続編『彼女が好きなものはホモであって僕ではない 再会』あらすじ

『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』には続編があります。

大阪に転校することになった安藤純。転校先ではいきなりゲイであることをカミングアウトすることにした。先生やクラスメイト達は受け入れた様子なのに、ただ一人受け入れられない奴が…、その名は五十嵐明良。

明良は純と同じ同性愛者で、同じ学校の九重直哉と付き合っている。もちろん内緒だ。ゲイであることをカミングアウトするなんて信じられないし、するりとクラスに溶け込んでいることも面白くない。でも実は気になって気になって…。

前半は安藤純、三浦紗枝、高岡亮平、小野雄介が気持ちに整理をつける物語。後半はMr.Fahrenheitの切なくて苦しい愛の物語です。

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『彼女が好きなものはホモであって僕ではない-再会-』あらすじ

安藤純

安藤純は大阪に引っ越してきた。転校初日、純は自分は同性愛者なのだとカミングアウトして自己紹介をした。担任の小林先生始め、クラスのみんなは、この衝撃の発言を難なく受け入れたようだ。

五十嵐明良(あきら)はとてもじゃないけど冷静ではいられなかった…。なぜなら明良は純と同じ同性愛者だから…。さらっとカミングアウトするなんて、ありえない…。

明良の同級生であり恋人でもある九重直哉は。明良の愚痴を聞きながら安藤純に興味を持ったようだ。それとは別に体は素直に反応する。いつものように2人は公園の多目的トイレに向かった。

家に帰ると明良の姉はもう安藤純の噂を知っていた。おまけに姉は明良が同性愛者であることも知っている。「何かあったらちゃんと助けてやり」と言われたけど、なんで俺が?内心穏やかではない。

純はあっという間にクラスに溶け込んだ。秀則史人の提案で明良の家でタコパ(たこ焼きパーティー)をすることになり、なぜか直哉も来ると言う。最悪だ。

タコパが終わって解散になったが、直哉だけが戻ってくる。そして明良のベッドで裸で抱き合う。帰る直前に直哉は「明良、純のこと好きやん」と言い放った。

明良が「意味わからん」と否定すると、直哉は「じゃあ、俺が行ってもええ?」と言い、その翌日本当に純に「俺もゲイやねん」とカミングアウトした。

直哉は明良とも体の関係を続けながらも、純とはなかなか友達以上恋人未満のまま進歩がないと不満を漏らしていた。決定打として文化祭の大声大会で純に告るなどと言った。

無性に苛立ちばかりが募る明良。勢いで純のことを「きっしょいホモ野郎」などと言ってしまった。クラスの白い目…もう学校へは行けそうにない。

ずる休みをした明良を純が見舞いに来た。…というのは口実で、純は謝りに来た。ただ自分が同性愛者であることは変えられないので、互いが歩み寄れる方法を探りたいと言った。

行き場のない感情を持て余した明良は、純の上にのしかかった。純から頭突きとパンチを食らった。

直哉から電話がきて、純がゲイであることを明良にばらしたと言う。直哉に促されるがままに純のブログを読んで、明良は大急ぎで学校に向かった。

文化祭の大声大会で直哉と純がステージに上がった。直哉は純に告るのかと思いきや、純に自分よりもっと言いたいことがあるヤツがおると、明良に上がって来いと誘った。

言いたいことはいっぱいあった。でも伝えたい気持ちはひとつ。明良は純に向かって「お前のことが好きや」と叫んだ。

カミングアウトしてしまえば、それはなんてないことだった。周りのみんなの態度も変わらなかった。明良は純と付き合い始めた。

そのころ三浦紗枝は悩みのどん底にいた。明良と別れてから、あんなに大好きだったBLが心底楽しめなくなっていた。

おまけに相原莉緒というBL好きのヤバい後輩に好かれてしまった。莉緒は紗枝を通して純に取材させてほしいとまで言い出した。

純は、取材には応じられないけど「’39」というカフェのケイトを紹介してくれた。

紗枝は莉緒と「’39」を訪れた。そこへ偶然、佐々木誠が現れた。紗枝がキスしているところを目撃してしまった純の恋人だった男。ケイトに頼まれて、紗枝は純が大阪でカミングアウトしていることや新しい彼氏ができたことなどを誠に話した。

莉緒がケイトや誠にもデリカシーのない質問をし続ける様子を見て、紗枝は怒鳴ってしまった。でも莉緒はめげてないみたいだ。相変わらず校内放送でBL談義を炸裂させている。

高岡亮平小野雄介が放送室ジャックを仕掛けた。紗枝は放送室へ飛んでいって、みんな多かれ少なかれ「変」なんだから互いに容認しあって尖った個性を他人にぶつけように生きていこうと放送で訴えた。

紗枝は亮平と付き合うことにした。亮平は紗枝に純に会いに行こうと提案した。

亮平と紗枝と雄介の3人が純のいる大阪に遊びに来ることになった。どこをどう案内していいのかわからないので、純は明良と直哉を誘った。

直哉情報で、純が東京にいたころに付き合っていたヤツが来ると聞き、明良の心は穏やかではない。3人が到着するやいなや、亮平が元彼ではないかと思いこんだ明良は、執拗に亮平に敵意を露わにし空回りしていた。

そしてついに、明良は純にからみつく亮平に決闘を申し込んだ。大阪城公園でマラソン対決をすることになった。

明良と亮平のガチンコ対決が始まった。亮平はめちゃくちゃに足が速かった。明良は絶対に負けられないと死ぬ気で走った。ゴールは同時だと言われ、明良は再試合を申し込んだが、亮平に断られてしまった。

