
世間を大いに騒がせた『スマホを落としただけなのに』の続編。前作に続いて、今回の映画も充分に恐ろしいです。
囚われの殺人鬼とは浦野のことですが、獄中の彼に一体何ができるというのか?
それにしても、正体が分からない人が多すぎて、難しすぎる…。たぶん、一度見ただけでは全部理解できないですよ…。
原作読むか、解説を見てからもう一度映画を見るか。一発目で「そうかぁ!」って納得できる人いないと思うんだけど。どうかな。
この先、ネタバレを大いに含みます。いくつかはネタバレしないとこの映画は解説できないので、お許しくださいね。
これは続編なので『スマホを落としただけなのに』を見てから鑑賞してね!
前回よりパワーアップしたキャスト
加賀谷学:千葉雄大
原作と違って、『スマホを落としただけなのに』で浦野を追い詰める活躍を見せた加賀谷が、今回の主人公です。
加賀谷も大きな秘密を持っています。それゆえ恋人を大きな事件に巻き込むことになってしまいます。
松田美乃里:白石麻衣
加賀谷の恋人。付き合って5年経っても結婚の話が出ないことにいら立ち、勢いで別れ話を持ち出してしまいます。
謎の人物”M”に命を狙われることになるヒロインをまいやんが体当たりで演じています。
浦野善治:成田凌
PCを触れないストレスから白髪に変わった頭髪と、頬から首元にかけての掻きむしった傷跡が、浦野の見た目の恐ろしく増幅しています。この設定は、見た目で恐怖を駆り立てる映画ならではの演出です。
前作で逮捕されたので、浦野は「囚われの身」であるはずなのに…。なぜまた彼が重要人物として登場するのか?
笹岡一:鈴木拡樹
加賀谷とともに作ったWEBセキュリティ会社の社長。美乃里はこの会社に勤務しています。
神宮寺紗綾子(JK16):高橋ユウ
Mに対抗するホワイトハッカー。
兵頭彰:井浦新
美乃里を付け狙う、顔にやけどの跡がある謎の男。
映画のあらすじは?(少~しネタバレ)
連続殺人事件は浦野の逮捕で一件落着したように思えましたが、同じ現場から新たな遺体が次々に発見されます。相変わらず黙秘を続ける浦野ですが、自分と同じにおいがする加賀谷となら話してもいいと持ち掛けます。
浦野はかつて自分にネット犯罪の全てを教えた謎の人物”M”の存在を明かし、自分ならMに近づくことができると取引を持ちかけます。
そんなとき、「レイラコイン事件」(=仮想通貨580億が盗まれた事件)が起こり、”JK16″と名乗るホワイトハッカーがレイラコインをマーキングし換金を阻止します。しかし、「レイラコイン事件」の犯人こそが”M”であり、”M”に雇われた男・根岸によってJK16は殺害されてしまいます。
世間の非難にさらされる警察は、仕方なく浦野に捜査協力を依頼し、ハイスペックのPCとネット環境を与えてしまいます。特別留置場という監視下で、奇妙なバディを組む加賀谷と浦野は、少しずつ”M”に近づいていきます。
しかし、”M”のターゲットが加賀谷の恋人・美乃里に定められてしまいます。謎の脅迫メールにおびえる美乃里は、加賀谷のために捜査協力を申し出ますが、ついに誘拐されてしまいます。
誘拐されてしまった美乃里のスマホの位置情報を使って後を追う加賀谷。すんでのところで美乃里を助け出しますが、加賀谷は腹を刺され大けがをしてしまいます。そこへ同じく美乃里を追ってきた謎の男が駆け付け、犯人は逮捕されます。
ちょうどそのとき、神奈川県警にはランサムウェアが送りつけられており、県警は大混乱でした。その大混乱に乗じて浦野はまんまと脱獄に成功します。
謎の人物 “M” とは? (本当のネタバレ!)
この謎の人物”M”の存在がストーリーを超複雑にしています。収監中の浦野はもちろんですが怪しい人が複数人いて、誰が何のために次々と凶悪な事件を起こしているのか、その目的が最後までわかりません。一体”M”は誰なのか?
映画の最後で、もちろん犯人は捕まるのですが、え?え?え?どういうこと?としばらく考えても答え合わせをするのが難しいモヤモヤした気持ちが残ります。
映画と原作小説とでは少し設定が違うのですが、映画の答え合わせは↓こちらです。
スマホは落とさない?
今回、事件のきっかけにスマホは落としません。そうです。原作でも落としません。
でも映画では最後につじつまを合わせてくれますよ。前髪を下したさわやかな加賀谷にもご注目!
スマホを落として知り合ったばっかりに、何年も経ってから事件に巻き込まれることになるなんて!といったところでしょうか。
スマホのセキュリティ教室
前作もそうでしたが、この映画は、ある意味スマホのセキュリティ意識に警鐘を鳴らす、啓発映画とも言うことができます。
今回の生徒はずんの飯尾さんです。サイバー犯罪対策室室長という肩書にもかかわらず、ポンコツすぎる…。
原作との違い
今回の映画は『スマホを落としただけなのに』の完全続編として描かれていますが、原作では浦野以外は全く別の新しいストーリーとして始まっており、主人公は加賀谷ではありません。
映画『スマホを落としただけなのに』で、加賀谷が母から虐待を受けていたことになっていたいたのも原作とは違う設定で、加賀谷と浦野をシンクロさせ合わせ鏡のように対峙させることで、加賀谷の苦悩や葛藤をうまく表しています。
映画では怪しい人物もなんらかの形で姿を見せなければならないので、小説と違った演出や設定がなされており、それが映画特有のおもしろさとなっています。さすが、恐怖を駆り立てることに長けている「ホラーの名匠」中田秀夫監督です!
ポンコツ上司のずん・飯尾さん、制服を奪われ裸で転がされている警察官のあきら100%さん、浦野を見張るダメ刑事にアルコ&ピースの平子さん、とお笑い芸人さん達の使い方もおもしろかったですよ!
原作の浦野はもっとやりたい放題で狡猾な奴として描かれています。映画の答え合わせに読んでみるのもおもしろいと思いますよ!
主題歌『どろん』
King Gnu初の書き下ろし主題歌『どろん』です。二転三転する映画のストーリーそのままに、スリリングな曲が焦燥感をかきたてます。
楽曲を作詞・作曲した常田さんによると「愛情への不安や焦燥感」と「ネット社会の脆さ・怖さ」をシンクロさせたとのこと。
加賀谷と浦野の関係性に「キツネとタヌキの化かし合い」的なものを感じ、『どろん』というタイトルに結び付いたのだそうです。
視聴する方法は?
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