映画『六人の嘘つきな大学生』原作小説のあらすじとネタバレ

就職活動をする6人の大学生。彼らが内定を目指しているのは若者に絶大な人気のあるIT企業の「スピラリンクス」。その最終選考で事件が起こる。

内定に相応しい1人を話し合いで決定するという前代未聞の最終選考に臨んだ6人の前に突如現れた封筒。封筒の中にはそれぞれが知られたくない「黒歴史」とも言える過去が封印されていた。

暴かれていく後ろ暗い過去に、互いに誰のことも信じられなくなった6人。犯人は一体だれなのか?

舞台化、コミカライズを経てついに実写映画化される就活ミステリー。見事に張り巡らされた伏線が回収されるとき、犯人の目的に衝撃を受ける最高のミステリー!

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小説『六人の嘘つきな大学生』のあらすじ

就職活動中の波多野翔吾、大学4年生。第一志望の企業「スピラリンクス」の最終選考に残った。残ったのは翔吾を含めて6人だった。

「スピラリンクス」は「スピラ」という若者の間で爆発的に人気のSNSを運営する、今をときめく新興IT企業だ。初任給50万円というのも就活生の心をつかむのに充分だった。

スピラリンクスの人事部長・鴻上達章によると、最終選考はグループディスカッションで、行われるのは1か月後。当日までに6人で最高のチームを作り上げ、グループディスカッションでは与えられた案件について議論し解決策を導いていき、内容によっては6人全員の内定もありうると言った。

6人は早速、親睦を深めるために近くのファミレスで自己紹介をし今後の方針について話し合った。

さりげなくリーダーシップを取れる九賀蒼太はさわやかな好青年で見た目も完璧。体育会系の袴田亮は大柄な男で、うまく空気を和ませてくれる。国際文化を学ぶ矢代つばさはモデルかと思うくらい美しい女性だった。

嶌衣織は清純派の女性という感じ。森久保公彦は口数は少ないが見るからに優秀な感じをかもし出している。

週に2回集まることが決まり、最初のミーティングの日、みんなで持ち寄った資料に一通り目を通し、まずはスピラリンクスが抱える案件を4つに分類することから始めた。

互いの意見がぶつかることもあったが、そこは人間的にも優秀な人の集まりだけあってうまく回っていき、最高のチームが完成する予感があった。

6人で飲み会をした帰り道、翔吾と八代と嶌は同じ電車の中で鴻上からのメールを受け取った。そこには、採用枠が【1人】になったこと、最終選考のディスカッションの内容は「誰が内定にふさわしいか」に変更になったことが書かれていた。

最終選考日、6人が通されたのは小さな会議室で、カメラが4台設置されていた。ディスカッションの様子は録画され、隣室では試験官たちがモニター画面を見ることになっている。制限時間は2時間30分。その時点で選出された一人に内定が出るということだ。

翔吾は2時間30分の間に30分ごとに6回投票するのはどうかと提案した。投票回数を多くして得票合計で決定するのが、万が一感情で流されて投票することがあっても一番フェアな多数決ではないかという意見に、みんなも賛成した。

開始直後の1回目の投票が終わったとき、嶌が扉付近の壁に立てかけてある封筒に気付いた。九賀が中をのぞき込むと中には小さな封筒が入っており、6人それぞれの名前が印字されていた。

みんなが戸惑いの表情で自分の名前が書かれた封筒を見つめる中、九賀は自分の封筒の封を切った。

中から出てきた紙には2枚の写真が印刷されていた。1枚目は高校の野球部の集合写真だ。最前列の袴田と最後列の佐藤という人物に赤丸が付けられていた。そして2枚目の写真は野球部員がいじめが原因で自殺したという新聞記事…。

写真の外側には、袴田が佐藤を自殺に追い込んだという言葉とともに森久保のもつ封筒の中に九賀の写真が入っているというメッセージが書かれていた。

袴田はデマだと言ったが、それを信じられるような空気ではなくなってしまった。これ以上デマに惑わされるのは意に反すると、九賀は残りの封筒を開けずに処分しようと言ったが、袴田は犯人をさがすべきだと納得しなかった。

