ある日突然庭に現れた、壊れかけのロボットのタング。タングにたまたま出会ってしまった冴えない男ベン。
人生の迷子と正真正銘迷子のポンコツコンビが繰り広げる珍道中は、笑えて、泣けて、心の真ん中があったかくなる物語です。
ポンコツの2人が地球を半周する旅の中で、喧嘩したり助け合ったりしていくうちに、互いにかけがえのない存在になっていく姿は最上級の癒しです。
この本の表紙を見るだけで「タング可愛い♡」と声が出てしまう人多いんじゃないかな。読めば読むほど愛おしさが増してきますよ!
かつてベルリン国際映画祭で「映画化したい一冊」に選ばれた本作品は、期待を裏切らない心温まる珠玉の物語です。
【主なキャスト(敬称略)】
二宮和也:春日井健
満島ひかり:春日井絵美
小説『ロボット・イン・ザ・ガーデン』のあらすじ
「庭にロボットがいる」不機嫌な妻エイミーの声でベンはベッドから起きあがった。
ロボットは金属製の四角い箱を2段重ねただけの頭と胴体から排水ホースのような手足が伸びていて、手はマジックハンドのようだった。胸のフラップはパタパタしていて、中のガラスシリンダーにはヒビが入っていた。
弁護士をしている妻のエイミーが欲しいのは、こんな旧式のロボットじゃなくて、家事全般何でもこなせるアンドロイドだ。
ベンが名前を聞くと、ロボットは「アクリッド・タング」と電子音的な声で名乗った。
どこから来たのかどうしてうちの庭にいるのか聞いてみても「オーガスト、タング」という言葉を繰り返すだけで、有用な手掛かりは何も得られなかった。
さっさと捨ててこいというエイミーに、ベンは「タングにはいたいだけいてもらう」と宣言し、汚れた体をきれいに磨いてあげることにした。
タングの底面に貼り付けられた金属板からは「PAL~」「Micron~」「所有者B~」とだけ解読できた。「Bって誰?」聞いてもタングは何も答えない。
「Micron~」という文字を手掛かりに、ベンはカリフォルニアにある「マイクロンシステムズ」に連れて行けばタングを直せるのではないかと言うと、エイミーは怒りだした。
獣医になるという夢も途中で放り投げたままで、何も成し遂げたことがないのに、壊れたロボットに入れ込んでいるベンが理解できないと、エイミーは離婚を切り出して家を出ていった。
ベンはタングとカリフォルニアに行くことにした。胸のシリンダーの液は2/3に減っていたし早く直さないとタングが動かなくなるかもしれない。
なんとかマイクロンシステムズにたどり着いたベンとタングだったが、タングはマイクロンシステムズ製ではないとわかり、事態は早速暗礁に乗り上げた。
ゲーム事業部のコーリー・フィールズがロボットを趣味にしているので何か役に立てるかもしれないと紹介してもらったが、コーリーにできることは何もなかった。
コーリーはロボット歴史学者のリジー・キャッツ博士を紹介してくれた。
ところが、リジーもタングをどうすることもできないと言った。彼女が知っているロボットの変遷の、どのパートにもタングはあてはならないのだと言う。
そして、ロボットのことならわからないことはないというカトウ・オーバジンという人物のメールアドレスを教えてくれた。
日本に飛んだベンとタングは、刺激的な東京の街を楽しもうとカラオケバーに出かけて行った。そこで半ばへべれけになったベンに話しかけてきたのはなんとカトウ・オーバジンだった!
