小説『スマホを落としただけなのに囚われの殺人鬼』映画と違うネタバレ

仮想通貨580億円が盗まれ、その換金を阻止したホワイトハッカーのJK16が殺された。

ダークウェブのカリスマ「M」が関係していることが濃厚だが、全く足取りはつかめない。どうしても「M」を捕まえたい警察は浦野善治にある提案を持ちかけた。

日本中を震撼させた『スマホを落としただけなのに』に続く第2弾!

「囚われの殺人鬼」とはもちろん『スマホを落としただけなのに』の最後に逮捕された「浦野善治」のことです。警察に捕らえられ、留置されているはずの浦野が、今度は加賀谷と美乃里を恐怖に陥れることになります。

『スマホを落としただけなのに』では個人のスマホが丸裸にされる恐怖が描かれていましたが、『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』ではさらにスケールアップして社会全体が混乱に陥れられます。

【主なキャスト(敬称略)】
千葉雄大:加賀谷学
白石麻衣:松田美乃里
成田凌:浦野善治
鈴木紘樹:笹岡一
高橋ユウ:JK16

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『スマホを落としただけなのに』読む順番は?

『スマホを落としただけなのに』シリーズは全部で4作品あり『囚われの殺人鬼』は2作品目になります。読む順番は必ず以下の順番で読んでくださいね!

タイトルが長いので便宜上1~4のように表記させていただきますね。

『スマホを落としただけなのに』→『スマホを落としただけなのに1
『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』→『スマホを落としただけなのに2

映画では「1」の加賀谷学が「2」でも浦野と対峙していくことになるのですが、原作「2」では新たな登場人物・桐野良一浦井(浦野)と対決します。映画と小説で登場人物がちがうのですが、物語の展開にはさほど影響はないので、そこはスルーして大丈夫です。

警察に逮捕されて囚われの身となったはずの浦井に一体何ができるというのか。誰も考えつかない方法で社会を大混乱に陥れて脱獄を図ります。

『スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス』→『スマホを落としただけなのに3

「2」で脱獄を果した浦井が再び日本に帰ってきます。浦井にはどうしても成し遂げたい戦慄の目的がありました。

『スマホを落としただけなのに 連続殺人鬼の誕生』→『スマホを落としただけなのに4

「4」はスピンオフ的な物語で、殺人鬼・浦井光治が誕生するまでの秘密が描かれています。「1」で殺していった女性たちや「2」で登場するMとの出会いが描かれています。

小説『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』のあらすじ

同じセキュリティ会社の同僚だったことから付き合い始めた桐野良一松田美乃里。桐野が突然警察官に転職してしまい、会うこともままならない状態になっている。

桐野は神奈川県警のサイバー犯罪対策課の刑事をしており、逮捕された浦井光治(浦野善治)のパソコンの解析を進めていた。

これまで5人の黒髪の女性を殺したことを自供してきた浦井だが、丹沢で見つかった女性の遺体は6人。それを問い詰めると、浦井は「Mが殺した。埋められているのは女だけではない。」と言った。

Mというのはダークウェブのカリスマで、浦井にあらゆる不正なスキルと遺体を埋めるのに最適な丹沢という場所を教えた人物だった。

浦井の言う通り、丹沢から2人の男性の遺体が発見された。男性の1人は、先に発見された6人目の女性の恋人。その男性のパソコンを解析して、2人がMに脅迫されていたことがわかった。

時を同じくして、仮想通貨ビットマネー580億円が盗まれるという事件が起きたが、JK16というホワイトハッカーがビットマネーをマーキングし換金阻止に成功した。

ところが再び丹沢で女性の遺体が見つかり、県警には「JK16を殺して丹沢山中に捨てた。M」というメールが届く。

Mの正体がつかめず、捜査が暗礁に乗り上げてしまった神川県警は浦井に捜査協力をお願いできないかと桐野に持ちかけた。

初めは乗り気ではなかった浦井は、ハイスペックなパソコンと有線LANを用意すること、そして桐野の秘密を教えてくれたら協力すると提案してきた。

実は桐野は、秘密のパソコンから警視庁のデータベースに不正アクセスしていた。桐野の父も警察官で、桐野が小学生のときに殉職したことになっているが、真相を知りたくて不正アクセスを繰り返していた。