2回目の投票時間になった。袴田にはぴたりと票が入らなくなり、九賀に票が集まり始めた。

誰が用意したものかもわからないものをディスカッションに活用すべきではないと主張する翔吾に対し、森久保はどうしても自分の封筒を開けると主張した。

森久保が開けた封筒からは、九賀が彼女らしき人物とツーショットで写っている写真、大学の講義中の写真と九賀の名前が書かれた「人工妊娠中絶同意書」の写真が印刷された紙が出てきた。そして嶌の持つ封筒に森久保の写真が入っているというメッセージがあった。

3回目の投票では明らかに九賀への投票が減った。

袴田が突然、自分の封筒を破って開封した。そこには矢代つばさがキャバクラで働いているという写真が入っていた。

そもそも開けられていたドアが閉められたことで封筒が現れたので、犯人は1番にこの部屋に入りドアの陰に封筒を隠したに違いないと矢代が言い、録画用に置かれたカメラの一つを確認することになった。

そこには森久保が封筒をドアの陰に置く姿が録画されていた。森久保は確かに封筒を持ってきたのは自分だが、昨日届いてグループディスカッションの場に持っていって参加者にばれないように設置するように指示されたのだと言った。

4回目、5回目の投票が行われ翔吾が得票数のトップに立った。

九賀がこれまで封筒から出てきた写真を並べてあることに気付いた。それぞれの写真の右上と左下には同じようなノイズが入っていた。写真は全て同じカメラで撮られたということだ。

九賀が講堂で授業を受けている写真から写真を撮られたのが4/20の午後4時頃だということがわかり、その時間には森久保は就活の面接中だったことが明らかになった。森久保は自分の写真が入っている嶌の封筒を開けようと言った。

出てきた写真は、森久保が高齢者をターゲットにした詐欺セミナーに参加している写真だった。その写真にも同じ位置にノイズがあった。

森久保がセミナーに出ていたのは4/20の午後2時頃だということがわかると、全員のアリバイ確認が行われることになった。アリバイがないのは翔吾だけだった。

翔吾の写真が入っている封筒を開けざるを得ない状況になり、矢代が持っている封筒が開けられることになった。出てきた写真は、翔吾がサークルの飲み会でビールを飲んでいる写真だった。未成年の飲酒は違法には違いないが、他のメンバーに比べて軽すぎる罪に周りの翔吾を見る目は変わっていた。

しかし翔吾はわかってしまった。本当の犯人が…。翔吾は嶌の写真の入った封筒を開けることなく、自分が犯人だと認め去っていった。6回目の投票が終わると得票数が一番多いのは嶌だった。

事件の真相と衝撃の結末は?

ここから先は大いにネタバレを含みます。知りたくない方は【+ボタン】を開かないでね。

8年後
6回の投票で一番多い票を獲得した嶌はスピラリンクスに入社した。仕事は想像していたようなキラキラしたものではなかったが、毎日の激務をこなし8年が経った。

ある日、波多野翔吾の妹・波多野芳恵と名乗る女性から電話がかかってきた。翔吾は悪性リンパ腫で2か月前に亡くなり、遺品整理をしていたところ、嶌宛の物が出てきたので来てほしいと言われた。

嶌宛のクリアファイルには「犯人、嶌衣織さんへ」と書いてあり、ファイルの中にはUSBメモリと鍵が入っていた。

USBメモリを読み込むと、8年前の最終選考で起こった事件について翔吾は独自に調べており、その結果をまとめたと書いてあった。まとめと思われるファイルには鍵がかかっており、パスワードを入れないと開かない仕組みになっている。

しかもパスワードは「犯人が愛したもの」で、入力できるのはのは3回までと設定してあった。1回は芳恵が適当に入力して失敗しているので、チャンスはあと2回。

嶌はその日まで翔吾があの事件の犯人だと信じており、自分が犯人だと名指しされる記憶もなかった。一体翔吾は何を知っているというのだろう。

人事にかけあい最終選考の録画を確認させてもらったけれど新しいことは何もわからなかった。諦めかけたそのとき、芳恵から翔吾の生前の動画があれば少しだけでいいので見せてほしいとお願いされた。

嶌は自宅に芳恵を招き、一緒に最終選考の録画データを見た。芳恵は九賀の在籍していた学部のキャンパスは神奈川県なので、4/20に同じ人物が移動して写真を撮ることは不可能だと指摘した。協力者がいるのか?

