ドラマ『太陽は動かない THE ECLIPSE』映画へと続く戦いの序章

映画『太陽は動かない』と同時に撮影された、WOWOWの完全オリジナルドラマ。

映画の原作小説『太陽は動かない』と『森は知っている』の間の期間を描いたストーリーで、そのまま映画へと続いていきます。

AN通信が一体どんな組織かということや、鷹野と田岡の出会いが描かれています。

金のためならどんな手でも使う、政治家と中国企業との覇権争い。それに巻き込まれるAN通信のエージェント達。

拉致したり殺したりなんて当たり前の攻防が繰り広げられる中、AN通信エージェントの胸に埋め込まれた起爆装置まで起動したりするので、ドキドキが倍になって心臓に悪いったらありゃしない。

でも最後まで一気に見てしまうこと間違いなしです!

2時間の映画ではとても説明しつくせない伏線が、このドラマにはぎっしり詰まっているので、映画を見る前には必見ですよ!

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AN通信とは?

アメリカの情報はアメリカが、ヨーロッパの情報はヨーロッパが、アジアの情報は日本が、それぞれ8時間ずつ担当してニュースを発信しようというGMN計画。

その計画が頓挫したのち、GMN計画のために海外の隠し口座に用意されていた莫大な資金を使って作られたのがAN通信です。

表向きはアジアの情報を発信する小さな通信会社ですが、実は世界中にエージェントを潜入させ、知り得た情報を必要とする組織に高値で売る産業スパイ

AN通信で働くエージェントになるのは、孤児や親から虐待されていた子どもで、死んだことにされたのちに新しい名前をもらってAN通信のエージェントとしての訓練を受けます。

18歳になったときに、エージェントになるかどうかを決めるのは自分自身です。もし拒めば、戸籍も身分もなく、この世に存在しない人間として生きていくことになります。

エージェントとして生きる道を選べば、裏切り防止のために胸に小型の起爆装置を埋め込まれて、毎日正午に本部への連絡を怠れば起爆装置が作動して爆死することになります。

エージェントは24時間だけ信用されて、その日を生きる…そんな毎日の繰り返し。そして35歳まで無事に生き延びていられたら、大金を与えられて、好きな場所で自由に生きることができると言われています。

映画につながるキャスト

鷹野一彦:藤原竜也

優秀なAN通信のエリートエージェント。死ぬことをも何とも思っていないかのように、ミッション最優先で常に冷静沈着。

死んだと思っていた桜井が生きていたことで、鷹野も感情が揺れ動き始めます。

田岡亮一:竹内涼真

鷹野に託されたAN通信の新人エージェント。幼いころ母親の内縁の夫から虐待を受け保護されました。死に対して恐怖を感じたり、仲間を見殺しにできなかったりと、とても人間的な青年。

風間武:佐藤浩市

鷹野、田岡、山下に指令を出すAN通信の司令塔。元新聞記者。

山下竜二:市原隼人

香港に潜入中の鷹野の同輩エージェント。鷹野の前に田岡の面倒を見ていました。

桜井修:安藤政信

元AN通信のエージェントで爆弾のプロ。南蘭島から出てきたばかりの鷹野の教育係として共に生活していました。

手荒い指導でしたが鷹野が兄のように慕っていた桜井は、8年前ミッションの途中で胸の起爆装置が作動し爆死したはずでした。

中尊寺信孝:石橋蓮司

元副総理与党最大派閥の長。都市博を湾岸案に戻すために画策する悪徳議員を絵に描いたような男。

永島徹:吉田鋼太郎

外務省出身の中尊寺議員の第一秘書。かつては熱い野心家でしたが、すっかり牙を抜かれ中尊寺の飼い犬と化しています。ある人物に消したはずの野心を利用されることに…。

桐野研次郎:柿澤勇人

元総理の息子で、政界の貴公子と呼ばれています。

落合香:多部未華子

NPO法人みらい人権センターの職員。

かつて医療ボランティアでイラクに渡った父が人質に取られ、中尊寺議員に見捨てられ遺骨となって帰ってきたことから、中尊寺に大きな恨みを持っています。

ドラマのあらすじ

第1話(Episode 1)

東京都立川市で開催予定の都市博情報未来館建設地で爆発が起こりました。AN通信の鷹野一彦はその現場で起爆装置の一部を見つけた。

元は湾岸地区での都市博開催を画策していた中尊寺議員が、立川市での都市博開催を妨害するために立てた計画。反社会組織に依頼して実行される予定が、中止されたはずだった。

