漫画『るろうに剣心裏幕-炎を統べる-』志々雄と十本刀の邂逅物語

十本刀」とは、志々雄真実の「国盗り」を実現させるために集められた、最強で最恐と言われる10人の「異形の強者」の総称です。

志々雄真実とその懐刀として暗躍する「十本刀」そして由美は、互いに何を求め、どのようにして出会ったのか?彼らが背負った運命と志々雄との出会いを描いた物語。

作者の和月氏が『るろうに剣心 京都大火編』の映画の製作現場に見学に行った際、大輪の花のように咲き誇る高橋メアリージュンさん扮する駒形由美を見て刺激を受け「志々雄と由美の出会いを描きたい」と創作意欲に火がついて生まれた作品です。

『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』本編には「天剣の宗次郎」「心眼の宇水」の半生やエピソードが描かれていますが、十本刀のほとんどはどうやって集められたのか語られていません。

いくつかスピンオフの漫画が存在しますが、その中でもこの『るろうに剣心 裏幕-炎を統べる-』は本編とともにぜひ読んでいただきたい物語です。

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志々雄真実と夜伽の由美

志々雄真実

「十本刀」を語る前に、まず志々雄真実という人物について…。

志々雄は剣心と同じく、幕末に維新政府側の刺客として暗躍した志士です。剣心は明治時代の到来と同時に剣を置き、後を継ぐべく刺客となったのが志々雄真実です。それゆえ志々雄は剣心のことを「先輩」と呼びます。

その強さと野心は仲間からも恐れられるほどで、長州藩の命により要人を次々に暗殺した証拠ともなる人間なので、存在を仲間の手によって抹殺されます。

全身を焼かれ捨てられますが、奇跡的に命を取り留めた志々雄。全身が包帯でぐるぐる巻きになっているのは火傷による傷のためです。その傷から志々雄が得たものは…

信じれば裏切られる。油断すれば殺される。殺される前に殺れ。」という教訓。

強者の自分こそが日本の覇権を握るのにふさわしく西洋列強に対抗できるという「弱肉強食」の信念を説き、それを実行によって証明してきました。

夜伽の由美

かつては華焔(はなほむら)という吉原の一番人気の花魁でした。両親兄弟は何者かに惨殺され、ひとり生き残った由美は吉原に売られてきたのでした。

海軍の兵士を集めた私的な集団、弘原海鮫兵団(わだつみこうへいだん)に華火という妹女郎を殺され、怒りに打ち震えた華焔は志々雄に助けてほしいと頼みます。

しかし志々雄は「お前らが弱いから悪いんだ」と相手にしません。

華焔は「あんたのその強さを、今夜一晩私に売って。報酬は私の命。好きな時に奪って結構。一緒に地獄に着いて行ってあげる。」と交渉をもちかけました。

十本刀によって弘原海鮫兵団は壊滅し、志々雄は相場の3倍の金額で華焔を身受けしました。

十本刀とは?

明治政府に強い恨みをもち、明治政府を転覆させ日本という国を我が物にしようとたくらむ志々雄真実。その志々雄の懐刀として戦うことを誓った10人の「異形の強者」のことを「十本刀」と呼びます。

志々雄に忠誠を誓い志々雄の目的達成のために命をも懸けられる志士、単に明治政府に恨みがあって政府の転覆を目指している志士、個人的な目的で志々雄に近づいた志士…など、一見寄せ集めのように見えますが、戦うことにかけてはプライドがあり、その絆は固いものでした。

瀬田宗次郎(天剣の宗次郎)

宗次郎と志々雄の出会いは本編「るろうに剣心 明治剣客浪漫譚」の16巻に描かれています。

宗次郎が志々雄と出会ったのはまだ少年だった頃です。妾の子として虐待を受けていた宗次郎は、どんなに辛い目に遭っても笑って受け流すことで乗り越えてきました。

そのため”楽”以外の全ての感情を無くしてしまいました。

ある夜、志々雄が警察官を斬るところを目撃してしまった宗次郎。本来なら宗次郎も殺されるところですが、志々雄を納屋に匿ってお世話をすることで命を助けてもらいました。

虐待されることを「妾の子だから仕方がない」と言う宗次郎に、志々雄は言います。「お前が弱いのが悪い。世の中は常に弱肉強食。」それが志々雄の生き方でした。

志々雄を匿っていたことがばれて家族から責めたてられた宗次郎は、志々雄からもらった刀で家族全員を惨殺してしまいます。そして志々雄と生きていくことを選んだのでした。

感情を無くしてしまった宗次郎はニコニコ笑いながら人を斬ることができる、志々雄が作った最恐の修羅です。感情の揺れが全く読めないので、剣心でさえ苦戦を強いられました。

