映画『るろうに剣心』追憶編への序章を豪華キャストで!主題歌はワンオク!

この物語は剣心という主人公が悪をやっつけていくという、単なる勧善懲悪の物語ではありません。愛と憎しみ、そして贖罪という重いテーマを含んだ人間の愛憎劇です。

るろうに緋村剣心は、動乱の幕末「人斬り抜刀斎」として人々に恐れられていた伝説の人斬りでした。

新しい時代の訪れとともに刀を捨て、不殺(ころざす)の誓いの象徴である逆刃刀(さかばとう:峰と刃が逆に打たれた刀)で人々を守っていくことを決意します。

続編が作られることを前提として、剣心と仲間たちの絆や不殺の誓いにまつわる過去の秘密を紡いだ物語。

佐藤健さんのアクションはもちろん映画の醍醐味ですが、物語の奥深さが心にしみる名作中の名作だと思います。見て損はありませんよ!

【るろうに】という言葉は流浪人のことで、作者である和月氏の造語です。

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佐藤健という俳優が実写化を可能にした緋村剣心

佐藤健さんが演じる「緋村剣心」は、どんな人物なのでしょう。

明治11年、神谷薫と出会ったときの剣心は「おろっ?」が口癖の優男。見ての通り、決して屈強なお侍ではありません。

幕末には「人斬り抜刀斎」として恐れられていた伝説の剣客だとは、見た目からは想像もつかないですよね。

ただ、ほほに訳ありの十字傷。剣心が激動の時代を生きていたことを表しています。

この2面性こそが、剣心という人物の最大の謎であり魅力なのです。

守ってあげたくなるような中性的な見た目

背が高いわけでもなく、ガタイがいいわけでもない。無敵の侍なのに中性的で華奢。どう見ても虫も殺せそうにない優男。

かつて人斬りであったことは、その見た目からはとても想像できない…それが緋村剣心です。

原作者の和月氏も「剣心を演じられるのは佐藤健さんしかいない」と思ったそうです。

実写化にかかせないアクション

映画内のアクションは全て佐藤健さんによるアクション。CGもスタントも使っていません。

原作漫画を読んだことが無い人も、『るろうに剣心』の予告編くらいは見たことがあるはず。アクションの速さたるや、もはや人間業とは思えない!

空中を飛んだり回転したりするシーンではワイヤーを使っているそうですが、壁は本当に走っているのだとか。「練習すれば走れるようになります」とラジオで語っていましたが、いや、絶対走れないでしょ…。

漫画では動かなかった剣心が、実際に技をくり出しているところを見るだけでも、映画を見る価値は大有りです!

誰もが絶賛する演技力

佐藤健さんが「人斬り」を演じるのは、2010年の大河ドラマ「龍馬伝」での岡田以蔵に続いて2度目です。

同じく幕末の動乱期、心優しい岡田以蔵という青年が、尊敬する師の役に立ちたいという一心で、自らを奮い立たせ、良心と恐怖の狭間で葛藤しながら人斬りへと変わっていく姿を繊細に演じました。

それまでの人斬り以蔵は、冷徹でバッサバッサと人を斬っていくような負のイメージしかありませんでした。佐藤健さんのおかげでイメージが和らぎ、初めて慰霊祭が行われたという後日談まであります。

この『龍馬伝』、私も当時見ていましたが、岡田以蔵役の佐藤健さんには「す、す、すごい俳優さんが出てきた!」と衝撃を受けたことを、今でもはっきり覚えています。

この『龍馬伝』の監督は、『るろうに剣心』の監督でもある大友啓史氏。人斬り以蔵を生み出した監督が、佐藤健さんで剣心を作ってみようと思ったのは当然かもしれませんね。

『龍馬伝』が初めての時代劇とは思えない見事な殺陣と、繊細な演技力。制作者全員一致での剣心=佐藤健さんなのでした!

