原作小説『月の満ち欠け』生死を越えた愛の物語のあらすじは?

小山内堅は妻と娘と幸せに暮らしていました。ところが高校を卒業した娘が、母と一緒に東京に向かっている途中で事故に遭って亡くなってしまいました。

時を経て目の前に現れた少女は堅に、自分は亡き娘の生まれ変わりだと告げます。

にわかには信じられない堅でしたが、三角哲彦というたった一人の男の存在によって奇跡はつながっていくのでした。

ただ、あなたに会いたい。

たった一つの願いを叶えるために、満ちたり欠けたりを繰り返す月のように、何度でも人生を生き直す…壮大な愛の物語。

スポンサーリンク

小説のあらすじは?

青森県八戸市に生まれ育った小山内堅(おさないつよし)は東京の私大に進学し、そのまま東京で就職、同郷の後輩の女の子・と結婚して娘もでき幸せに暮らしていた。

娘の瑠璃(るり)が高熱を出したのは小学校2年生、7歳のときだった。

原因不明の高熱が続き、悪夢にうなされたり夜中に叫んだりと、風邪などのせいでもたらされたとは思えないような症状が続いたけれど、1週間経つとぴたりと治まって元の元気な瑠璃に戻った。

しかし梢には瑠璃の様子が病気前とは違って見えた。うまく説明できないけれど、妙に大人びたような言動があったり、子どもとは思えない目つきをしたりすることがあるという。

瑠璃が昔の歌を歌ったり、ノートに短歌を書いていたり、友達の家でブランド物のライターの名前を言い当てたりと不可解な出来事が続くことを梢は堅に訴えた。

堅は「気のせいだ」で片付けてしまって現実に目を向けようとはしなかった。梢が精神を病んでいるとさえ思っていた。

瑠璃がいなくなったときには、梢の方が冷静だった。高田馬場駅で保護された瑠璃は「レンタルビデオ屋」を探していたと言った。

高校を卒業するまでは一人旅はしないと瑠璃に約束させてからは問題行動はないように思えた。それは堅が単に見ようとしていなかっただけなのか、梢が堅に理解してもらおうとするのを諦めたためなのか…。

そして瑠璃が高校を卒業した春休み。梢と瑠璃は交通事故であっけなく堅の前からいなくなってしまった。

15年後。三角哲彦(みすみあきひこ)という人物が堅を訪ねてきて、梢と瑠璃は三角に会うために東京に向かっていて交通事故に遭ったのだと告げた。

三角も青森県八戸市出身で、大学進学を機に上京していた。大学2年の時、高田馬場にあるレンタルビデオ屋でバイトをしていた。

三角が開店準備をしている時、美しい女性が店先に雨宿りしているのに気づいた。タオルがなかったので鞄の中にあったTシャツを渡して、少しおしゃべりをした。彼女も青森出身らしい。

年上の人妻と思われる女性に一目ぼれしてしまった三角は、彼女に会いたくていくつかの映画館に通うようになった。そして初めての出会いから一月ほどたって三角は彼女に再会した。彼女は名前を瑠璃(るり)といった。

2人で映画を見た日、瑠璃は三角の部屋に泊まっていった。

ふたたび三角が瑠璃に偶然出会ったのは神田川沿いの公園だった。三角は我慢できずに「会いたい」と正直に伝えた。それ以来、瑠璃は定期的に三角の部屋を訪ねてくるようになった。

最後に2人で過ごした夜から1週間後、正木瑠璃が駅のホームで小競り合いに巻き込まれ突き飛ばされた結果、入ってきた電車にひかれて死んだというニュースが流れた。添えられた写真はまぎれもなく瑠璃だった。

瑠璃の夫・正木竜之介は先輩に連れて行かれた喫煙具専門店で瑠璃を見初め、猛アプローチの末に結婚にこぎつけた。順風満帆だった正木の人生に、唯一予定通りいかなかったこと、それはなかなか子どもができないことだった。

