『小説の神様』続編『あなたを読む物語』『アンソロジー』どんな話?

相沢沙呼『小説の神様』には『小説の神様 あなたを読む物語(上・下)』『小説の神様アンソロジー わたしたちの物語』という2つのシリーズ本が出ています。

若者の活字離れ、小説離れが言われて久しいですが、小説を好きな人が多いということなのでしょうか、嬉しくなりますね♪

『小説の神様』を読んで、一也と詩凪のその後が気になったあなた!迷わずこのシリーズ本も読みましょう!

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どういう順で読む?アンソロジーって何?

読む順番は『小説の神様』⇒『小説の神様 あなたを読む物語(上・下)』⇒『小説の神様アンソロジー わたしたちの物語』です。

まずは『小説の神様』を読みましょう。これあっての続編とアンソロジーです。

小説の神様
小説の神様 あなたを読む物語(上下)』
の3冊合本版もありますよ!

小説の神様 あなたを読む物語(上・下)

早い話が『小説の神様』の続編です。

主人公は一也と詩凪、そして成瀬秋乃です。秋乃にも物語を紡ぐ理由がありました。

『小説の神様』で散々ぶつかり合った一也と詩凪。お互いの傷を埋め合うように、小説の神様を見つけるために、一つの物語を紡ぎ始めた2人は、その後無事に物語を出版することができたのでしょうか。

自分にとっての小説とは何なのか」を考えすぎて迷路に迷い込む3人を描いています。

小説の神様アンソロジー わたしたちの物語

アンソロジーとは、この場合「複数の作家による短編集」といったものです。

『小説の神様』をテーマに、8人の作者がそれぞれの物語を紡いでいます。『小説の神様』『小説の神様 あなたを読む物語』の中に出てくるエピソードのサイドストーリーのようなものもあるので、先にこの二つを読んでからの方がより楽しめると思いますよ!

『小説の神様 あなたを読む物語』のあらすじは?

本屋の娘として生まれ育ち、本を読むことが大好きな秋乃。

秋乃が大好きな本は通称「ラノベ」と呼ばれる「ライトノベル」です。自分の好きなものをみんなの前で「好き」と言えない秋乃に、真中さんという本が好きな友達ができますが、その大切な友達とも「物語」が原因で離れてしまします。

クラスのリーダー的な存在のリカともうまくやっていけず、自分のことが嫌いと言い続ける秋乃は、それでも「物語」の力で強くなり、自分の言葉を持ち始めるのでした。

一方、「帆舞こまに」というペンネームで合作の小説を出した一也と詩凪は、続編をどうするかでまたまたもめていました。

続編を出す意義を見出せずにいる詩凪と、熱が冷めないうちに売れる小説が書きたい一也。2人の温度差は広まっていくばかり。

個人的に「千谷一夜」として依頼があった仕事を断ったことでで、ついに大ゲンカに発展。実は、一也は詩凪に恋をしてしまっていたのです…。

自分が「千谷一夜」としての活動時間を奪ってしまっているのではないかと悩む詩凪と、どうしても詩凪の物語を紡ぎたい一也。互いを思いやる気持ちがうまくかみ合わず、空回りする2人。

「物語を書く理由」そして「物語を読む理由」それは人それぞれだけど、もっと自由でいいんだと自分に優しくなれるまでの物語です。

『小説の神様アンソロジー わたしたちの物語』はどんな話?

降田天「イカロス」

高校生で小説家デビューを果たしたしほりは、思ったように小説が書けなくなって、自分の物語が大好きだと言ってくれる花実(かさね)さんに当たりちらして傷つけてしまいます。

それから1年。花実さんから結婚式の招待状が届きます。しほりは再び小説を紡ぐことができるようになるのでしょうか。

櫻いいよ「掌のいとしい他人たち」

本屋でバイトをする貴教(たかのり)は本が大きらい。

でもそれは本当の姿ではありませんでした。本当は小説が好きすぎて、他人の作品を批評するようになってしまい、ネットの世界から干されていったのです。小説と仲直りできるかな。

芹沢政信「モモちゃん」

小説を書こうと旧校舎の図書館に行ったら、そこでモモちゃんと名乗る幽霊(?)に絡まれます。モモちゃんの正体は一体?

