主人公のひじりが付けている青い花型のピアスは、実は寄生虫がモチーフ。さらに、蝶の形をしたキーホルダーは合体した寄生虫!
こんなに可愛い寄生虫が実在するの?
映画『恋する寄生虫』の主人公・高坂賢吾は、27歳で10歳年下の女子高生に初恋をします。愛おしい日々を過ごしていたある日、「【虫】に操られて恋をしているだけ」と告げられます。
【虫】に操られるって?どういうこと?
原作に出てくる衝撃的すぎる【虫】の話がどこまで本当なのか気になりすぎて調べてみました。
物語に登場する寄生虫
結論を先に言うと、この物語に出てくる実在する寄生虫に関する話は”本当”です。かなり驚愕!
そして、賢吾とひじりが感染している”新種の寄生虫”の話は作者の三秋縋さん創作のファンタジーです。
フタゴムシ
鯉に寄生する寄生虫で、盲目の恋の虫と言われるフタゴムシ。なぜって?
★宿主である鯉のエラにたどり着くと必要なくなった目玉を捨ててしまう。
★雌雄同体なのに一体では生きていけない。
★最初に出会った運命の相手と生殖器をつなげて生涯過ごす(終生交尾)
★無理やり引き離すと死んでしまう。
取材のため目黒寄生虫館へ。写真はフタゴムシという寄生虫で(撮影OK)、「一目惚れした相手と融合して添い遂げる」「引き離すと死ぬ」「二人じゃないと成長できない」「恋人と繋がった姿は蝶の様」「コイに寄生する」等、設定盛りすぎな生物です。 pic.twitter.com/Fc0JCoLL5p
— 三秋 縋 (@everb1ue) February 5, 2016
つながった形は蝶に似ていて、可愛い…らしい。ペンダントやピンバッジなども売られている人気の(?)寄生虫だとか。マジか(◎_◎;)
そして↓小説の表紙の女の子(佐薙ひじり)のスクールバッグにもフタゴムシのキーホルダーが!
9月24日発売予定、『恋する寄生虫』の見本が届きました。
本の上に載っているのは、目黒寄生虫館ミュージアムショップにて販売されているフタゴムシのキーホルダーです。よく見ると、表紙の女の子のスクールバッグにも同じものがついていますね。 pic.twitter.com/VkNQd1TnRt— 三秋 縋 (@everb1ue) September 14, 2016
ナナホシクドア
『恋する寄生虫』の中で、主人公のひじりが付けている「青い花」に見えるピアスは、実は「ナナホシクドアのピアス」
『恋する寄生虫』で佐薙ひじりが身につけていたピアスのモチーフになった粘液胞子虫ですね。(作中では和名表記のナナホシクドアでしたが) pic.twitter.com/Z3gjhXSTkH
— 三秋 縋 (@everb1ue) April 28, 2018
ヒラメに寄生して食中毒を起こす怖い寄生虫らしい。
越前市飲食店でヒラメの寄生虫による食中毒7人https://t.co/hZWWoBkmsv
クドア・セプテンクタータ。見た目は女子力高い寄生虫なんですが食中毒起こします pic.twitter.com/6guEfq5Lu6
— EARLの医学ツイート (@EARL_med_tw) April 27, 2018
本当にピアスにしたくなるくらい見た目の可愛さは半端ない!
トキソプラズマ
ネコに寄生することで有名な寄生虫。健康な人が感染しても重篤な症状を示しませんが、免疫力の低下した人は肺炎や脳炎を、妊婦に感染すると胎児に障がいをもたらすことがある怖い寄生虫。
最近の研究では性格にまで影響を及ぼすことが知られていて、感染するとキレやすくなるという報告も。本当の話なんかい!怖っ!
一度感染したら、トキソプラズマを排除することはできませんが、症状を抑える薬や早期であれば増殖を抑える薬がすでに開発されているそうですよ。
ネコに食べられやすくするため、トキソプラズマがネズミに引き起こす行動の変化は、反応時間が遅くなる、無気力になる、危険を恐れなくなるというものだが、このような変化はトキソプラズマに寄生された人間にも現れることをフレグル氏は発見した。
出典 NATIONAL GEOGRAPHIC
“https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/7449/“
『感染症の世界史』、ネコから人間に感染する「トキソプラズマ原虫」の話が面白い。脳内麻薬ドーパミンの分泌を促す原虫で、人間の行動にも影響する。危険もあるが、(ネコ愛が深かった)古代エジプト文明が発展したのは、トキソプラズマ感染で「活性化」した人々が原動力と主張する研究者もいるとか。 pic.twitter.com/QjdKNxRnRK
— ぬまがさワタリ@『深海DINER』 (@numagasa) March 17, 2020
目黒寄生虫館
物語の中で、賢吾とひじりがデートする「目黒寄生虫館」は目黒駅から徒歩10分のところにある、実在する、入場料無料のデートスポット。
【東京】世界で唯一!超有名珍スポット【目黒寄生虫館】は入場無料!!pic.twitter.com/fMEVb8gR49
— 日本のおもしろスポット (@KikaiYumemiru) June 5, 2020
様々な寄生虫のホルマリン漬け、全長9メートルのサナダムシなども見ることができます。
「フタゴムシキーホルダー」とか「フタゴムシ付箋」だけでなく、なかなかシュールで可愛い(?)グッズが販売されているようです。オンラインショップでも買えますよ!
「寄生虫が可愛い!」という境地には未だ至りませんが、私達人間の生活と切っても切れない存在みたいです。うまく共存していかないといけないんですね。