小説『夏への扉』不朽の名作のあらすじとネタバレ

1956年にアメリカで発表された不朽の名作。

世界中をとりこにした映画『バック・トゥー・ザ・フューチャー』が1985年のことなので、30年も前にタイムトラベルの発想があったことになりますね。

当然『バック・トゥー・ザ・フューチャー』を始めとする、不動の人気を誇る「タイムトラベル」というジャンルを確立させるのに、一役買っていることは言うまでもありません。

日本を舞台に再構築された物語が映画になることで、再び脚光を浴びることになった名作。60年以上経った今でも色あせない物語とは、一体どんなものなのでしょう。

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登場人物

ダン(ダニエル・ブーン・デイヴィス)

根っからの技術者。24時間床掃除をする家庭用のハイヤード・ガール(文化女中器)を開発し、親友のマイルズと会社を興して販売することに成功。

ピート

冬になると、どこかの扉が夏に通じているのではないかと、「夏への扉」を求めてダンに家中の全ての扉を開けさせる、ダンの飼い猫。

マイルズ(マイルズ・ジェントリィ)

ダンと共に会社を経営している、ダンの親友。

ベル(ベル・ダーキン)

ハイヤード・ガールが爆発的に売れた後に雇った女性。ダンの婚約者。

リッキィ(フレドリカ・ヴァージニア・ハイニック)

マイルズの継娘。マイルズは娘のいる未亡人と結婚しましたが、妻が亡くなったために残された娘の面倒を見ていました。ダンともピートとも大の仲良し。

あらすじとネタバレ

1970年

ダンは次々と実用製品を発明することに喜びを感じる根っからの技術屋。親友のマイルズと興した会社の経営も、美人秘書のベルとの交際も順調で、なにも不満のない生活を送っていると疑いもしていませんでした。

ところが、納得のいく製品を一つずつ着実に作りたいダンと、一つでも多くの製品を大量生産して会社を大きくしたいマイルズとは、以前から経営方針に大きな隔たりがありました。

マイルズから呼び出され、ベルとともに向かった会社の一室で、ダンは2人に騙されていることを知ります。ダンの特許は全て会社に譲渡され、ダンは会社を追われる身になってしまったのです。

失意のどん底で、バーの窓越しにたまたま目にした【冷凍睡眠保険】の文字。30年くらい眠っていれば、もうマイルズやベルとは関わらなくてすむかもしれないと、半ば安易な気持ちで、申し込みをしてしまいます。

ダンが宣戦布告するためにマイルズの家に向かうと、そこにはベルもいました。激しい罵り合いの末、ダンはベルに催眠自白強制剤を注射されてしまいます。

愛猫ピートはマイルズとベルに散々の傷を負わせて逃げていきました。

カバンの中に持っていた【冷凍睡眠】の申込書が見つかり、ベルに冷凍場に連れて行かれたダンは、30年の眠りへと導かれていってしまいました。

2000年

ダンは冷凍睡眠から目を覚ましました。ベルとマイルズへの復讐心がメラメラと燃え盛ってきますが、睡眠中に保険会社が倒産して、ダンは全財産を失っていることを知らされます。

まずはお金を稼いで、リッキィを探すことを優先順位の上位に置いて、新車をぶっ壊す仕事に就きました。

しかし、根っからの技術屋のダンは、技術屋としての仕事がしたいと、ハイヤード・ガールを生産している会社に乗り込んで行って「自分が開発者だ」と説明し、名誉技術研究室長という立場での入社を果たしました。

会社はダンをハイヤード・ガールの宣伝広告に使いました。すると「シュルツ」と名乗る人物から電話があり出てみると、それはベルでした。

ダンはベルに会うことにしました。マイルズがすでに亡くなっていることはわかりましたが、リッキィの居場所についての情報はほとんど得られませんでした。

2000年の世界では、かつてダンが発明した「万能フランク」の改良版とも言えるロボットや、睡眠前にダンが頭の中で考案中だった「製図機ダン」が大活躍していました。

特許の書類を取り寄せてみると、二つとも発明者は「D・B・デイヴィス」となっていました。

職場の同僚で話の合う技術屋・チャックと、この不思議な事実について話をしていると、「確かめる方法がある」とチャックはうっかり機密を口にしてしまいます。

それはトウィッチェル博士がタイムマシンの発明に成功しているというものでした。同じ質量のものを2つ用意して、そのタイムマシンにセットすると、1つは過去に、1つは未来に転送されるというものでした。

ダンはトウィッチェル博士を訪ねました。ダンは「インチキだ。できっこない。」とトウィッチェル博士を挑発して、まんまとタイムマシンで1970年に戻りました。

1970年

ダンが落ちたところはデンヴァーヌーディストクラブの敷地内で、全裸のサットン夫妻が目の前にいました。

夫のジョンは優秀な弁護士でした。2人の協力を得て部屋を借り、「万能フランク」の改良版「護民官ピート」と「製図機ダン」の完成に全力を注ぎ、同時にベルの素性を調べてもらいました。ベルはとんでもない詐欺師でした。

「護民官ピート」と「製図機ダン」の設計が完成し、ダンは特許の申請や会社の運営を、ジョンに一任することにしました。

そして、かつてベルに注射を打たれることになったマイルズの家に出かけていきます。ガレージからマイルズに奪われた「万能フランク」を取り戻し、逃げ出したピートを回収し、「万能フランク」は分解して捨ててしまいました。

リッキィに会うために、彼女が参加しているガールスカウトを訪ねます。マイルズの元には帰らずに、迎えに来たおばあさんと一緒に行くこと、21歳になったらハイヤード・ガールの株券を銀行に持って行って現金に換えること、そしてそのお金で【冷凍睡眠】に入ることを言って聞かせました。

ダンはこれからピートと一緒に【冷凍睡眠】に入り、2001年5月1日に必ず迎えに行くからと約束しました。

ダンは今度こそ自分の意志で、ピートと共に、人生2度目の【冷凍睡眠】に入りました。

2001年

4月27日、ダンはピートと共に目覚め、5月1日、予定通りリッキィを迎えに行きました。

ダンとリッキィは結婚し、ジョンが守ってくれていた会社もダンの手に戻ってきたのでした。

小説を読んだ感想

今から60年以上も前に描かれていたタイムトラベルをテーマにしたSF小説だけど、今読んでも色あせないおもしろさでした。

「夏への扉」というのは元々、ダンの愛猫ピートが探し求めているものです。「夏への扉」とは「自分が望む世界への扉」というような意味で、使われているのでしょう。

扉を探すのも、扉を開けるのも、結局は自分の意志。それ次第で、未来はどんなものにも変えられるというメッセージも含まれているような感じがしました。う~ん、奥が深い…。

物語の中では2001年には随分といろんなことが簡単にできるようになっているけど、実際の世界はそこまで追いついていないものもあるし、進んでいるものもあるし…。

ダンが作った「万能フランク」は今や AI が浸透してほぼ実現しているようなもんですね。

2020年になっても【冷凍睡眠】や【タイムマシン】はできていないけれど、これはできなくてもいいかな。あってもやりたいとは思わないなぁ。

『バック・トゥー・ザ・フューチャー』などの映画で楽しむだけにしようっと。

この物語が、日本版の現代に構築されて実写映画化されます。どんな物語になるのか楽しみですね!

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