桐野の秘密を知った浦井は、協力を約束し、ダークウェブの深いところにMをおびき出す書き込みをした。

美乃里に「桐野、手を引け、さもないと美乃里を山に埋めるぞ。M」という脅迫文が届きます。

桐野、美乃里に接近しようとする人物を特定するため2人はブログを始めた。その両方に訪れる人物を調べると、ビットマネー社の副社長・久保田稔、桐野がかつて働いていて、美乃里の職場でもあるセキュリティ会社の社長・森岡一、桜田門の警視庁、宮園直樹と名乗る男がヒットした。

浦井は桐野のブログに罠をしかけて、ブログを訪れた宮園直樹の顔写真を撮ることに成功した。実乃里のボディーガードをしている刑事に見せると、確かに宮園は実乃里を尾行していることがわかった。

Mによって神奈川県警のホームページが乗っ取られ、殺害予告が表示された。そして更に、神奈川県警のホームページにアクセスしたパソコンはランサムウェアウイルスに感染してロックされてしまった。

パソコンもスマホもロックされ、なすすべがなくなった桐野たちが身代金を払ってパソコンを復活させようとしたその時、かつての同僚・セキュリティ会社の森岡から、新しく作った復元ツールで解除できると電話があった。

森岡のおかげで復旧したシステム。すると今度は首都圏の信号を制御するシステムがクラッキングされて、交通網が大パニックに…。

一方、桐野の母から美乃里の元へ、退院したので迎えに来てほしいとのメールが入った。美乃里が待ち合わせ場所に行くと、桐野の母親はおらず、美乃里は怪しい男たちに連れ去られてしまった。

信号の制御システムを何とか復旧させようとしている桐野の元に、浦井から「桐野さんのスマホ、遠隔操作されていませんか」と連絡が入ります。見ると送ったはずのないメールが美乃里あてに送られています。

美乃里は見知らぬ外国人グループに拉致されていました。桐野は美乃里のスマホのGPSを頼りに助けに向かった。GPSはサービスエリアで停まったままとなっていた。

サービスエリアに着いた桐野は美乃里のスマホをゴミ箱の中から見つけ、万事休すと思ったその時、駐車場にクラクションが鳴り響いた。抵抗した美乃里の最後のあがきでした。

美乃里のもとにかけつけ、美乃里を開放するように拳銃を向ける桐野。そこへ、拳銃を持った「宮園直樹」が現れ、発砲した。

病室で目覚める桐野。「宮園」に撃たれたわけではない。「宮園」は美乃里を拉致した外国人の肩を銃撃し、その男は倒れるときに持っていたナイフを桐野に突き刺した。

「宮園」の正体は、警視庁公安部、兼サイバー攻撃対策センターの兵頭といった。警視庁のデータベースに不正アクセスした件で、桐野のことを追っていた。しかし、桐野が「桐野喜朗」の息子であることを知ると、Mの情報を全て提供することと警察官を辞めないことを条件に桐野の行為は不問にすると言った。

兵頭はかつて、桐野の父の部下だった。

桐野からの情報を照し合わせ、兵動はまさに北朝鮮に飛ぼうとしているMを逮捕した。

Mの逮捕に一件落着…とはならず、もっと悪いことに…浦井はなんと、この大混乱に乗じて、まんまと脱獄し、国外逃亡まで果たしていた。

事件の真相は?