ぜひ『龍馬伝』も見ておこう

2010年の大河ドラマ『龍馬伝』は、佐藤健さんの名前を老若男女に知らしめた作品で、21歳ですでに俳優としてのセンスが光っています。

全48話ありますので、レンタルで見ると10,560円かかることになります。全話に岡田以蔵が出てくるわけではないのですが、福山雅治さんの龍馬は見事なはまり役で超かっこいいので、見だすと全部見てしまわずにはおれないかも。

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全員が主役級の豪華キャスト

剣心を支える仲間たち

神谷薫(かみやかおる):武井咲

剣心の過去をも受け入れて支えていこうとする、剣心の一番の理解者。凛とした強さの中に優しさがあり、重いテーマの中で癒しの存在。

相楽左之助(さがらさのすけ):青木崇高

直情型ですぐに熱くなる一方で人情にあふれる…お笑い担当。原作の左之助に忠実に、魚の骨をくわえさせるかどうか…大友監督は悩んだそうです(笑)。

高荷恵(たかにめぐみ):蒼井優

明神弥彦(みょうじんやひこ):田中偉登

その他のキャラクター

斎藤一(さいとうはじめ):江口洋介

実は原作の1~6巻に斎藤一は出てきません。しかし、剣心の物語にはなくてはならない存在です。

一体、敵なのか味方なのか?

斎藤一は実在した人物で、新選組の中で人気投票をすれば必ずと言っていいほどトップ3に名前が挙がる人です。斎藤一ファンでも江口洋介さんは納得の起用でしょう。出てくるだけで画面全体が引き締まるくらい制圧感があり、思わず「かっこいい…」と声がもれてしまうくらいの存在感です。

ちなみに原作の斎藤一、前髪の垂れた塊は4本ですが、本映画では1本となっています。それが、「京都大火編/伝説の最期編」では3本に進化しています。

武田観柳(たけだかんりゅう):香川照之

アヘンで世界征服を目論む実業家。このイカレたキャラを演じられるのは香川照之さんを置いて他にいないでしょう。ガトリングガンを盛大にぶっ放し、剣心たちに「脱げ。脱いで俺にひれ伏せ」と言うセリフは観柳になりきった香川さんのアドリブです。

鵜堂刃衛(うどうじんえ):吉川晃司

原作では別の話で登場する鵜堂刃衛ですが、映画では観柳の護衛とすることで一つの話にまとめられています。

剣心との対決シーンで、刃衛は薫に「心の一方」という一種の金縛り状態を引き起こす技をかけ、殺そうとします。刃衛と対峙した剣心は、薫を助けるためについに不殺の誓いを破ってしまうのか。この時の目は剣心ではなく、間違いなく修羅の目、人斬り抜刀斎の目です。

外印(げいん):綾野剛
戌亥番神(いぬいばんじん):須藤元気

窪田正孝、永野芽郁も出演していた

剣心の頬に一太刀の傷をつけた清里明良を演じていたのが窪田正孝さんです。映画では5分ほどのシーン、劇中に名前が出てくることもありません。しかし、エンドロールには「清里明良 窪田正孝」とあります。

そして、なんと子役時代の永野芽郁さんも出演。赤べこという牛鍋屋で働いている三条燕という少女で、左之助に抱かれて神谷道場に担ぎ込まれてきます。

このようなシーンは原作にはなく名前も出てこないので、三条燕である必要はないのですが、原作ではのちに燕は弥彦にとって守るべき大切な存在になっていきます。エンドロールに「三条燕 永野芽郁」とあるのは、原作に対するリスペクトなのでしょう。

一方で、後ろ姿とはいえ清里明良にすがりついて泣き崩れる雪代巴はエンドロールに名前がありません

るろうに剣心にとってはなくてはならないキャラクターなのに名前がないのはなぜなのか?いつか『追憶編』を作るときに、渾身のキャスティングで描いてみせるという監督の決意の表れであると、私は勝手に解釈しています。

映画のあらすじ(少しネタバレ)

維新が成って10年、かつて「人斬り抜刀斎」と恐れられた男は「緋村剣心」と名を変えて、日本中を流浪していました。

東京を訪れていた剣心は、人斬り抜刀斎の人相書きの前で「お前が抜刀斎か」と木刀を突き付ける少女・神谷薫(武井咲)と出会います。

ニセ抜刀斎の正体は、実業家・武田観柳(香川照之)の護衛・鵜堂刃衛(吉川晃司)でした。ニセ抜刀斎と遭遇した薫は戦いを挑み、剣心に助けられます。

その後、神谷道場を襲った観柳の部下たちをあっという間に倒してしまう剣心ですが、薫に本物の「抜刀斎」であることが知られてしまいます。

それでも警察から釈放された剣心を、薫は「私が出会ったのは剣心というるろうに」と神谷道場の居候として迎え入れます。

時を同じくして、アヘンを作っていた医師・高荷恵(蒼井優)が観柳の元から逃げ出し、通りすがりの弥彦(田中偉登)に助けを求めて、神谷道場にかくまわれていました。

剣心のうわさを聞いた観柳は、剣心を自分の護衛に雇いたいと近づいてきますが、そこへ「こいつに勝ったら俺を雇ってくれ」と喧嘩屋・相楽左之助(青木崇高)が名乗り出てきます。

