映画『ムーンライト・シャドウ』優しさに包まれた物語、あらすじは?

4年間付き合った最愛の恋人がある日突然帰らぬ人になってしまったら…。

大切な人が死んでしまうという悲しみのど真ん中を描いた作品ですが、ただ悲しいだけではなく、温かさや優しさをふんわりとまとった物語です。

原作は吉本ばななさんの初期の名作『ムーンライト・シャドウ』。

現実なのか夢なのかよくわからないようなふわふわした感じと、悲しみを秘めた影をもつヒロイン・さつきを演じるのは小松菜奈さん。

吉本ばななさんの優しい世界にぴったりですね。

2人の幸せそうな笑顔と、チリチリっていう鈴の音が切ないです。さつきがなくした鈴を等が見つけたのがきっかけで2人はつき合い始めました。

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珠玉のキャスト

さつき:小松菜奈

強く美しく、そして悲しみの中に生きる女性…さつきを演じられるのは小松菜奈さんしかいないとエドモンド・ヨウ監督が大絶賛です。

意外なことに長編映画単独初主演なんですね。

等:宮沢氷魚

さつきの恋人。儚さと優しさを併せ持つ透明感のある人物です。

さつきとの穏やかで幸せな日々で見せる笑顔が見られなくなるなんて、切なすぎます。

 

映画のあらすじは?

大学生のさつきはネコのクウと2人暮らし。そのクウが首輪の鈴を残していなくなりました。

そのうち帰ってくるだろうと呑気に構えたさつきは、クウの鈴をピアスに細工して身に付けていました。

ところが、クウを探しに行った河川敷で耳のピアスの鈴がなくなっていることに気付きます。

対岸の河川敷で焚火をしている大学生サークルの中から抜けて、等は河川敷を散策し始めました。そこで見つけた小さな鈴、そして川べりにたたずむさつきの姿。

等はさつきと同じ大学に通う同じ学年の学生でした。鈴がきっかけで付き合い始めた2人。さつきは鈴をあしらったブレスレットを作って等にプレゼントしました。

等の弟・柊がさつきにご馳走したいと言い、柊の彼女・ゆみこも一緒に食事をすることになりました。

ゆみこは『月影現象』という”満月の夜の終わりに死んだ人と会うことができる”不思議な現象について語り始めました。

柊やゆみことも意気投合し、4人で過ごすのが当たり前のようになっていった日々。そしてその年月はこれからも続いていくものだと思っていました。

それなのに…。等はある日、弟の柊の彼女・ゆみこを送って行く途中で事故に遭い、ゆみこと共にさつきの元からいなくなってしまいました…。

それからの日々はさつきにとって、自分の心がどこか遠いところへ行ってしまったかのように…息の根が止まるくらいに苦しいものでした。

突然愛する人を失った現実を受け入れられないさつきは、食べることも忘れひたすら走り続けました。

柊はゆみこの制服を着て、必死で何かを感じ取ろうとしていました。

悲しみと向き合う方法を模索する2人…。

柊がさつきを充叔父さんのところへ行こうと誘います。充おじさんは元井戸掘りで地下水や川の話に詳しいのでした。

充おじさんに会いに行くと、おじさんの友人だという麗(うらら)という女性がいました。さつきは早朝に走っている時に麗に会ったことがありました。

麗は出会った人の声を聞いて回っていると言いました。さつきにも「なにを話してもいいし、なにも話さなくてもいい。自分の声に従って」と言いました。

さつきは「鈴の音が耳を離れなくて…。もうその音は私の頭の中にしかなくて…」と言葉に出すと、急にお腹がすいてきました。

「月影現象」のことを聞くと、麗は「明後日の朝、日が昇る前にあの橋まで来て」と言いました。

夜明けの青い光に包まれるさつき。そこに鈴の音が…。

映画の見どころは?

原作ではさつきの思い出として回想されるだけの日々が、色を持って熱を帯びて繰り広げられる映像はただただ美しくて。

確かにそこにいたと思えるだけに、深い悲しみと喪失感が胸に迫ってきます。

最愛の恋人が、ある日突然交通事故で亡くなってしまったら…。

この世の終わりに匹敵するくらい辛くて、これから先どうやって生きていけばいいのか、今自分が生きているのかどうかわからないような毎日を過ごしています。

それだけだとただの暗く悲しい物語なのですが、この物語は時間をかけて心を温めながら再び顔をあげて歩き始める女性を描いた物語なのです。

そして「食べる」ということが「生きる」ということとつながってる、すごく当たり前なことが現実の世界のこととして描かれていることが印象的です。

残された者は辛くても悲しくても生きていかなくちゃいけない。辛い気持ちも悲しい気持ちも決して忘れることはないけど、いつかは和らいでいくものだということを教えてくれます。

見終わった後も、現実なのか幻なのかわからないようななんだかふわふわしたものに包まれているような、温かい温かい物語です。

 

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