映画『恋する寄生虫』不思議な恋の物語を珠玉のキャストで!

自分は誰とも愛し合うことなく死んでいくんじゃないか。自分が死んだとき泣いてくれる人は一人もいないんじゃないか。

強迫性障害という心の病を持つ2人にとって、それは深刻な悩みでした。

そんな2人が【虫】のおかげで、恋に落ちます。

このタイトルの「寄生虫」って、経済的に独立できていないという意味じゃなくて本当の虫の寄生虫のことですよ。

ファンタジックでありながら、人間の弱さを見せつけられる、不思議なラブストーリーです。

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キャスト

高坂賢吾:林遣都

潔癖症のため無職。とにかく他人と接することが苦痛。と言っても対人恐怖症とかではなく、単に汚いから…。他人は細菌のようにしか見えないという、病的な潔癖症。

1日に100回以上は手を洗い、アルコール消毒をくり返すので、手は真っ赤に荒れ果てています。

自分は世の中から拒絶された拒絶されていると思い込み、世界に復讐するために「SilentNight」というマルウェアを開発中。

佐薙ひじり:小松菜奈

賢吾が子守を頼まれる不登校の女子高生。視線恐怖症で、ヘッドフォンを付けていないと外出できない。

原作のひじりは銀髪にタバコというかなり尖ったキャラですが、映画のひじりはめちゃくちゃ可愛いです。

和泉:井浦新

賢吾にひじりの子守を依頼してくる謎の男。

瓜実裕一:石橋凌

ひじりの祖父で、寄生虫について研究しています。娘(ひじりの母)は寄生虫のせいで自殺したと信じており、ひじりの頭から【虫】を追い出すために必死です。

原作とは違う映画のあらすじ

極度の潔癖症のために社会に出ることが出ることができず、引きこもり生活を続ける高坂賢吾。マスクのみならず帽子と手袋がないと外出できません。

自分を拒絶する世界を消滅させるために、クリスマスイブの19時に発動して、感染した全ての端末の通信機能をダウンさせ世界を終わらせるマルウェアを開発中。

不登校の女子高生、佐薙ひじり。他人の目が怖い視線恐怖症で、それを和らげるためにヘッドフォンを着けないと外出することができません。

10才のときに母を亡くしていますが、祖父によるとそれは脳に住む【虫】のせいで、同じ虫がひじりの頭の中にも存在しているということです。

ある日、出かけた賢吾は、バスの中で食事をする男性を見て気持ち悪くなり、バスを降りるなり嘔吐して気を失ってしまいました。

そこにたまたま通りかかったひじりによって祖父の瓜実の診療所に運び込まれ一命をとりとめました。

数日後、賢吾が家に帰ると、見知らぬ男が勝手に賢吾の部屋に入りこんでいて煙草を吸っていました。男はマルウェア開発の秘密をばらさない代わりに「少しの間、ガキの面倒をみてほしい」と言いました。