比叡山のアジトで剣心と戦い敗れた後は、志々雄にもらった脇差を返して旅に出ました。

佐渡島方治(百識の方治)

作戦から資金の調達、など志々雄の参謀として働く方治は元々明治政府の役人で、武器商人の山城屋和助という男が陸軍省内で割腹自殺をした事件を調べていました。

山城屋を通じて流出した莫大な公金の流れ先は明らかにされないまま、政府は事件そのものをなかったことにしようとしていました。

秘密裏に調査をすすめていた方治がたどりついた人物は長州藩志士”志々雄真実”。長州派の中でもよほどの中枢にいない限り知り得ない人物でした。

志々雄は自分にたどり着いた方治に大いに感心し「その能力、俺の懐刀となって役立てないか。」と提案しました。

明治政府に怒りを感じていた方治は、熟考の末、志々雄一派に加わる決意をしました。

志々雄が剣心との戦いに敗れた後、安慈によって命を救われた方治は警察に出頭し、志々雄の汚名をそそぐべく尽力しました。しかし、そもそも志々雄の存在自体が表沙汰になってはいけないものだったので、公の場で語ることも許されませんでした。

方治の実務能力を買って明治政府からは破格の好条件が提示されましたが、明治政府に絶望した方治は、獄中で自害したのでした。

悠久山安慈(明王の安慈)

安慈がなぜ破壊僧になったかのエピソードは本編「るろうに剣心 明治剣客浪漫譚」の13巻に描かれます。

安慈は元々心優しい僧侶で、身寄りのない子どもたちを寺で面倒をみてあげていました。ところが明治政府による「廃仏毀釈」の仏教弾圧により、寺に放火され子どもたちは帰らぬ人となってしまいました。

自らの手で救世を目指す破壊僧となり破壊の極意二重の極み」を習得し、間違った権力は排除すべきとの考えで、志々雄の明治政府転覆に手を貸すことになっていきます。

本編9巻では、森の中で京都に向かう左之助と出会って「二重の極み」を伝授します。かつて左之助は尊敬する赤報隊の相楽総三隊長を明治政府に殺された経験があり「明治政府は嫌い」と言ったので技を伝授したのですが、その後志々雄のアジトで安慈と左之助は直接対決をします(本編13巻)。

力量は互角…精神力だけで戦っている状態でしたが、左之助の繰り出した「三重の極み」と「子どもたちは救世なんて望んでいない。望んでいるのは生き残った和尚様の幸せひとつ。」という言葉に、大事なことに気付かされるのでした。

決戦後の安慈は、自ら警察に出頭し懲役25年の刑に服して北海道の仮設集治監に収容されました。

悠久山安慈のモデルは和月氏の大好きなバンド”アンジー”です。

魚沼宇水(盲剣の宇水)

かつては人斬りとして幕府に雇われていました。志々雄と戦った際に目を傷つけられ盲目になってしまいましたが、異常聴覚「心眼」を会得します。宗次郎と並んで十本刀の二強と称される剣士。

魚沼宇水は十本刀の中でも異端児のような存在です。志々雄のために働くという気は全くなく、力を貸す代わりに、隙あらばいつでも志々雄の命を狙ってもよいという条件で十本刀に加わっています。

本編14巻では、比叡山アジトで斎藤一と剣を交えます。志々雄の命を狙っているというのは宇水の弱さを隠すための狂言で、実は志々雄にはかなわないと認めていることを斎藤一には見抜かれていました。

比叡山アジトでの決戦で、宇水は斎藤一にとどめを刺されて葬られました。

沢下条張(刀狩の張)

珍しい刀があると聞けば手に入れないと気が済まない、刀コレクター。志々雄に対する忠誠というより単に戦いが好きという人間です。

志々雄が「懐刀を探している」と言ったのを、自分の持っている刀を寄こせと言われたと勘違いした張は志々雄と対決して負けてしまい、仲間となりました。

本編10巻で、新井赤空の幻の剣をめぐって剣心と戦いますが敗れ、警察に捕縛されてしまい、十本刀でありながら決戦の場には参加できていません。

元々、志々雄に対して忠誠心の薄い張は、志々雄亡きあと警視庁の密偵として斎藤一の下で働くことになるのでした。

刈羽蝙也(飛翔の蝙也)