ここから先は大いにネタバレを含みます。知りたくない方は【+ボタン】を開かないでね。

Mの正体は?
Mを名乗っていた男は、森岡一。

自社の資金繰りに苦慮していた森岡は、ビットマネー社のコンサルタントをやるうちに、そのシステムに致命的な欠陥があることに気付き、仮想通貨を盗むことを思いついた。

Mを名乗って実行犯を雇い、JK16を殺したのも森岡だった。

Mの名前を使ったのは、過去に仮想通貨流出事件にMが絡んでいたという噂があったからで、丹沢で見つかった3人を殺したのは自分ではないといいます。

神奈川県警のホームページを乗っ取ったのも、そのウイルスを駆除したのも、森岡の自作自演でした。

美乃里を巻き込んだ理由は捜査をかく乱するためだったが、殺そうとした理由を聞くと、森岡は驚くべきことを口にした。

森岡は桐野のことを愛していた。

浦井はどうやって脱獄したのか?
すべては浦井の計画通り。

神奈川県警がホームページと信号システムの乗っ取りで大混乱の真っただ中、監視していた警察官を撃って、その警察官の制服を奪って脱獄を成功させた。

浦井は逃亡する前に、地下3階のサーバールームに侵入し、外部からはアクセスすることのできない警察のデータベースにアクセスして、自分の顔写真・指紋・DNA情報等を全て他人のものに書き換えていた。

浦井は空港の自動認証システムを見事にくぐりぬけて、国外へと逃亡した。

殺人事件の真相は?
伝えたいことがある…と、桐野の元に浦井から電話が入った。

丹沢で発見された男女の遺体は、Mが殺して埋めたものだと。そして、もう一人身元の分からない男性の遺体は、自分が殺したMだと…。

Mの本名は「浦井光治」。”逃亡した浦井”はMを殺した後、自分が浦井光治を名乗って生きていた。

映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』のあらすじ

連続殺人事件は浦野善治の逮捕で一件落着したように思えたが、同じ現場から新たな遺体が次々に発見された。相変わらず黙秘を続ける浦野だったが、加賀谷学となら話してもいいと言った。

浦野はかつて自分にネット犯罪の全てを教えたダークウェブのカリスマ”M”の存在を明かし、自分ならMに近づくことができると警察に取引を持ちかけた。

そんなとき、「レイラコイン事件」(=仮想通貨580億が盗まれた事件)が起こり、”JK16“と名乗るホワイトハッカーがレイラコインをマーキングし換金を阻止した。しかし、JK16はMによって殺害されてしまった。

世間の非難にさらされる警察は、仕方なく浦野に捜査協力を依頼し、ハイスペックのPCとネット環境を与えた。特別留置場という監視下で、奇妙なバディを組む加賀谷と浦野は、少しずつ”M”に近づいていった。

しかし、”M”のターゲットが加賀谷の恋人・美乃里に定められ、ついに誘拐されてしまった。

美乃里のスマホの位置情報を使って後を追う加賀谷。すんでのところで美乃里を助け出したが、加賀谷は腹を刺され大けがをしてしまった。そこへ同じく美乃里を追ってきた謎の男が駆け付け、犯人は逮捕された。

ちょうどそのとき、神奈川県警にはランサムウェアが送りつけられており、県警は大混乱だった。その大混乱に乗じて浦野はまんまと脱獄に成功した。

事件の真相は?

この謎の人物”M”の存在がストーリーを超複雑にしています。収監中の浦野はもちろんですが怪しい人が複数人いて、誰が何のために次々と凶悪な事件を起こしているのか、その目的が最後までわかりません。一体”M”は誰なのか?

映画の最後で、もちろん犯人は捕まるのですが、え?え?え?どういうこと?としばらく考えても答え合わせをするのが難しいモヤモヤした気持ちが残ります。

映画と原作小説とでは少し設定が違うのですが、映画の答え合わせは↓こちらです。

加賀谷の秘密
映画の冒頭、パソコンを操作しているのは加賀谷。美乃里の部屋から警視庁・公安部のデータベースにアクセスして、公安の機密ファイルを閲覧している。

加賀谷の父は元警察官であり、23年前に殉職していた。家族に詳しく事情が説明されず、そのことが原因で母は心の病にかかり、幼い加賀谷は母親に虐待されていた。

その虐待は加賀谷の中で大きなトラウマとなっており、末期がんで闘病する母と向き合うこともできず、美乃里をどうやって愛すればいいのかもわからなくなっていた。加賀谷にとって父の死の真相を知ることは、大きな意味を持つことだった。

