『スマホを落としただけなのに 連続殺人鬼の誕生』あらすじとネタバレ

小説『スマホを落としただけなのに』シリーズ、衝撃の第4弾!殺人鬼・浦井光治がいかにして誕生し、サイコパスとして成長していったかの秘密を解き明かす物語。

シリーズ1作目で黒髪の女性に執着して次々と殺していく殺人鬼・浦井光治が、2作目の『囚われの殺人鬼』で見事脱獄を図り成功。そして3作目『戦慄するメガロポリス』で再び黒髪の美しい女性を求めて日本に帰ってくるという衝撃の展開を迎えました。

ところが、あとちょっとのところで再び浦井には逃げられてしまったので、第4弾はその続きの物語で、ついに浦井との最終決戦かとおもいきや浦井誕生の秘密というスピンオフ的な物語だなんて、うわぁ引っ張るなぁ。

でも読んでみて納得、そして戦慄。過去3作に張り巡らされた伏線も回収されて、殺人鬼・浦井光治の恐ろしさは本物だと再認識することになります。ますます第5弾が楽しみになる作品でした!

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『スマホを落としただけなのに』読む順番は?

『スマホを落としただけなのに』シリーズは全部で4作品あり『連続殺人鬼の誕生』は4作品目になります。読む順番は必ず以下の順番で読んでくださいね!

タイトルが長いので便宜上1~4のように表記させていただきますね。

『スマホを落としただけなのに』→『スマホを落としただけなのに1
『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』→『スマホを落としただけなのに2
『スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス』→『スマホを落としただけなのに3
『スマホを落としただけなのに 連続殺人鬼の誕生』→『スマホを落としただけなのに4

映画では「浦野善治」という名前で登場する殺人鬼、原作では「浦井光治」です。これも偽名なのですが、どうしてこの名前を名乗ることになったのかを含め、殺人鬼・浦井光治誕生の経緯が語られるのが「4」。

「1」と「2」はすでに映画化されていて、おそらく「3」は映画化されることになるでしょう。でも「4」はスピンオフ的な物語なので映画化はないかなぁ。でも、映画だけ見た人にも知ってほしい…この秘密!

『スマホを落としただけなのに 連続殺人鬼の誕生』あらすじ

小学校3年生の佐藤翔太。朝起きると母親が首を吊って死んでいた。

翔太は母親から暴力を振るわれ無視されることが多かった。母親が何日も帰って来なくて、食べる物もなくてひもじい思いをするのは日常茶飯事だった。それでも翔太は母親のことが大好きだった。

父親も親戚もいない翔太は児童養護施設に行くことになった。施設では百合子先生がみんなの母親代わりだったが、人から優しくされた経験のない翔太は百合子先生になつくこともなかった。

翔太が中学生になってアリを殺して遊んでいる時に、耳元で声がした。周りを見回しても誰もいない。声の主は「ヨシハル」と名乗った。ヨシハルは翔太の体の中にいるもう1人の人格だと言った。

嫌なことがあると翔太は眠ってしまうので、その代わりヨシハルが耐えていたらしい。母親からの暴力に耐えていたのもヨシハルだった。

ヨシハルが現れてからというもの、翔太は虫だけでは飽き足らず猫や犬まで殺すようになっていった。ついにはヨシハルが「人間を殺してみたい」というようになった。

気が付くと翔太は少年鑑別所で精神鑑定を受けていた。百合子先生を刺殺したのだと言われたが記憶にない。ヨシハルの仕業に違いない。ヨシハルは人を殺しておきながら、服役という面倒なことになると翔太に任せて姿を消してしまった。

翔太は医療少年院に送られた後、特別少年院に送られた。私語も禁止のまるで軍隊のように管理される少年院の中で、翔太は陰湿ないじめを受けていた。死ぬことばかりを考えて、翔太は理由もなく隣に座っていた男に喧嘩をふっかけ独房に入ると、着ていた服を鉄格子に括りつけて自殺を図った。

翔太にはそれ以降の記憶がない。ヨシハルが表に出てきて生活していたようだ。

16歳になって少年院を出た翔太は児童養護施設に戻った。ここにも18歳までしかいられない。パソコンが好きだったので専門的な勉強がしたいと思ったが、もちろんそんなお金もない。

たまたま見つけた母親の通帳には残高が1450円しかなかったけれど、解約をしようと思って銀行へいった。すると驚いたことにチバナオキという人から毎月送金があり600万円もの残高があった。

翔太は大学検定を受けて神奈川県の大学の情報システム学科に入学した。大学で知り合った坂本香苗と男女の関係になったが、香苗は翔太を金づるとしか思っていなかったのか、翔太の金を全て持って姿をくらました。その頃にはチバナオキからの送金も途絶えていた。

お金を借りて何とか大学を卒業し、IT企業に就職したが、入社後に少年院にいたことがわかると会社をクビになった。

チバナオキはもしかしたら父親かも?とずっと気になっていた翔太は、探偵事務所に調査を依頼した。その結果、衝撃の事実がわかった。千葉直樹は22年前に翔太の祖父を殺害し、旭川刑務所で服役中だった。

翔太は千葉に手紙を書いた。返事が来たが、千葉は翔太の祖父を殺すに至った経緯や自分が翔太の父親なのかについて語る気はないようだった。翔太は旭川刑務所まで会いに行くことにした。