正木は瑠璃を子どもを産む道具としか考えていないような態度を取るようになり、浮気もしているようだった。

「今夜は戻りません」と置手紙して瑠璃はいなくなり、そのまま電車の事故で帰らぬ人となった。

ギャンブルと女に狂い落ちるところまで落ちた正木を救ったのは「小沼工務店」の社長だった。小沼社長の右腕と言われるまでに信用を取り戻し、正木は社長家族とも親しく付き合っていた。

社長の娘・小沼希美(のぞみ)は正木にとても懐いていた。ところが、小学校1年生になったある日、原因不明の高熱に侵され回復してからというもの、希美は正木を避けるようになった。

その希美が正木を訪ねてきた。大手建設会社に勤務しているはずの「ミスミアキヒコ」という人物を探してほしいと言う。

希美が瑠璃の生まれ変わりではないかと感じていた正木は、瑠璃が自分と結婚している間に知り合った男に違いないと思い逆上し、希美を連れてその男に会おうと決めた。

正木が希美を連れて名古屋の三角に会いに行く途中で、希美は交通事故で亡くなり正木は警察に逮捕された。

三角が堅を訪ねて1か月後、堅の娘・瑠璃の親友だった緑坂ゆいという女性が訪ねてきた。娘の緑坂るり小山内瑠璃の生まれ変わりだと言う。

緑坂ゆいは、小山内瑠璃が高校時代に描いた「前世の恋人」の肖像画を探してほしいと堅に頼んだ。

堅はたまたま家の片付けをして見つけた肖像画を見て受け入れがたい全てを悟った。その肖像画に描かれていたのは「ミスミアキヒコ」だった。

肖像画を渡すと緑坂るりは「生まれ変わりはあたしだけとは限らないよ。小山内さんの奥さんだって有資格者のひとりだよ」と言った。

そして緑坂るりはついに三角哲彦にたどり着いたのだった。

小説を読んだ感想

人が輪廻転生することを、新月になってまた新しく生き直す「月の満ち欠け」に例えた壮大な愛の物語。

あるひとつの魂が「正木瑠璃」⇒「小山内瑠璃」⇒「小沼希美」⇒「緑坂るり」と生まれ変わっていきます。

正木瑠璃にはどうしてももう一度会いたい「ミスミアキヒコ」という男性がいました。ただ会いたくて会いたくて、瑠璃は何度でも生まれ変わって会いにいこうとするのです。

愛する者たちの間には2人にしかわらない思い出だったりサインだったりというものが必ず存在します。

三角と瑠璃はいわゆる不倫の関係で、2人で過ごした時間は決して長くはありませんでした。

それでも2人にしかわからない大切な思い出があり、一緒に過ごした時間は人生で一番幸せで愛おしい時間だったのでしょう。

瑠璃にとっては「愛される」のではなく、初めて「愛した」のが三角だったのかもしれませんね。

瑠璃の場合は、三角に会いたいと願うことは、元夫に気付かれてしまうかもしれないという危険と隣り合わせだったわけです。それでも彼女は諦めません。

何十年もかかって、やっとたどり着いたるりに三角がかける言葉は、愛に満ちていました。瑠璃はやっと心穏やかにその人生を全うすることができるのかな。

生まれ変わりなんかを全く信じていなかった堅のそばにも、もしかしたら梢が生まれ変わって寄り添っているかもしれないという、もう一つのエンディングも素敵でした。

前世はあるんだろうなぁと思いながらも、それを覚えてるなんてこと積極的には信じられないけど、こんな風に誰かを深く深く愛することができるのはうらやましいと思いました。

『月の満ち欠け』を電子書籍で!

【電子書籍/コミックの品揃え世界最大級】ebookjapan(イーブックジャパン)生まれ変わっても、何度でもあなたに会いに行く。そんな奇跡を信じたくなります。
2022年4月12日時点の情報となります。 オフィシャルサイトにて必ず最新の情報をご確認ください。

ebookjapanで5/31まで50%OFFクーポン適用中!

 

amazon prime 935円(Kindle版)
ebookjapan 935円
Booklive 935円
コミックシーモア 935円
honto 935円