笹岡の秘密
加賀谷とともにWEBセキュリティ会社を立ち上げ、その会社の社長である笹岡は、実は加賀谷のことを愛していた。

加賀谷が退職した後、会社の売り上げは低迷しており、加賀谷と作った会社をつぶしたくない笹岡は580億円ものレイラコインを盗んだが、ホワイトハッカーのJK16によって換金を阻止されてしまった。

”M”になりすましJK16を脅したが、言うことを聞かないため金でJK16の殺害を指示し、自分の捜査の手が伸びそうになることが分かると、今度は美乃里を殺害すると加賀谷に脅迫メールを送りつけた。

しかし、浦野に犯行を知られてしまい、神奈川県警にランサムウェアを送りつけるように脅されることになった。

火傷跡のある男
映画の冒頭で、美乃里に偽のWiFiに接続させIDやパスワードを盗む、頬に火傷跡がある男は、警視庁公安部の警察官・兵頭彰だった。

警視庁のデータベースに不正アクセスがあったことに気づき、それが美乃里の部屋のパソコンだったので、美乃里を監視することになった。美乃里を監視するうちに、恋人が警察官の加賀谷であることを知り、加賀谷のことについても調べ始めた。

そんな中、浦野の罠によって顔写真を撮られてしまい、「”M”と思われる男」として神奈川県警にマークされることになってしまう。

実は、兵頭は殉職した加賀谷の父の部下だった。加賀谷が公安のデータベースに不正アクセスした理由を知って、本来なら罪に問われる行為に目をつぶり不問にした。

浦野の秘密
浦野にネット犯罪の全てを教えた謎の人物”M”は、実は2年前に浦野の手で殺されていた。冷蔵庫の中で腐乱死体となって発見されたのが、本物の”M”。

神奈川県警の協力要請に応じて「レイラコイン盗難事件」「JK16殺人事件」の真相を調べているうちに、偽の”M”が笹岡であると気づいた浦野は、笹岡を脅して神奈川県警にランサムウェアを送りつけさせた。

そして、その混乱に乗じてまんまと脱獄に成功した。

スマホは落とさない?

今回、事件のきっかけにスマホは落としません。そうです。原作でも落としません。

でも映画では最後につじつまを合わせてくれますよ。前髪を下したさわやかな加賀谷にもご注目!

スマホを落として知り合ったばっかりに、何年も経ってから事件に巻き込まれることになるなんて!といったところでしょうか。

映画の見どころと原作との違い

原作では浦野以外は全く別の新しいストーリーとして始まっており、主人公は加賀谷ではないのですが、映画では完全に『スマホを落としただけなのに』の続編として描かれています。

映画『スマホを落としただけなのに』で、加賀谷が母から虐待を受けていたことになっていたいたのも原作とは違う設定で、加賀谷と浦野をシンクロさせ合わせ鏡のように対峙させることで、加賀谷の苦悩や葛藤をうまく表しています。

映画では怪しい人物もなんらかの形で姿を見せなければならないので、小説と違った演出や設定がなされており、それが映画特有のおもしろさとなっています。さすが、恐怖を駆り立てることに長けている「ホラーの名匠」中田秀夫監督です!

ポンコツ上司のずん・飯尾さん、制服を奪われ裸で転がされている警察官のあきら100%さん、浦野を見張るダメ刑事にアルコ&ピースの平子さん、とお笑い芸人さん達の使い方もおもしろかったですよ!

怪しい人物が多すぎて、そのそれぞれが何を企んでいるのかもわからないので、たぶん1回見ただけでは理解できないかも。答えがわかってから見るとさらにおもしろさアップ!2度楽しめる映画ですよ。

映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』視聴方法は?

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