千葉は祖父に翔太の母親との結婚を反対されたことだけは教えてくれたが、詳しい経緯や翔太の父親なのかどうかについては教えてくれなかった。

翔太は過去にとらわれず未来だけを見ると心に決めて、まずは恋人を作ろうとマッチングアプリに登録した。麻衣という女性と知り合い、悩みを打ち明けているうちに翔太は本物の麻衣に会いたくなった。

翔太は麻衣が働くデリヘルの常連となり多額の金をつぎ込んでいた。しかし騙されていたことを知り、ヨシハルは麻衣を殺すことにした。ダークウェブで知り合ったMに相談すると、死体を埋めるのに適した丹沢の山を教えてくれた。

Mにウイルス付きのメールを送りつけ対決姿勢を見せると、Mはまんまと乗ってきた。横浜港の倉庫でMと会ったヨシハルは、Mを殺して丹沢の山に埋めた。

Mのスマホと鍵を手に入れたヨシハルはMのマンションを物色した。Mの部屋にはたくさんの異なる名前の免許証やパスポートがあった。一緒にハワイ旅行に行った長い黒髪の池上聡子という女性がMの本命の恋人ではないかと読み、ハワイへ行ったときのパスポートを探すと、そこには「浦井光治」と名前があった。

浦井を殺したことを疑ったので、ヨシハルは聡子も殺して丹沢の山に埋めた。そして、東日本大震災で「佐藤翔太」が被災して死んだことにして死亡届を提出し、裏井光治として生きていくことにした。

長らくヨシハルが表に出ていて、存在を潜めていた翔太が、今度は小森玉枝というデリヘル嬢にのめり込んでいた。やはり母親を彷彿とさせる黒髪の持ち主だった。

ヨシハルが闇の仕事でせっせと稼いでも、翔太がそのお金をデリヘル嬢につぎ込んでしまうのが我慢できなくて、ヨシハルは玉枝を殺して丹沢に埋めた。それ以来、翔太は出てこなくなった。

マッチングアプリで知り合った猪俣明日香と付き合い始めたが、携帯電話や偽造免許証を多数所有していることがばれ、ヨシハルは明日香も殺して埋めた。

フィッシング詐欺やウイルス付きメールを送るためになりすましアカウントを作るのが日常作業となっているところへ、長い黒髪が美しい西野真奈美のSNSがヨシハルの目に留まった。

真奈美のSNSを何か月もチェックしたヨシハルは、真奈美と同じ大学の女友達になりすまして友達申請をしまくった。辻香奈になりすましたSNSには真奈美からランチの誘いが来たので、今度は都内の大学病院に勤務する「浦野善治」という偽アカウントを作って香奈とは友達であるかのように見せかけ、真奈美に紹介したい人がいるとメッセージを送っておいた。

真奈美と香奈と善治の3人で会う約束を取り付け、急な用事で香奈が来られなくなったことにすると、ヨシハルは真奈美との距離を急速に縮めていった。真奈美と付き合い始めるのに大して時間はかからなかった。

真奈美は美しいだけでなく、料理が上手で贅沢も好まない理想の女性だった。ところが突然、嘘がばれてしまった。真奈美は本物の辻香奈と会ったらしい。

真奈美と出会い「人を愛する」ということを初めて知ったヨシハルは、真奈美に真実を話し別れを告げた。自分のような人間は生きているべきではないと悟ったヨシハルは死のうと決心し、踏切へ飛び込んだ。

その瞬間もう1人の「オレ」が現れて、電車にはねられる直前で身をかわした。「オレ」は真奈美を殺して丹沢の山に埋めた。愛する人を殺されたヨシハルは二度と表には現れてこなくなった。

キャバクラからの帰りタクシーの中で「オレ」はスマホを拾った。

『スマホを落としただけなのに 連続殺人鬼の誕生』の感想

連続殺人鬼・浦井光治誕生の秘密に迫る物語。幼い子どものときからどうやって成長してきたのかが描かれていますが、その順番が例えば①~⑩で表されるとしたら「①→⑥→②→⑦→③→⑧→④→⑨→⑤→⑩」という感じで進んでいきます。

(あらすじはあえて「①→②→③→…」の順で紹介しています)

この構成、素晴らしかった!どうしてこんな悲惨なことになる?っていう謎とちょっとずつ謎解きされていくのがむちゃくちゃ怖かったです。

どんどん人間という範疇から外れていくヨシハルの思考回路が本当に怖すぎました。虐待されて育つと多重人格になるというのは聞いたことがあるけど、ヨシハルみたいな人格が形成されていくことも実際にあることなのかもしれない…と思うと、また怖さが倍増してきます。

そしてラストの真の殺人鬼の誕生で怖さはMaxに!このラストから『スマホを落としただけなのに』に続いていくのかとゾクゾクしました。思わずもう一度最初から読もうかと思ったくらい。

『スマホを落としただけなのに 1』で発見される女性の遺体はどういう経緯で殺されたのか、『スマホを落としただけなのに 2』で登場する「M」とは誰だったのかという過去作の伏線回収までされていて、本当に一読の価値ある物語でした。

きっと、浦井との直接対決を描く第5弾の布石も打たれているんだろうなぁ。

これは1~3を読んだ人にはもちろん、映画を見ただけの人にも是非読んでほしい。ただめっちゃ怖いけどね。このシリーズ、やめられんわぁ。以前よりもっと第5弾が楽しみになった!

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