛いリハビリの日々が始まりました。痛み以上に何もできないことが辛くて仕方ありません。仲間たちの活躍する姿も心をざわつかせます。

西方が階段を上っていると、そこへ遠征に出ているはずの南川が現れました。「ぼくもやっちゃったんです」という南川は右足にギプスをはめていました。そのころ代表8人のうち6人が発表されていました。

12月、辛かったリハビリがやっと終わり、ギリギリ間に合った最後の公式大会を気力で飛び、西方は優勝しました。代表に選ばれることを確信していました。

しかし、残る2人の代表選手に西方の名前はありませんでした。なんで俺にだけもう一度挑戦するチャンスが与えられないんだ…目の前が真っ暗になりました。

金を逃したのは俺じゃないのに、あいつがベストのジャンプさえしていればこんな思いをしなかったのに…。画面に「原田」の文字が光り着信音が鳴る携帯電話を、西方はたたきつけました。

「おかえり、仁也くん」幸枝だけがいつも通り迎えてくれました。

神崎コーチからテストジャンパーの打診があったのはそれから数日後です。西方はテストジャンパーを引き受けることにしました。集められた25人のテストジャンパーたちの中に、南川の姿もありました。

紅一点、女子高生ジャンパーの小林賀子(よしこ)、聴覚障害をもつ高橋竜二、オリンピックを目指す若者が気合充分の挨拶をする中、西方はひとり冷めていました。

「ソウルとパッション」が口癖の小林賀子。神崎コーチに怒鳴られても、小樽に帰れと言われても「うまく飛べるようになりたい」と食らいついていく賀子

女子のスキ―ジャンプの大会などなく、たとえ日本一飛んだとしても記録が残らないのに、なぜ飛ぶのか。西方は不思議でなりませんでした。

それでも賀子は「わたしにとっては、これが本番なんです。」と、父親が小樽から連れ戻しに来た時も折れませんでした。

南川は軽口をたたいていつも逃げていましたが、ケガのトラウマから風のある時には恐怖で飛ぶことができなくなっていました。

みんなの訳ありの事情を抱えたまま、長野オリンピックは開幕しました。

スキージャンプの個人戦では船木や原田がメダルを獲得し、団体戦に向けて日本にはいい追い風が吹いていました。

団体戦直前に原田が西方の元にやってきて、アンダーウェアを貸してほしいと言いました。原田の顔を見ることができない西方は「お前の金メダルなんて俺は見たくないんだよ」と毒づきます。

1回目のジャンプ、2人目までは順調に飛距離を伸ばし日本は暫定1位につけていました。天候はどんどん悪化していきます。3人目の原田のジャンプを見ながら、西方は「落ちろ」と念じてしまっていました。

悪夢再来。原田は79.5mで着地し、日本は4位に落ちてしまいました。

悪天候で競技は中断されました。このまま再開できないとなると2回目のジャンプはないまま順位が確定することになっています。ジュリー(審判員)会議の方針が伝えられます。

競技を再開するかどうかは、25人のテストジャンパー全員のジャンプを見て決める。

1人でも失敗すれば危険とみなされて競技は中止。25人全員がジャンプを成功させて、ちゃんと飛距離が出せることを証明しないと競技の続行は認めない。

神崎コーチは、選手たちを危険にさらすわけにはいかない、辞退すると言いました。

賀子が食ってかかります。「これが私のオリンピックなんです!」高橋も「ぼくも、飛びたい」と続き、次々にみんなが「飛ばせてください」と声を上げていました。

「原田に頼まれたんだ『もう一度飛ばせてくれ』って。やろう!」西方は言いました。

幸枝は慎護を抱いて吹雪の中、競技再開を待っていました。「テストジャンプはもう終わりましたか」そう言いながら人ごみをかき分けて前に出てきたのは賀子の父でした。

競技再開の条件を伝える賀子からの電話に、危険だからやめてほしい、代表選手のために犠牲になんかなるなと懇願する父。賀子は「お父さん、見てて。今日が私のオリンピックだよ。」と言って電話を切りました。

1人目のジャンパーは南川が名乗り出ました。もう手は震えていませんでした。

南川が見事なジャンプを決めると、タスキをつなげとばかりにみんな次々にジャンプを成功させていきました。賀子もスタート位置を上げて、ジャンプを成功させました。

高橋も大ジャンプを成功させ、残るはあと1人、西方のジャンプのみです。西方にはK点超えのジャンプが託されていました。西方は誰よりも誇り高く飛んだのでした。

「競技再会」電光掲示板の文字に3万5千人の観衆が湧きたちます。

原田の2回目のジャンプは137mという驚異のジャンプでした。そして最後の船木のジャンプに日本中が注目しています。

日本は金メダルを獲得しました。インタビュアーからの問いかけに原田は「俺じゃないよ…、みんななんだよ、みんなぁ…。」とぐしゃぐしゃの顔で答えていました。

小説を読んだ感想

何回涙で目の前が曇ったか分かりません。後半は鼻をすすりながらティッシュ片手に読みふけりました。

どうなるのか結果はわかっているのに、そこにたどり着くまでの軌跡が、ジャンパーそれぞれのドラマの全てが胸に熱く迫ってきます。

金メダルへの執着が西方の判断を誤らせ、その結果代表落ちしてしまうという過酷な事実。オリンピックというのは当たり前の判断も狂わせてしまうほどの魔力が潜んでいるのだと改めて実感しました。

そして苦しすぎる4年の日々の長さを思いました。後になって思えばあっという間だったかもしれませんが、リレハンメルから長野までの4年間は、誰にとっても長い長いトンネルだったことでしょう。

涙腺崩壊してとんでもないことになるんだけど、読後感はとても心地よく、笑顔になれる物語です。2021年のオリンピックも無事に成功しますように。

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