何者かがその情報を入手して、中尊寺議員の仕業にするために実行されたようで、AN通信はその何者かを暴き出すために動き始めた。

鷹野の元へ、ともに行動するようにと若い新人のエージェント・田岡亮一が送り込まれた。メインパビリオンで次の爆発が起こると読んだ2人は、建設中のメインパビリオン内で時限装置が起動した爆弾を発見。

起爆装置を解除して仕事は終わったと帰りかけたその時、メインパビリオンが大爆発を起こした。鷹野と田岡が解除した爆弾はダミーで、2人をおびき寄せるための罠だった。

外して持ち帰ろうとした起爆装置を見た鷹野は、顔がひきつります。こんなことができるのはあの人しかいない…。

その人物は元AN通信のエージェントで爆弾のプロ・桜井修。8年前、胸に埋め込まれた起爆装置が作動し、鷹野の目の前で爆死したはずだった。

一方、香港にいるAN通信のエージェント・山下竜二は香港の裏組織のボスに近づくために潜入を試みていた。

第2話(Episode 2)

爆破事件の黒幕・中国企業は中尊寺の秘書である永島をそそのかして、中尊寺を追い込もうとしていた。

うまくそそのかされ動き始めた永島は元総理の息子の桐野研次郎議員を訪ね意味深な言葉で挑発し、鷹野と田岡をホテルに呼び出した。鷹野と田岡はホテルの駐車場で中国企業の工作員に連れ去られてしまった。

人権センターの職員・落合香は、中尊寺が今回の都市博施設の爆破に必ず絡んでいると踏んで、連日中尊寺に会うために自宅を訪問していた。香は裏の顔を持っている中尊寺に個人的な恨みをもっていた。

香は中尊寺の自宅からAN通信・風間武の車が出てくるところを見た。香は風間のことを知っていた…。

一方、香港では山下が裏組織に潜り込むためにボスと会っていた。一見和やかに進んでいる会食の中で、山下はボスの携帯電話からデータを盗み取ることに成功していた。

会食の映像は日本に送られ、拘束された鷹野と田岡の前に映し出された。

「AN通信のネズミがまぎれこんでいる」と詰め寄られ、拳銃を突き付けられた山下の姿を見た田岡は取り乱し始めた。裏組織内部に送り込んで育てていた協力者のおかげで、山下は何とか逃げることができた。

鷹野と田岡の胸の起爆装置も作動し万事休すかと思われたその時、覆面を付けた男が現れ鷹野と田岡の危機を救った。

第3話(Episode 3)

自分の運命に絶望して暴れ出した田岡に、鷹野は鎮静剤を注射して眠らせた。そして、使えないから引き取ってくれと、風間のところへ連れて行った。

山下が香港で手に入れたデータによると、中尊寺は都市博跡地をカジノ誘致に利用するために湾岸案を推進していた。そしてカジノ利権に食い込もうとしていた中国企業は、中尊寺を失脚させるために、計画を奪い「フクモト」という男に実行させた。

中国側のシナリオでは、中尊寺がAN通信に依頼して爆破計画を実行したことにして公にするという計画だったが、どうやら「フクモト」が裏切ったらしい。拘束された鷹野と田岡を助けたのも「フクモト」だった。

裏切り者の「フクモト」は中国企業に追われることになり、「フクモト」は桜井だと確信した鷹野は、助けに向かった。

落合香の元には地図が添付されたメールが届き、訪ねてみるとそこは風間の家だった。1人でいた田岡とドライブしながら香は身の上話を始めた。

香の父はイラク戦争の時にボランティア医師としてイラクに渡り、人質となって殺された。中尊寺議員は香の前では「助ける」と言いながら、記者たちには「自己責任だ」と言い放っていた。

世論も「自己責任論」に流されるようになると、香と母は誹謗中傷の嫌がらせを受けるようになり、母は精神を病んでしまった。

香自身も生きていくのが辛くなり、屋上から飛び降りようとしたとき、助けてくれたのが風間だった。「1日だけ生きてみなさい。それができたらもう1日だけ。」

家に帰ると、お父さんの遺骨が届いていた。

第4話(Episode 4)

中国企業の工作員に拉致された桜井が潜伏先もろとも爆破される寸前に、鷹野は桜井を救い出した。

かつて南蘭島での生活を終えた若き日の鷹野は、先輩エージェント・桜井修の元でAN通信のエージェントとしての心得や戦いの手荒い訓練を受けていた。

35歳の誕生日を明日に控えた桜井の最後のミッション。有終の美を飾らせてくれと言う桜井の言葉に従い、鷹野は桜井だけを行かせた。

胸の起爆装置がタイムリミットを迎える桜井を助けるために向かった鷹野の目の前で、桜井は爆死した。鷹野は8年間そう信じてきた。

しかし、桜井は生きていた。35歳になると自由になれるなどということは嘘で死ぬまでAN通信の監視下に置かれる運命にある、だから自ら胸の起爆装置を外して逃げたのだと言った。

