映画『フィリピンパブ嬢の社会学』原作のあらすじ

中島弘象は大学院の修士論文でフィリピンホステスのことを取り上げようと思って取材をしているうちに、ミカと名乗るホステスと付き合うことになりました。

フィリピンから日本に出稼ぎにくる彼女たちを取り巻く生活の実態は驚愕の連続!なけなしのお金を家族に送り、マネージャーからは生活を厳しく管理されていました。

大量のゴキブリなんてなんのその。弘象は遂には雇い主のヤクザのところにまで乗り込む羽目に。

最後には結婚することになる中島弘象さんとミカさんの、愛に満ちた衝撃の実話!

【主なキャスト(敬称略)】
前田航基:中島翔太
一宮レイゼル:ミカ

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『フィリピンパブ嬢の社会学』のあらすじは?

中島弘象(こうしょう)、大学院生。フィリピンとの付き合いは6年前からになる。仕事もなくご飯も満足に食べられない貧困の真っただ中で、人に優しく明るく笑って生活しているフィリピンの人々の姿に心をつかまれた。

フィリピンの女性たちは、かつては「興行ビザ」で出稼ぎに来ていたが、現在「興行ビザ」で出稼ぎにくることはできない。一体、彼女たちはどうやって日本にきて働いていいるのだろう?

フィリピンホステスの生活の現状について修士論文を書こうと、名古屋の栄町のフィリピンパブに片っ端から取材を始めた。

そんな中で弘象はミカと名乗るフィリピンからの出稼ぎ女性ミッシェルと出会った。弘象22歳のとき、ミカは25歳だった。

ミカとはメールの交換をしたので、ノルマが足りない時やイベントがあるときには弘象に「お店に来てほしい」とメールが来るようになった。

毎日のようにメールをやりとりするようになると、休みの時に一緒に買い物に出かけたり車の中で話をしたりするようになった。もちろんマネージャーにばれないようにこっそりと。

そしてミカは、日本に出稼ぎに来た姉のメイの紹介でマネージャーと契約を交わし、偽装結婚をして日本にやってきたことを話した。契約は月6万円で3年間。マネージャーはたいていがヤクザがらみだ。

メイは日本に不法入国して働き、フィリピンの家族の生活を10年も支え続けた。今は日本人男性との間に子供ができて結婚している。

偽装結婚をしていることを告白した上で、ミカは弘象に「つきあって」と言った。

給料のほとんどはピンハネされ、会おうと思ってもばれないようにこっそり2,3時間顔を合わせるのが関の山。弘象はなにかミカのためにできないかと考えたが、ミカは自分はそんなに弱くないから大丈夫だと言い切った。

弘象とミカの間に体の関係ができ、一緒に過ごす時間も長くなってきたころ、ミカは2つの嘘を弘象に告白した。フィリピンに彼氏がいること、偽装結婚相手のコクボと今でも共同生活をしていること。

それでもミカは自分を信じてほしいと言い、弘象はミカを信じることにした。やがてミカと弘象はミカの友人ホステスのアキの家に転がりこみ、3人の共同生活が始まった。

ミカはなけなしの給料から半分はフィリピンの家族の仕送りをし、おまけにヒモと化した大学院生の弘象まで養っている状態。それでも毎日明るく楽しそうだった。

ミカと付き合っていることに、両親はもちろん高校大学の友人やゼミの教官も大反対だった。

弘象はミカを友人や教官たちに積極的に会わせていった。ミカの優しい人柄に触れればみんな変わってくれるという自信があった。この作戦は大成功だった。

そして遂に両親にもミカと会わせることになった。ミカの置かれている境遇については何ひとつ隠さず全て話した。機会あるごとに実家に連れて行き、1年かけて交際を認めてもらった。

ミカの日ごろの頑張りが認められて、フィリピンへ3週間の里帰りが許されることになった。家族に紹介したいからと弘象も一緒に行くことになった。

ミカの家族は高級住宅街に家を構え、メイドや運転手をも雇った生活をしていた。それらは全てメイとミカの仕送りによるものだ。

親族に渡すお小遣いに食費に買い物、全てメイとミカが払い、最初の1週間で持って行った40万円は全て消えた。フィリピンの家族の金の無心っぷりは半端じゃなかった。

日本に帰ると3年の契約を半年残してミカはコクボと離婚させられることとなった。ビザが切れてフィリピンに強制送還されると思ったミカは、弘象にマネージャーと直談判してほしいと言った。

ヤクザとの話し合いが無事に済むとは思えなかった。命の危険さえも感じながら弘象はマネージャーの元へ向かった。

あとからわかったことだが離婚したからといってすぐにビザが切れる訳ではないとのことだ。フリーになったミカと完全にヒモ状態の弘象はメイの家に居候することになった。

ミカはフリーのホステスになり手取りも40万円に跳ね上がった。

弘象は大学院卒業を控えていたが就職は一向に決まらなかった。教官の勧めもあって弘象は3か月船で世界一周をするピースボートに乗ることにした。

そうこうしているうちにミカのビザの期限が迫っていた。結婚したとミカは言うけれど、弘象には定職がない。

「今は私が頑張る」と言ってくれたミカに背中を押され、弘象は結婚することにした。あんなに反対していた両親も祝福してくれた。

弘象はトンネル工事のバイトをして40万円稼ぎ、ミカと一緒にフィリピンの家族に結婚の報告に行くことになった。

今回もまた家族は湯水のようにお金を使いまくり、持ってきていた25万円はあっという間に底をついた。

それでも金を出せという親族にほとほと疲れ果てた弘象だったが、ミカの家族は遠慮せずに言いたいことを言ってるだけなのだとわかってきた。

母親の彼氏までもが家族に入るのか納得いかない疑問もたくさん存在するが、弘象はフィリピンの家族のことは大好きだし、これからも仲良くやっていきたいと思っている。

『フィリピンパブ嬢の社会学』の感想

今まで全く知らなかった世界を描いた、強烈な破壊力を持った話でした。ミカのフィリピンの家族がこれでもかとお金を要求してくる様子も、想像の域をはるかに超えた衝撃のエピソードだったし。

よほどの愛情がないとこんなにたくさんの物は背負えないですよ。ミカさんという人は本当に愛情深い人だったのでしょう。そして、机の上で学んだことより、生活しながら学び考えたことの方が強いと知っている賢い女性。

弘象さんとミカさんだったからこそのエピソードなんですよね。

たぶんこの本に出てくる話がフィリピンから出稼ぎにくる女性たちの全てを表している訳ではないと思いますが、少なくとも新しく知る事実には驚愕の連続で、続きが読みたいなぁと思うくらいに面白い話でした。

日本とフィリピンの間に生まれた子どもが、差別を受けたり経済的に困窮していたりという問題は山積みだと思いますが、フィリピンと日本の関係に興味を持つとっかかりとしては最強の本じゃないかな。

映像で見るともっと面白くてパンチ力があると思います。日本とフィリピンとを友好的人つなぐ映画になってくれたらいいですね。

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