しかし、剣心の強さに本物のオーラを感じた左之助は「あんな男のために、その腕をくれてやるのか」という剣心の言葉に素直に従います。

観柳の手先による毒物事件が起こり、これ以上野放しにしておくわけにはいかないと、剣心と左之助は観柳邸へと向かいます。

その間に薫は鵜堂刃衛にさらわれてしまい、最後は剣心は薫をたすけるべく刃衛と死闘を繰り広げます。

果たして、剣心は「不殺の誓い」を守り抜くことができるのでしょうか。

この映画の見どころは?

明らかに続編を作ることを前提として制作された作品です。剣心と仲間たちの出会いや絆をメインに描かれています。

剣心との出会いをきっかけに、薫・弥彦・恵・左之助も大切なものを守るために、より大きな戦いへと身を投じていくことになります。

そして、剣心がなぜ「逆刃刀」を持つのか、「不殺の誓い」とは何なのか。少しは語られるものの、剣心が背負っている大きな過去については謎が深まるばかりです。

剣心の頬にある十字傷の一本は、かつて「人斬り抜刀斎」だったころに付けられたものですが、この傷が剣心の心に刻んだものは何だったのか。

今後続いていくであろう続編への布石が無数に打たれている作品です。

原作漫画にはまだ出てこないはずの斎藤一も、剣心との不可思議な関係が最初から描かれています。

単なるヒーローによる勧善懲悪の物語ではない、珠玉のストーリーの序章となっています。

映画ならではのエピソード

斎藤一

原作漫画の1~6巻には斎藤一(江口洋介)が出てきません!ではなぜ、この映画には登場するのか?

斎藤一と剣心は動乱の幕末期には敵として戦っており、「人斬り抜刀斎」として生きていたころの剣心を知っている、数少ない重要人物だからです。

斎藤一なくして『るろうに剣心』は成り立たないのです!明らかに続編を意識して起用されていますね。

一つ目の傷をつけられた回想シーン

京都見廻組の志士たちが、抜刀斎によって斬られる回想シーン。その中の1人、清里明良(窪田正孝)が近々許嫁との祝言を迎える予定の若い侍です。

愛する女性のために生きたいと思う執念はすさまじく、抜刀斎によって斬られても斬られても、何度でも立ち上がり、ついには抜刀斎の頬に一太刀の傷を負わせます。

翌朝、彼の屍にすがりついて泣き崩れる女性がその男の妻になるはずだった女、雪代巴。その姿を見て、剣心は「自分がやっていることは正しいのか…」と自問自答し葛藤し始めます。

剣心には十字傷、つまり2本の刀傷があるにもかかわらず、描かれない2つ目の傷のシーン。

この秘密が明かされないと、『るろうに剣心』は完結しないことは明らかですね。

剣心が着ている「赤い着物」

剣心が着ている赤い半身の着物。神谷道場に居候として迎え入れられたときに薫から父の形見を譲られたものですが、このようなシーンは原作にはありません。

この赤い着物は抜刀斎ではなく剣心であることの象徴として描かれていきます。

劇中のBGM

劇中の音楽を担当したのは、龍馬伝でも大友監督とタッグを組んだ佐藤直樹さん。

物悲しく、それでいて魂を揺さぶるような激しい音楽が剣心の物語をさらに魅力的なものにしています。

2分くらいから始まるテーマ、映画のクライマックスシーンで必ずと言っていいほど流れてくる音楽なので聴いたことがある人も多いはず。

早送りして2分のところから聴いてください。しびれます!

主題歌は ONE OK ROCK 『The Beginning』

ONE OK ROCK のTakaさんは佐藤健さんとは親友と呼べるほど仲がいいのだとか。

『The Beginning』というからには、やはりこの映画は追憶編への序章!

映画『るろうに剣心』視聴方法は?

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