
「好き」をあきらめない。とても簡単なことのようでいて、実は一番難しいことなのかもしれません。
「趣味」の域を出ていないうちは「好き」だけで続けられることが、人に認められたい、受け入れられたいと思ったとたんに、たちまち苦しいものへと変わっていきます。
何かを作り出すことの苦悩を味わったことのある人には、ぜひ読んでいただきたい物語です。
原作小説のあらすじ (含ネタバレ)
千谷一也(ちたにいちや)は中学2年生で華々しい作家デビューを果たしたのに、今ではSNSでの酷評に再起不能となってしまっている売れない高校生小説家。
そんな一也のクラスにある日、美少女が転校してきます。その美少女に一也が思わずかけた言葉は…
「小説は、好き、ですか」
ある日担当者の河埜さんから「不動詩凪(ふどうしいな)と小説を書かないか」と思いがけない提案があり、そこに現れた不動詩凪は、なんと美人転校生の小余綾詩凪(こゆるぎしいな)でした。
詩凪がプロットを考え、一也が文章を書くというスタイルで2人は物語を紡ぎ始めますが、後ろ向き発言しかしない一也に、ドS詩凪の鉄拳が容赦なく振り下ろされます。時には主人公の造形をかけてバトミントン対決をしたり(映画ではテニス対決みたいですね)、「いいプロットが思い浮かんだ」と詩凪が急に訪ねてきたり、もめたり歩み寄ったりを繰り返してようやく進み始めたと思ったのに……
文庫化された千谷一夜のデビュー作が5000部しか売れず、続編の話が打ち切りになったと告げられます。一也は何も手につかなくなり学校へも行かなくなります。
詩凪は一緒に物語を綴ってほしいと一也を説得しますが、一也は「どうせ美少女作家様は、なにを書いたって売れるんだから」と禁断の言葉を言い放って、コンビは解散することになります。
しかし、詩凪には誰にも言えない秘密がありました。
強いとばかり思っていた詩凪も、心に大きな傷を負っていることを知った一也。2人の物語は紡ぐことができるのでしょうか。
この物語の魅力は?
若くして才能を認められ世間に注目された、全く性格の違う2人が二人三脚する姿…。見事に全く足並みがそろいません。
ただ好きでいたころには、楽しくて仕方がなかったことが、人からの評価を意識し始めたとたんに、息苦しくて一歩も前に進めなくなってしまう…。
そして、続けるということは、新しいものを生み出していかなくてはいけないということ…。
ましてや、一也と詩凪はプロの作家。そのハードルは凡人のそれとは比べ物にならないくらい高くて、常に世間の目にさらされ評価され続けることから逃げられません。
自分の才能を信じる一方で、叩きのめされ立ち上がれないほど心が折れてしまう経験を繰り返し、共にぶつかり支え合いながら進んでいく姿に、励まされ勇気をもらうこと、間違いないでしょう。
人は誰かに支えられ、支えながら生きていくものだと。
それは必ずしも居心地のいいことばかりではないけれど、寄り添うことの強さを気づかせてくれるはずです。
凸凹の2人を佐藤大樹さんと橋本環奈さんが演じる映画が楽しみですね!
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『小説の神様 あなたを読む物語(上・下)』
『小説の神様』の続編。一也と詩凪の後輩・成瀬秋乃にも小説の神様は存在しています。
『小説の神様 わたしたちの物語』小説の神様アンソロジー
「アンソロジー」とは、あるテーマについてまとめられた作品集…みたいな意味です。
『小説の神様』『小説の神様 あなたを読む物語』のスピンオフ的な物語です。