
「サンカヨウ」というのは花の名前です。雨に濡れると透明になる神秘的な花。
幼い頃に別れた母とのたった一つの思い出は「サンカヨウ」の花。陽(よう)はその思い出を大切にしていました。
お父さんの再婚で、高校生の陽にある日新しい家族ができます。新しいお母さんの美子さんと4才の娘のひなたちゃん。
なんだかちょっと居心地の悪さ感じている陽は、自分を産んだ母親の個展を見に行く決意を固めます。
『かそけきサンカヨウ』ってどういう意味?
”かそけき”は”幽けき”と書きます。”幽けし”という古語が活用した形で、読んで字のごとく「消えてしまいそうなくらい淡い、ほのかな様子」を表す言葉です。
「遥かな」という意味の「はるけき」と同じ使い方ですね。
”サンカヨウ”は”山荷葉”と書き、植物の名前です。
限られた地域の冷涼な高地に生息する植物で、5~7月に1週間ほどしか花を付けないので、花が咲いているところを見るのは難しいのだそうです。
サンカヨウの花は、直径2センチくらいの白い花。それが雨に濡れると透明になるという、とても神秘的な様相をを見せるのです。
「かそけきサンカヨウ」って雨に濡れてうすく透明になっている花のことを差しているのでしょうね。
日本には雨に濡れると透明になる花がある。 pic.twitter.com/1JFMHAhrwh
— 進士 素丸 (@shinjisumaru) January 15, 2021
気になるキャストは?
国木田陽:志田彩良
父子家庭に育ち「早く大人にならざるを得なかった」と謳われるとおり、物分かりがよく真面目で利口な女の子です。
話題の「ドラゴン桜」で秀才の麻里ちゃん役を演じている彩良ちゃんが、またまた優等生の女子高生役です。
清原陸:鈴鹿央士
陽とは中学生のときからの友達で、高校では同じ美術部に所属しています。お父さんは世界中を仕事で転々としていて、今はお母さんとおばあちゃんとの3人暮らし。
こちらも「ドラゴン桜」で憎たらしい藤井くん役で出演。ドラゴン桜コンビ最強だわ!
広瀬すずちゃんの推薦でエキストラから俳優に抜擢された実力は『蜂蜜と遠雷』で証明済ですね。
国木田直:井浦新
陽のお父さん。陽が幼い頃にお母さんと離婚して、陽を育ててきました。
国木田美子:菊池亜希子
夫を病気で亡くしてから一人娘のひなたちゃんを一人で育てていましたが、仕事を通じて知り合った陽のお父さんと再婚することになりました。
三輪佐千代:石田ひかり
陽を産んだ実のお母さん。
お母さんは絵を生業としています。陽もお母さんに憧れて、ぼんやりではありますが絵を描く仕事をしたいと思っています。
映画のあらすじは?
幼い頃に母親が出ていってから、陽(よう)は小学生になるころには一通りの家事もできるしっかり者で聞きわけのいい女の子に育ちました。
父・直から突然恋人がいることと再婚したいことを告げられ、陽が高校生になるタイミングで美子さんという新しいお母さんとその娘のひなたちゃんという4才の妹が家族として仲間入りすることになりました。
美子さんはいい人だし、ひなたちゃんはかいじゅうみたいで可愛いんだけど…、なんだかモヤモヤして落ち着かない日々…。
中学時代バスケットボール部で活躍していた同級生の陸は高校に入ってから陽と同じ美術部に入りました。検査で心臓に欠陥が見つかったので夏休みに手術を受けることになったということでした。
陸が「手術の前に2人で出かけよう」と陽に提案し、向かったのは三輪佐千代の水彩画の個展でした。
”サンカヨウ”の絵の前で外出先からもどった三輪佐千代に「ゆっくりしていってね」と話しかけられた陽と陸。
急に黙り込んでしまった陽は、そのまま家に帰ってしまいました。
家に帰ると陽の大事にしていた画集をひなたが破っているのを見つけて、陽は怒ってひなたを押し倒しました。
「陽を早く大人にならないといけなくしてしまった」と言ってお父さんは、陽を産んだ母親・佐千代のことを話し始めました。
絵を描き続けたい佐千代と直は喧嘩が絶えず、陽が3歳のときに離婚しました。
お父さんは「いつだって好きな時にお母さんに会うことができる」と言いましたが、お母さんとの記憶がほとんどない陽は、お母さんに会いたいのか会いたくないのかよくわかりませんでした。
陽はお母さんに会うことを決心しました。そして、美子さんのことを「お母さん」と呼んで、4人で家族として楽しく過ごしていくことを決心しました。
陽は陸に好きだと気持ちを伝えました。だけど陸は陽の気持ちに応えられる自信がありませんでした。
映画の見どころと感想は?
原作は短編小説なので、映画の後半はオリジナルのストーリーとなっています。
陽だけではなく、陸も、そして沙樹ちゃんもそれぞれの家族の形を持っていて、どこかしっくりこないモヤモヤした気持ちを抱えています。
陸くんは、お父さんが仕事一筋で一緒に暮らしているお母さんとおばあちゃんがうまくいっていないことを気に病んでいるし、沙樹ちゃんは母子家庭でいろんなことを我慢しなければならなくて。
でも実際にはそんな単純なことではなくて、当人同士にしかわからない関係や気持ちがあるんですよね。
劇中で沙樹ちゃんが「大切だから言えない」と言っていましたが、そのことがずっとストーリーの根底に流れている気がします。
一番大切な人には一番ひっかかっていることはなかなか言えない。
でも勇気を出して言ってみると、な~んだこんなことだったのかって簡単に解決することもあるし、新しい側面が見えることもあるし、自分が何かに気付くこともある。
そんな風にして人と人は関係を育てていくですよね。
陽と陸の恋も、今はまだ手探り状態で相手の気持ちも自分の気持ちもわからないことだらけだと思うけど、たくさん話してたくさんいろんな感動を共有して、大切な気持ちを育てていけばいいなぁと思います。
家族の形もいろんな形があっていい。互いに思いやる心があれば、血がつながっていなくても、離れていてもきっと家族なんです。
そんな風に思わせてくれる、温かい物語でした。
主題歌 崎山蒼志『幽けし』
崎山蒼志さんが映画のために書き下ろした楽曲。さりげない日常を切り取ったような、そんな素敵な曲です。
映画『かそけきサンカヨウ』視聴方法は?
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