極限まで体重を絞り、空中に浮きあがり攻撃をくり出す剣士。

風魔一族の末裔で、納屋で空飛ぶ術を記した巻物を見つけ、それを追求して飛翔能力を手に入れました。

本編15巻では、志々雄のアジトを出て御庭番衆たちの拠点である葵屋を襲い、弥彦と対決し敗れます。

決戦後は、政府に飛空能力を買われ陸軍の斥候部隊に編入され、亜細亜大陸の情勢を空から偵察しました。

本条鎌足(大鎌の鎌足)

見た目も心も女だけど、実は男。

志々雄のためなら命さえも懸けられるくらい志々雄を慕っていますが、しょせんは男。女としては由美に、男としては宗次郎にかなうわけがないと認めつつ、最後まで志々雄のために戦います。

決戦時は蝙也とともに葵屋を襲い、薫・操と戦いますが破れてしまいます。

志々雄が死んだと聞いて自分も死にたいと言いますが、張に「十本刀には志々雄様を後世に伝える語り部になるという重要な役割がある」とウソを吹き込まれ、志々雄のために生きる決意をします。

和月氏のよると、「オカマの鎌使い」という一言から生まれたキャラで、モチーフはエヴァンゲリオンの碇ユイだそうですよ。

夷腕坊(丸鬼の夷腕坊)

分厚い脂肪に覆われてゴムまりのように柔らかく、あらゆる攻撃を吸収してしまいます。決戦の際には勝ち目がないと見切ったのか、ゴムまりのように弾んで逃走してしまいました。

なぜ十本刀に加えられているのか今一なぞのキャラ。後に外印の操るからくり人形だったことが判明します。

不二(破軍(乙)の不二)

1人で1000人分の戦力を持つ凄腕の巨人剣士。かつて才槌に命を救われたことから才槌に忠誠を尽くしています。

決戦後は北海道で屯田兵として活動しました。

才槌(破軍(甲)の才槌)

軍略に精通した知力をもって志々雄の国盗りに協力することとなった軍師。

あまりにも巨大な体をもち「化け物」と恐れられた不二は、一藩総出で討伐隊が組まれ命を狙われていました。志々雄が「異形の強者」を集めているという噂を耳にした才槌は、志々雄に願い出て討伐隊を殲滅させ不二を救いました。

不二の戦力を半ば洗脳に近い形で解き放ち、たった2人で最強最小の”軍”を作りました。

蝙也、鎌足が負けて、夷腕坊が逃走した後に現れ、戦いでボロボロになっていた葵屋は万事休すかと思われましたが、そこへ助っ人として現れたのが剣心の師匠・比古清十郎。見事破軍の2人を撃破しました。

才槌は決戦後、巧みな交渉術を買われて政府の裏役人となり、対外の困難な交渉に携わりました。

十本刀の集結

いよいよ明治政府を転覆させて志々雄の国盗りを完成させるための作戦が始動しました。志々雄の命令で吉原に十本刀が集められます。

時を同じくして、弘原海鮫兵団も吉原に集結していました。一番人気の華焔に「明治政府の関係者はお断り」と相手にされなかった団長の一ヶ瀬鮫男は「それなら華焔を身受けする」と言い放ちました。

一週間後、華焔の身受けにやってきた弘原海鮫兵団の一隊の世話をしていた華火が、大事な書類を見てしまったために殺されてしまいました。

華火の復讐をするために、由美は自分の命と引き換えに志々雄の力を買いました。

大きな交渉に出かける弘原海鮫兵団20艘200人を志々雄と十本刀が待ち受けます。力の差は歴然としており、あっという間に決着がつきました。

方治が撃った男の遺体から重要な書類がみつかりました。その書類によると、弘原海鮫兵団は戦艦の売買交渉を行っているようでした。

志々雄はその交渉を丸ごと奪い、上海の武器商人”雪代縁”から戦艦”煉獄”を買うことに成功しました。

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同じ物語を描いていますが、前半は和月伸宏さんの漫画、後半は黒碕薫さん(和月氏の妻)の小説です。小説部分では方治の人間的な一面に触れることができます。
2024年4月28日時点の情報となります。 オフィシャルサイトにて必ず最新の情報をご確認ください。

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