そこで明良は亮平から衝撃の事実を聞いた。純がつき合っていたのは亮平ではなくて紗枝だったのだと。しかも、お門違いの嫉妬にみんな気付いていたのだと。

一方、紗枝は純と話をしながら、純が相変わらず付き合っている相手を試すような態度で愛情表現をしていないことを叱った。

旅の最後に6人は観覧車に乗った。亮平は紗枝と、雄介は直哉と、そして純は明良と。純は明良と仲直りのキスをした。

Mr.Fahrenheit

中学生になったは、一人暮らしを始めた従兄弟の兄ちゃんのアパートへ自転車で足繁く通うようになった。兄ちゃんは自分が好きな「QUEEN」というバンドのことを僕に教えてくれた。

兄ちゃんはゲイで、兄ちゃんの父親からも僕の父親からも毛嫌いされている。だけど僕は兄ちゃんのことが好きだ。なぜなら僕もゲイだから。

中学2年生になると周りの男子たちはAVや女の子の話で盛り上がる。僕はそういう話に一切興味はなかった。

クラスに細川真尋という女の子の転校生がやってきた。三つ編みで分厚いレンズの眼鏡をかけた地味で大人しい子だった。クラスにはなかなか馴染めていないようだったが、たまたま学校の外で出会って話したのがきっかけで、僕は細川さんと親しく話すようになった。

僕は細川さんに夏の花火大会に一緒に行こうと誘われた。花火大会当日、細川さんはめがねを外して髪も下ろして浴衣姿で現れた。そこへクラスの半田伸行と遭遇してしまった。半田はいつもと違う雰囲気の細川さんに早速食いついていた。

帰り道、細川さんは僕に「好き」だと言った。僕は返事を待ってほしいと言った。

僕は意を決して兄ちゃんのところへ行き、「好き」と告白した。兄ちゃんは受け入れる気はなかったが、僕がベランダの手すりに上って「僕を抱いてくれたら死ぬのをやめる」と脅すと、僕を受け入れてくれた。兄ちゃんも僕のことが好きだとわかってた。

細川さんには、好きな人に告白して受け入れられたから付き合えないと正直に話した。

兄ちゃんの車で出かけてデートする日々は楽しかった。ところが兄ちゃんが突然入院することになった。AIDSだった。僕も検査することになり…、結果は陽性だった。

兄ちゃんは僕がいない間に僕の両親のところへ話をしに行った。僕の父親は当然のごとく激怒し、今からでもまっとうに生きろと言った。

僕は兄ちゃんのところへ飛んでいった。兄ちゃんは僕の父親に殴られていた。僕が簡単に訪ねられないように引っ越すことを約束させられていた。それでも兄ちゃんは僕と連絡は絶たないと約束してくれた。

兄ちゃんの勧めで僕はブログを書くことにした。ハンドルネームはMr.Fahrenheit、設定は20歳だ。

兄ちゃんはブログを読むとまめに感想を送ってくれる。LINEはできないのでパソコンのメッセンジャーで連絡を取っている。

ある日、僕のブログを読んだというジュンという高校生からメールが届いた。ジュンも同性愛者で年の離れた男と付き合っていてQUEENが好きらしい。それからジュンともメッセンジャーでやりとりするようになった。

学校では半田の僕に対する嫌がらせが日に日に増していた。どうやら半田は細川さんのことが気になっているようで、僕と細川さんが親しいのが気に入らないらしい。

病気で学校をしばらく休んだ後、登校すると、僕の机の上は罵詈雑言が書き込まれ真っ黒になっていた。半田ともみ合っているうちに、僕は「女に興味はない」とカミングアウトしてしまった。それを知った父親はまた激怒した。

僕のスマホにはGPS監視アプリが入れられ、自由に出歩けなくなっていた。家にスマホを置きっぱなしにしたり、細川さんに協力してもらったりして、僕はなんとか兄ちゃんに会いに行った。兄ちゃんは会うたびにやせ細っていった。

ある日、学校から帰ると、父親が喪服に着替えていた。僕はピンときた。しかし父親は葬式の場所は明かさず、母親に僕を絶対に家から出すなと言いつけて出ていった。

僕は父親の車に盗難防止用のGPSが付いていたことを思い出し、父親の居場所を突き止めた。靴も履かずに2階の窓から下りるとタクシーを拾って会場へと急いだ。

会場に着くと、兄ちゃんの父親に捕まった。兄ちゃんのことを悪く言うのに耐えられず、僕は思わず「お前が兄ちゃんを殺した」と叫んでしまった。

激しい衝撃に体が吹っ飛んだ。僕の父親が現れ僕を殴ったのだ。僕は逃げた。それからは学校を休んで閉じこもった。兄ちゃんのいない世界に僕の居場所はない。

細川さんが心配して訪ねてきてくれた。兄ちゃんのお墓参りに一緒に行こうと言ってくれた。

細川さんと兄ちゃんのお墓参りに行った帰り、公園で座って話していると半田が現れた。悪態をつきまくる半田に、僕はカッターナイフで自分の手首を切って見せ、僕の血液にはHIVウイルスがいることを告げた。

滴り落ちる血を半田に向けると、半田は逃げていった。そして細川さんも帰っていった。これでいい。こんな世界はもういらない。

家に帰った僕は身辺整理をして、ジュンに自動的に遺書が届くように予約投稿した。

僕はいつか兄ちゃんと一緒に行った浜辺が見える崖へと向かった。兄ちゃんと一緒ならどこへでも行ける。僕は勢いよく地面を蹴って崖から飛び出した。

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