子守の報酬は50万円。仕事をクビになった賢吾にとっては破格の報酬で、断る理由が見当たりませんでした。

男に言われた場所に行くと、そこにいたのは佐薙ひじりという女子高生。ひじりによると男は和泉という名で、依頼を受けていることはバレバレのようです。

ひじりは友達になってあげる代わりに報酬の半分をもらうと言い、それをもらうまでは何度でも賢吾の部屋を訪ねてくるのでした。

他人に自分の部屋に入られるのが何よりも耐えられない賢吾…。最悪の事態についにはひじりの前で気絶してしまいました。

ある日、1人で歩いていたひじりはひったくりにカバンとヘッドフォンを奪われ、パニックに陥りました。そのときとっさに助けを求めたのは賢吾でした。

放っておくことができず、賢吾は自転車を飛ばしてひじりの元へ飛んでいきました。

ひじりは自分が視線恐怖症でヘッドフォンがないと外出できないことを賢吾に話しました。

社会に適応できない2人は一緒にいると少しずつ恐怖が和らいでいくようで、”リハビリ”と称してデートのようなものを重ねていくようになりました。

そして2人は”リハビリ”の成果を試すために、クリスマスイブに賢吾は手袋なしで、ひじりはヘッドフォンなしで一緒にクリスマスツリーを見に行く約束をするのでした。

”リハビリ”が功を奏したのか、次第にひじりはヘッドフォンなしで、賢吾はマスクなしでも外出できるようになってきました。

遊園地デートの帰りのバスの中で「どうして自分は生まれたんだろう」とつぶやく賢吾に、ひじりは「どうでもいいじゃん」と言って、賢吾にマスクをかけてマスク越しにキスをしました。

しかし、順調に思えた幸せな日々は長くは続きませんでした。

瓜実によると、賢吾がひじりに惹かれたのは2人の脳に同じ【虫】がいて【虫】が引き寄せ合っているだけで、これを「恋」と呼ぶのは誤解だと…。

引き寄せ合ったことで【虫】が大きく成長し、やっと手術で取り除けるようになったのだと言います。

ひじりは手術を目前にして姿をくらましました。

賢吾が探しに行くと、ひじりはかつて自分の母が亡くなった湖にいました。

ひじりは自分の気持ちを大切にしたいと言います。【虫】がいるのは頭の中。ひじりが賢吾を好きな気持ちは心の中にあるのだと…。

そして2人は熱いキスを交わしました。

キスをしたりセックスをしたりすると、お互いの【虫】が結合して卵が生まれてしまうので、賢吾は和泉からは「決して一線を越えないように」と言われていたし、ひじりは決して誰も好きにならないと心に決めていたのに、もう何も2人を止めることはできませんでした。

しかし結局2人は手術を受けました。

賢吾は嘘のように潔癖症がなくなり、優秀なプログラマーとして再就職を果たしました。

これまで怯えて生活していたのに”普通”に生活できることが嬉しくもありましたが、一度「恋」を知ってしまった賢吾にとって「恋」のない生活はやはり味気なく、生きていく意義を見出せないままでした。

賢吾はバグを残したままマルウェアを放つことにしました。

12月24日。賢吾は街へと繰り出していきました。19時ちょうどにクリスマスツリーの前で世界が終わる瞬間を見るために。

19時になっても世界の終わりはやってきませんでした。でもそこにはひじりの姿がありました。

映画の見どころは?

将来に対して悲観的な、強迫性障害(潔癖症と視線恐怖症)を持つ2人が出会い恋に落ちていきます。

でもそれは恋に落ちたのではなく【虫】が2人を引き寄せただけ。本当にそうなのかな。

私には、2人は決して【虫】のせいではなく本当に「恋」をしたのだと思えます。自分の気持ちを大切にし合う、切ないラブストーリーだと。

最初は強迫性障害をもつ2人が、互いに傷をなめ合うように寄り添いながら一緒にいることが居心地がよかっただけなのかもしれません。

それでもその居心地の良さが「恋」に発展していくことは【虫】なんかいなくても自然なことだと思えます。

原作は、悲しいながらも大いに余白を残した感じの結末でしたが、こちらの方はハッピーエンドと言っていいんじゃないかな。

人は誰でも多かれ少なかれコンプレックスや生きにくさを持っているもの。それを誰かと分かち合ったり支え合ったりしながらでも生きていけることは、そんなことができる相手がいることは幸せなんだと思います。

頭でわかっていることと心で感じることは全く別のもの、人を好きになるのは理屈じゃないということを教えてくれる切ないラブストーリーです。

主題歌 Awich『Parasite in Love』

こんな世界消えればいいすぐにでも」と思っていた2人が「この悍ましき虫食いだらけの世界で僕は虫けら扱いで、でも君がいれば薬みたいに全ては和らいで」と心を寄せ合っていく姿を描いた楽曲です。