映画『エゴイスト』の原作、高山真の自伝的小説のあらすじは?

14才のとき癌で母を亡くした浩輔は、辛い青春時代を過ごした故郷を捨て、東京で同性愛者である自分を解放し満ち足りた生活を送っていた。

そんな浩輔の生活は、パーソナルトレーナーの龍太と出会い一変する。龍太の母は癌に冒されていた。

龍太の母に自分の母への想いを重ね合わせる浩輔。龍太と母の生活を支えることが浩輔の生活の全てになっていった。

「愛はエゴなのか、エゴは愛なのか」という解けない問題に真正面から向き合った、高山真さんの自伝とも言える愛の物語です。

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『エゴイスト』のあらすじ

斉藤浩輔(こうすけ)が自分はゲイだと気づいたのは小学校4年生の時だった。それより前から周りと違うことでいじめられ続け、浩輔の学生生活は悲惨だった。

先生やクラスメイトは見て見ぬふり。いっそ死んでしまおうと思っていたが、14才のき母親が長い闘病の末に亡くなると浩輔の中で何かが変わった。

地元の連中を見返すために猛勉強して進学校に入り、東京の大学へ進学した。現在は東京の出版社で働いている。ブランド物という鎧に身を包み、都会で成功を収めている浩輔は今や地元では羨望の目で見られる。

30才を過ぎ、体のたるみが気になった浩輔はトレーナーにトレーニングを付けてもらうことになった。

知人からゲイのトレーナーを紹介してもらい、やってきたのは透明感あふれる爽やか系のイケメン、中村龍太(りゅうた)。浩輔より8才年下の24才。

2回目のトレーニングでキスをし、3回目のトレーニングの後ベッドを共にした。

龍太の母親は癌に冒され闘病生活をしており、龍太は高校を中退して病気の母と家計を支えている。境遇が似ていたのも手伝ってか、浩輔はどんどん龍太に惹かれていった。

トレーニングが終了して「もう会わない」と龍太から告げられた。どうしてもあきらめきれない浩輔は、手を尽くし龍太を見つけ出した。龍太は男に体を売る仕事をしていた。

浩輔は毎月10万円で龍太を買うので、龍太には体を売る仕事を辞めてほしいとお願いした。

浩輔は、龍太の母親に食べてほしくて手土産を持たせたり、体に負担をかけずに病院に通ってほしいと龍太に車を買ってあげたり、誕生日にオーブンレンジをプレゼントしたりした。

龍太の母は恐縮しながらもとても喜んで、浩輔を自宅に招いては手料理を食べさせてくれるようになった。母にできなかったことをしているようで、浩輔はとても満ち足りていた。

そんなある日、突然、龍太が死んだ…。

自分が龍太から体を売る仕事を取り上げて、過酷な労働に気を置くことになったために龍太は命を縮めることになってしまったのではないか…。浩輔は龍太の母を前に「ごめんなさい」という言葉しか言えなかった。

そんな浩輔に龍太の母は「ありがとう」と感謝を伝えた。龍太の母は龍太と浩輔の関係に気付いていて、浩輔と付き合い始めてから龍太が笑えるようになったことを心から喜んでいた。

浩輔はその後も時々龍太の母を訪ねていた。それが正しい方法なのかどうかもわからなかったけれど、経済的な援助もした。

龍太が死んで10か月経ったころ、貯金が底をつきかけて、浩輔は龍太の母に一緒に暮らそうと持ちかけた。龍太の母の答えは、もうお金も受け取らないということだった。

自己嫌悪に陥りしばらく龍太の母にも会えなくなったが、龍太の母は生活保護の申請がやっと通って、医療費もかからなくなり自分で生活できるようになったと話してくれた。

龍太の母が入院した。自分の母親が次第に弱っていく姿を見てきた浩輔は、同じような状態をなぞっていく姿を見て、時間が残されていないことを悟った。

『エゴイスト』の感想は?

死を目の前にした龍太の母と浩輔のやりとりは嗚咽が止まらないくらい泣きました。それでいて、切ないんだけど温かい気持ちに満たされて、とても不思議な読後感。

最近読んだ本の中では断トツに心をえぐられ、響いた物語だったかもしれない…。

浩輔は「愛」ではなく「エゴ」だったと苦しむのですが、間違いなく「愛」だったと感じました。

個人的には「愛」なんて「エゴ」のかたまりだと思っています。相手にこう思われたい、相手にはこうあってほしい…全て自分が気持ちよくなるためであり満足するため以外の何ものでもないんじゃないかな。

だけどそれでよくない?お互いに求め合うのが愛だし、与え合うのが愛だから。

この物語に登場する人はみんな「与える愛」にあふれている人たちです。だから与えられることに慣れていません。

与えられると「ごめんなさい」という言葉になって出てきてしまいます。でも「ごめんなさい」と言われることには辛さを感じてしまう…。そんな優しい人たちです。

「ごめんなさい」じゃなくて「ありがとう」って言えばいいんだ。そんな単純なことが胸の奥底にずっしりと響いてきます。

自分が年老いて誰かのお世話になることばかりになったときに、そんな風に言えるのかな。自信はないけれど、この物語が胸にある限り「ありがとう」をたくさん言えるようになれるかもしれないな。

映画では、鈴木亮平さんが「愛」と「エゴ」の間で苦悩し慟哭する浩輔を演じてくださると聞いて、この物語に魂が宿ってたくさんの人の心に届くことを確信しました。

血がつながってるとかつながってないとか、男とか女とか、そんなものに一切とらわれずただただ愛を注いでいくことに、どうか全ての人が幸せを感じられる世の中になりますように。

ひとりでも多くの方に、ぜひ原作を読んでほしいし、映画も見てほしいです!

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これから先もずっと、心の中で噛みしめて温めておきたい…そんな物語です。
2022年9月12日時点の情報となります。 オフィシャルサイトにて必ず最新の情報をご確認ください。

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