嶌は独自に調べて分かったことから犯人を推察し、最終選考に残ったメンバーに連絡を取り話を聞くことにした。

嶌の推測とは?
翔吾がビールを持っている暴露写真はピンボケの明らかに失敗写真だった。

嶌が翔吾の大学時代のサークルのHPを確認してみると、翔吾がスミノフを持ったもっと鮮明な写真が見つかった。きっと犯人はスミノフがお酒だということを知らない…アルコールが飲めない人間に違いない。嶌はそう考えた。

真犯人は誰?目的は?
嶌は九賀に会いに行った。九賀は嶌の推測を認めた。

九賀が事件を起こしたのは自分が内定を勝ち取ることが目的ではなかった。大学時代に仲が良かった友人・川島和哉がスピラリンクスの2次選考で落とされたことに納得がいかず、就職活動というものが機能していないと感じたことが発端だった。

九賀が最終選考に残ったメンバーの過去を調べると思った通りとんでもない過去が次々にあらわになった。会社側も学生側も嘘で塗り固めた就職活動に何の意味があるのか。その憤りが九賀を動かしたのだった。

嶌の封筒の中見は?
嶌はPWに「Jasmine tea」と入力してみたがファイルの鍵を開くことはできなかった。

もしかしたら翔吾は犯人が九賀だということを見破っていたのではないか。「犯人、嶌衣織さんへ」は「犯人と嶌衣織さんへ」という意味ではないかと思い、嶌は九賀がよく口にしていた「fair」という言葉を入力した。鍵が開いた。

翔吾は嶌と同じ推察で真犯人に気付いており、嶌の秘密が入れられた封筒は開封しないままレンタル倉庫に保管してあると書いてあった。

嶌が秘密の封筒を開封すると、そこには嶌の兄は薬物使用で逮捕された相楽ハルキであると書かれていた。

それぞれの真実
翔吾は袴田や森久保、矢代、九賀の周りの人物にも話を聞きに行っていた。その姿は封筒の中から出てきたものとは大いに違っていた。

袴田は1年生をいじめていた2年生を懲らしめていたこと、森久保は友達が持ってきた割のいいバイトが詐欺に加担していると見破ったこと、矢代は海外でのボランティア活動に熱心だったこと、九賀の彼女は九賀のことを全く恨んでいないこと…。

そして、嶌は知っていた。交通事故により足に障害を持つ嶌にみんなさりげなく足に負担がかからないように気を配っていたことや、お酒が飲めない嶌に無理強いすることなど1度もなかったのだということを。

映画の見どころと感想

一見して優秀で人間的にも申し分ないと思われる6人の大学生。きっと映画でも爽やかを絵に描いたようなキャスティングがなされて爽やかに始まっていくことでしょう。

そこに放りこまれるたった1つの封筒が、こんなにも人間を壊していくものなのかと間違いなく戦慄していくことになります。

物語は「就活」を舞台に描かれていますが、この封筒のようなことは世の中にたくさんはびこっているのだと思います。事実を捻じ曲げられたり、ほんの一部だけが切り取られ悪意ある伝え方をされる危険は今やどこにでも潜んでいます。

物語の途中で少し嫌いになりかけた人物にはそれぞれ事情があることがわかり、最後には温かさまで感じてしまう展開なのですが、九賀の怒りに込められた思いを受け止めてほしいです。

隅々にまで張り巡らされた伏線が回収されていく展開は実に見事で、ミステリーとしては最高におもしろい物語です!

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2024年2月14日時点の情報となります。 オフィシャルサイトにて必ず最新の情報をご確認ください。

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