AN通信から逃亡した桜井は、消される運命。そんなことをしたくない鷹野は「二度と僕の前に現れないでください」と言って、桜井と別れた。

しかし鷹野の目の前で、桜井修は何者かに再び拉致されてしまった。

第5話(Episode 5)

桜井を拉致したのは、中尊寺議員でもなく中国企業でもなく、アメリカだった。

飼い殺し状態にあった永島は、桐野研次郎と手を組み中尊寺を失脚させるという計画に出た。中尊寺の不正を示すありとあらゆるデータを持ち出し、桐野に手渡した。

アメリカは中尊寺を見限り桐野と手を組むことにしたようだ。横浜にある米軍補給基地を返還し、その場所にカジノを誘致するため、湾岸地区に建設中の都市博会場を爆破するよう桜井に命じた。

一方、中国企業は「フクモト」を抹殺するために最強の殺し屋チーヨウを日本に向かわせた。

永島がデータを持っていなくなったことに気付いた中尊寺は、中尊寺の不正と爆破計画に関わったことを示す証拠は全て抹消するようにAN通信へと依頼した。

そして風間から鷹野へ、すべての証拠は抹消するようにとの命令が下された。

第6話(Final Episode)

アメリカの命令で桜井によって都市博湾岸地区に建てられたメインタワーに爆弾が仕掛けられた。

桜井を追ってメインタワーにやってきた鷹野と田岡。3人の目の前にチーヨウが現れた。前代未聞の強敵に苦戦を強いられたが、死闘を制した鷹野と田岡。

しかし桜井は瀕死の重傷を負ってしまった。

鷹野は再び桜井に「二度と目の前に現れないでください」と言い、田岡とともに爆弾の処理に取り掛かかった。配線を順に切っていき、最後の1本になったとき、基盤の裏と表に同じところから2本の線が出ていた。

どちらか一方が本物で、もう一方はダミー。表には赤い配線、裏には緑の配線がなされていた。鷹野は、桜井との会話からのヒントを頼りに1本を切断し、なんとか爆弾処理は完了した。

けがをした桜井は、あるコインロッカーに前にたどり着いた。そこは、1日1回必ず桜井が訪れていた場所。

生まれて間もない桜井は、コインロッカーの中に捨てられていたところを保護されたのだった。身寄りも故郷もない桜井にとって、その場所は自分の原点のような場所だった。

AN通信から逃亡していた桜井は、このコインロッカーが撤去されるという話を聞いて、再び日本に帰ってきたのだった。

風間によって桐野の手元に渡ったデータは消去され、湾岸地区の爆破計画は暗礁に乗り上げ、中尊寺は政治生命をつなぎ留めた。

そして鷹野と田岡には、ブルガリアで囚われたエージェントの山下を救えという新しいミッションが下された。

ドラマの見どころは?

鷹野と田岡を中心に、登場人物の人間性を存分に描いています。

冷静沈着で死をも恐れていないように見える鷹野ですが、桜井の死は相当ショックな出来事だったことでしょう。仲間の死はもう二度と見たくないはずです。

桜井から手荒いながらも温かい指導を受けた鷹野は、田岡に対してなんだかんだ言いながらも弟のように気にかけているんですよね。

一方田岡は、能力はあるのに繊細過ぎて…一度はどん底まで落ちていきます。このどん底からは自分の力ではい上がって来ない限り、エージェントとしての明日はありません。

映画『太陽は動かない』の冒頭で、田岡が「俺もう新人じゃないんで」と叫ぶシーンがありますが、エージェントとしての覚悟というか、自分と仲間の命を守ることへの執着みたいなものが感じられて、成長した田岡にエールを送りたくなります。

そして風間さんの愛情深さは言うまでもなく!家族のいないAN通信エージェントにとっては”父”のような存在なのかもしれませんね。

風間さんが車いすに乗っている理由も、映画では描かれるのかな。

AN通信が一体どういう組織なのかも含め、映画への伏線がぎっしり詰め込まれたドラマです。映画の鑑賞前には必見ですよ!

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2023年8月6日時点の情報となります。 配信が終了している可能性がございますので、オフィシャルサイトにて必ず最新の情報をご確認ください。

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