『恋する寄生虫』の魅力は?あらすじと少しのネタバレで解説

『恋する寄生虫』という不思議な響きに「一体何?どういうこと?」と興味をそそられない人はおそらくいないでしょう。

この物語は、奇妙で純粋でファンタジックな、ラブストーリーです。

人間嫌いの高坂賢吾と佐薙ひじりが、いかにして恋に落ちたのか。【虫】によってもたらされた「操り人形の恋」とはどういうことなのか。

小説でも漫画でも読むことができます。

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原作のあらすじ(少しネタバレ)

27歳の青年・高坂賢吾は、4つ目の会社にもなじめず退職し、精神を病んで失業中。彼の病気は他人に対する重度の潔癖症

ある日、和泉と名乗る見知らぬ男から「子どもの面倒を見てほしい」と依頼されます。翌日会いにいくと、それはプラチナブロンドのショートヘアでタバコを加えた不登校の女子高生・佐薙ひじりでした。

ある日「迎えに来てほしい」とひじりから電話があります。図書館でヘッドフォンを盗まれて、人ごみを歩けなくなったのだと。彼女は視線恐怖症でなぜかヘッドフォンをすると外出することができました。

互いの強迫性障害を告白しあい、「極度の潔癖症のせいで、恋人とキスも手をつなぐこともしたことがない」と言う賢吾に、ひじりは除菌剤で手を拭きラテックスの手袋をはめマスクをして、キスをします。

一緒にいると強迫性障害が薄れることに気付き、2人で過ごす時間を重ねていくうちに、恋に落ちる賢吾とひじり。ところが…

和泉に連れ出され、ひじりの祖父・瓜実の診療所で「二人の頭の中には、同じ新種の寄生虫がいて、互いに呼び合っている。ただの操り人形の恋にすぎない。【虫】は宿主から社会性を奪い、様々な形で人間嫌いにさせる。【虫】は宿主を自殺させる。」と告げられ、駆除薬を飲んで治療を受けてほしいと頼まれます。

治療を拒むひじりは、賢吾にも「【虫】を殺さないで。【虫】を受け入れて。」と懇願しますが、賢吾は治療を受け入れ、ひじりに別れを告げます。

治療を始めて4か月、潔癖症は驚異的に改善し、プログラマーとしての再就職を果たし、職場の仲間との交流もできるようになった賢吾。【虫】が駆除されたおかげなのに、ひじりに対する気持ちに少しも変化がないことに気付きます。

ひじりが自殺未遂を起こした末に、行方不明になっていると和泉から聞かされ、探しに出かける賢吾。忘れ物を取りに帰った部屋に、ひじりが眠っていました。

再び出会えた2人。果たして2人の恋は、本当に【虫】がもたらしたものだったのでしょうか…。

2人の恋の行方は?

【虫】によってひかれあう、なんてことが本当にあるのでしょうか。

この不思議なセッティングに一番好奇心をそそられると思うのですが、【虫】が宿主の性格にまで影響を及ぼすというのは、実際にあることだそうです。

人間嫌いで強迫性障害を持つ2人が、他人に興味を持ち恋に落ちるなんてことは、ほぼあり得ないことなので、そういう意味では【虫】によってもたらされた恋と言ってもいいと思います。

でも、【虫】を駆除した後も、ひじりに対して変わらない気持ちを持ち続ける賢吾は、この町でひじりと共に生きていくと心に誓います。

和泉からは「薬剤耐性の【虫】だから、しばらく小康状態が続くが、すぐ元に戻る」と言われるので、この気持ちはやはり【虫】によるものなのでしょうか?

一方、ひじりは自分の体を使って、この恋は【虫】によるものではないと、証明しようとします。

和泉が語る【虫】の仮説
宿主を自殺に追い込むと思われていた【虫】ですが、実は、治療を開始して【虫】が駆除されると自殺に追い込まれていくことがわかってきます。
そもそもこの【虫】は、自殺願望を抱くほど生きることに苦悩を感じている人の中でしか生きていけない、人の苦悩を食べて生きている【虫】なのでした。
だから【虫】が駆除されてしまうと、人間本人が苦悩を処理しきれず、自殺に追い込まれる…と和泉は考えています。
ここから先は本当のネタバレ
ひじりは、自分がまもなく自ら命を絶つことを予測しています。
幸福の絶頂で死を迎えたいという欲求に抗えずにいます。
でも、それが2人の恋が【虫】によるものではないことを証明することになると信じています。

自分は死を選ぶということは【虫】がいないということ。
つまり【虫】がいないのに、2人は愛し合っているということ。

死ぬことを予感したまま終わるなんて悲しすぎる。

恋する気持ちに正直に向き合おうとする2人に、素敵な未来が待っていることを願わずにはいられない、切ないラブストーリーです。

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