手名町紗帆「神様への扉」

「ラノベ」が好きだと素直に言えない成瀬秋乃。秋乃が文芸部に入るに至った、九ノ里先輩との出会いの物語。

野村美月「僕と”文学少女”な訪問者と三つの伏線」

”文学少女”な訪問者は、きっと文学を食べて味わう遠子先輩。野村美月さんの人気シリーズ”文学少女”と『小説の神様』が奇跡のコラボしてます!

斜線堂有紀「神の両目は地べたで溶けてる」

水浦しずが好きで好きでたまらない女子高生が、1人でも多くの人に水浦しず作品を読んでもらいたくて、奮闘し空回りし、最後は撃沈してしまう…。

彼女の思いが水浦しずに届いていればいいのに…と思わずにはいられない物語。

相沢沙呼「神様の探索」

編集者・河埜絢子の物語。小説家の力だけでは物語はきっと生まれない。物語を紡ぐ小説家だけでなく、編集者の中にも「小説の神様」がいる…そう思わせてくれる物語です。

紅玉いつき「『小説の神様』の作り方-あるいは、小説家Aと小説家Bについて」

小説家Aと小説家Bの物語。きっと小説家Aはあの人です。うんうん。そうに違いない。

紅玉いつきさんは、実は小余綾詩凪のモデルになった方です。ってことは一也は相沢沙呼さん本人なのか?笑

読んだ感想

この物語は、一也の後輩・成瀬秋乃と、前作『小説の神様』から引き続き千谷一也の2人の視点で描かれる物語です。言ってみれば、「読む側」と「書く側」の物語です。

まずは秋乃のお話。自分に自信のない秋乃が、「ラノベ」のせいで笑いものにされ、「小説」のせいで友達を失い、ズタボロになっていくのは読んでいて酷でした。「小説の神様」おらんやん…って思ったほど。

でも、少しずつ勇気をもらって、強くなって、自分らしくいられるようになってきたのも「本」の力だったことが、救いでした。リカ達とも分かり合えてよかった。やっぱり「小説の神様」いらっしゃいましたか…ごめんなさい。

そして、一也と詩凪のその後のお話。

相変わらず一也は迷路に迷い込んだら出られなくなってしまうんですね。それに対して、前作『小説の神様』でもそうでしたが、詩凪の物語に対する思いはぶれないですね。

誰かの心の中にぴったりと嵌まる歯車になるような…。読んでくれた人が、これは私のために書かれたのだ思えるような、誰かにそっと寄り添えるような話を…。

きっと一也のわかっているんです。詩凪の言うことを。だって、一也のお父さんも「読んだ人にお土産を持ち帰ってほしい」と語っていたことを、一也はちゃんと覚えているのだから。

ただ、一也自身、文庫化されたデビュー作がほとんど売れなくて…続編の話も打ち切りになってしまった経験があり、お父さんも売れない作家だったから家族が生活に窮していた経験があり、そんなに簡単に割り切れないのかな。

それで、売れっ子作家・天月彼方の「自分が書きたいことじゃなくても読者が望んでいるものだけ書けばいい。」という言葉に大いに揺さぶられてしまうのかな。

小説の中のことでありながら、実は出版業界の…作家の世界の現実を表しているんじゃないかと。相沢沙呼さんはこの現実を声を大にして伝えたいんじゃないかと思ってしまいました。

「買う」という行為は、直接作家さんに「応援してます!」というメッセージが届く行為なのだということを肝に銘じて、これからも本と向き合っていきたいと思いました。

結局、一番大人で何もかも客観的に見ていたのは、一也の妹の雛子でしたね。「人の数だけ読み方がある。」

一也でも冷静になって考えればわかりそうなことですが、自分のことになるとそうはいかなくなるのが人間ってものなんでしょうね。

個人的にはさらに続きが読みたい!グダグダの一也は少しは強い男になれるのでしょうか?

そして何より、一也が詩凪に恋心のゆくえを見届けてみたいな。

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