翌日カトウの事務所に出向き、タングを見てもらうと、カトウはタングを直せそうな人を知っていると言った。
名前は「ボリンジャー」。そして「Micron~」はミクロネシア、「PAL~」はパラオのことだろうと言った。
ボリンジャーはかつて東アジアAIコーポレーションでカトウの同僚だった人物で、大きな事故の責任をとってミクロネシアで隠遁生活を送っているとのことだった。
ボリンジャーには会いに行かない方がいいというカトウの忠告を無視して、ベンはタングをつれてパラオに行った。
パラオは暑すぎてタングはヒートアップを起こしてしまうし、探しても探してもボリンジャーの情報は得られないし、ベンは心が折れそうだった。
タングを元気付けるために乗ったグラスボートで、ボリンジャーといういかれたじいさんが離れ小島で一人で住んでいるかもしれないという情報を得て、ベンとタングは次の日その島に降り立った。
老人はタングを見つけると「ジェイムズ」と呼びながら近づいてきて、タングを抱きしめた。老人はオーガスト・ボリンジャーと名乗った。
持ち主に再会できたというのにタングは極めて機嫌が悪かった。
着替えようと出したベンのハーフパンツのポケットから、エイミーが法廷弁護士の資格を取得したお祝いの席で抜いたシャンパンのコルク栓が出てきた。
居ても立っても居られなくなったベンはエイミーに電話をかけた。「もう一度やり直さないか」と言ったベンに、エイミーは「付き合っている人がいる」と答えた。
ボリンジャーが起こした過去の”事故”はとても許せるものではなかった。暴走し始めたアンドロイドを止めるために、ボリンジャーは同僚もろとも建物に閉じ込めて爆発させたのだった。
自分の技術は唯一無二のものであり持ち出すことは一切許さない、タングからチップを抜き取ってより精巧なロボットに埋め込むつもりだというボリンジャーに、ベンは反論した。
シリンダーを交換したタングはもうベリンジャーに用はなかった。完全に閉じ込められ逃げ道がないと思われたが、タングが「地下に貯めてあるゴミといっしょに明日の船で脱出できる」と言った。
前回もそうやって逃げ出してきたタングは、脱出が成功した暁に自分の名前を「アクリッド・タング(つんとする臭い)」に変えたのだと語った。
イギリスに帰ったベンとタングは姉のブライオニ―をクリスマスプレゼントとお土産をもって訪ねた。エイミーが新しい恋人のロジャーと一緒に来ていた。
エイミーはベンの子かロジャーの子かわからない子どもを妊娠していた。
エイミーはタングに全く興味がなかったのに、タングは特別な存在だと言い、頻繁に会いに来るようになった。そして片時も離れたがらなかった。
エイミーが産気づいたときもロジャーとは連絡がつかず、出産にはベンとタングが立ち会った。ボニー・エミリアは元気に誕生した。
ロジャーは生まれた子どもを見ても感動などすることもなく、エイミーの元を去っていった。ベンは自宅に準備している子ども部屋にエイミーとボニーを迎えることにした。
ベンとエイミーがやり直す方がいいのかどうか、今はわからない。ただベンはエイミーとボニーを心から愛していたし、二度とそばを離れないと誓った。
「タング」ってどういう意味?
原作では「タング」は元々「ジェイムズ」という名前でした。
それをタング自身が「タング」と改名したのですが、その「タング」がどこから由来しているかというと…
「acrid tang アクリッド・タング(つんとする臭い)」
という言葉からきています。
映画『タング』のあらすじ
時代は近未来。人間は家事や仕事を手伝ってくれる完璧なアンドロイドを所有し、合理的に生きていました。
ある日突然、記憶をなくした不良品ロボット健の家の庭に迷い込んできます。その名はタング。
一体どこからきて、なぜうちにいる?何のために作られたロボット?
どうやらタングは自分の名前以外の記憶をなくしてしまっているみたいです。
なぜかタングに異様なまでの関心を持ってしまった健は、ゲーム三昧の日々の末ついに妻に愛想をつかされてしまったダメ男。
おおよそ世の中の役に立たないと思われているダメ男は、壊れかけたタングを直してくれる人を探すためが旅に出ます。
ポンコツ2人の旅は順調なはずもなく、ようやくたどり着いた先で2人が目にしたものは…。
映画の見どころと原作との違い
原作はイギリスが舞台なので、もちろん日本版にアレンジしての実写化です。
一番の見どころはやはり、最近の素晴らしいVFX技術によるタング!
実際に存在しているかのように動いてしゃべって、健とは喧嘩したり慰め合ったりするのです。
絶妙なボケとツッコミで、フォローしているのか邪魔しているのかわからない掛け合いで、大いに笑いあり涙ありの物語。
ポンコツ×ポンコツ=ハートウォーミング なのです。
迷子のポンコツ2人がお互いの中に大切なものを見出して認め合っていく姿は、こんな世の中だからこそきっと心に響くことでしょう。
”多様性”とか”他者を認める”とか、小難しい言葉が叫ばれていますが、結局のところ、誰でもみんな、誰かに必要とされているかけがえのない存在であるということを教えてくれる物語です。
笑って泣いて、思いっきり癒されてください!
映画『タング』視聴方法は?
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【2024年4月22日時点の情報となります。 配信が終了している可能性がございますので、オフィシャルサイトにて必ず最新の情報をご確認ください。】
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