映画『アイスクリームフィーバー』原作小説のあらすじとネタバレ

アイスクリームショップでアルバイトをする私。

2日おきに決まってイタリアンミルクとペパーミントスプラッシュの組み合わせでアイスクリームカップを買っていく彼に恋をした。

この川上未映子さんの短編小説『アイスクリーム熱』が、吉岡里帆さん主演で『アイスクリームフィーバー』という映画になることになりました。

わずか9ページの超短編小説がどんな物語として描かれていくのか楽しみでなりませんね。

映画を見る前に、谷崎潤一郎賞を受賞した珠玉の短編集を一味違った角度で楽しんでみるものいいかもよ。

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原作短編小説集『愛の夢とか』

『愛の夢とか』には「アイスクリーム熱」「愛の夢とか」「いちご畑が永遠につづいてゆくのだから」「日曜日はどこへ」「三月の毛糸」「お花畑自身」「十三月怪談」という7つの短編小説が収録されています。

『アイスクリームフィーバー』の原作は冒頭の『アイスクリーム熱』です。

『アイスクリーム熱』のあらすじ

<彼>は2日おきに、決まって夕方の4時くらいに来てイタリアンミルクとペパーミントスプラッシュの組み合わせでアイスクリームカップを買っていく。

アイスクリームショップでアルバイトをしている<私>は、2か月前<彼>を初めて見た時から好きになった。

ある日、<私>はもう仕事が上がるので<彼>にいっしょに駅まで歩こうと言ってみた。<彼>はいいよと言った。

<彼>は一人暮らしで、家で仕事をしている33歳。

<私>は「アイスクリームが作れる」と嘘をついて<彼>の部屋に押しかけていった。

朝の4時までかかって作ったアイスクリームは大失敗。

それ以来<彼>はアイスクリームを買いに来なくなった。

<彼>が来なくなって2か月になろうかという頃、アイスクリームは突然閉店することになった。

『愛の夢とか』他の収録作品

愛の夢とか

川近くの家に引っ越してきた。毎日どこからかピアノの音が聴こえてくる。弾いているのはお隣の初老の奥様だった。

それから始まった彼女との交流。互いをテリーとビアンカと呼び合うことにした。週に2回、彼女の家に行き彼女がリストの「愛の夢」を練習するのをただ見守る。

13回目の訪問でテリーが間違うことなく「愛の夢」を弾ききると、2人は優しくくちづけをした。

それ以来テリーの家からピアノの音は聴こえなくなり、私もテリーの家に行くことはなかった。

いちご畑が永遠につづいてゆくのだから

彼との生活はもう終わるみたいだ。元通りに話せるきっかけになるかもしれないと思っていちごを用意したら、いちごの産毛が指先に刺さった。

日曜日はどこへ

大好きな小説家が亡くなった。

その小説家を教えてくれたのは高校のクラスメイトの雨宮くんだった。それがきっかけで付き合い始め、21歳のときに別れた。

雨宮くんとは、もしその小説家が亡くなったら、どこにいても誰か他の人結婚していても必ず会おうと約束した。場所は2人でよく行った植物園の入り口。

14年前の約束を思い出した私は、日曜日、約束の植物園へと向かった。

三月の毛糸

妊娠8か月の妻と一緒に島根にある妻の実家に顔を出した。仙台まで帰る途中で京都に寄った。

妻が妊娠してからというもの僕はなぜだか睡魔に襲われるようになった。

京都での観光もそこそこに、僕たちは早々とホテルに切り上げてひと眠りした。

妻は世界が何もかも毛糸でできていいて、子どもも毛糸で生まれてくる夢を見たと言った。

お花畑自身

夫が事業に失敗し住み慣れた家を出ていくことになった。食器も家具も、隅々までこだわった我が家を失うことが信じられない。

家財道具ごと家を買ったのは作詞家だという若い女だった。

気が付くと私はかつて自分の家だったところに通い続けていた。家の前にある公園からずっと眺めていると、女が外出するのが見えた。

大切に育てた花たちが寂しがっていないか気になり、私は庭に入り込んで水をやり肥料をやり満足いくまでお世話をした。

帰ってきた女に見つかり当然のように咎められた。この家で一番気に入っていたのは何かと聞かれ、私は「庭」と答えた。

気持ちを成仏させるためには焼くか埋めるかしかないと言われ、私は庭に穴を掘って埋まってみることにした。

十三月怪談

結婚して数年の若い妻・時子が亡くなった。夫の潤一は1年経っても気持ちが沈んだままだ。

時子の意識は潤一のそばに残ったままで、常に潤一を見守っていた。2人が住んでいたマンションには潤一の前の職場で一緒だった女が来るようになり、やがて2人は結婚して子どもが生まれた。

時子は死んだら見ているだけ何もできないのだということがわかった。

潤一はというと、時子が亡くってから1年後、父親の癌をきっかけに実家に帰って稼業を継ぐことにした。

潤一は時子の服も化粧品も全て持って実家に戻った。父親の死後、姉が離婚して2人の子どもを連れて帰ってきたので、それなりに賑やかに生活することができた。

69歳のとき倒れ、亡くなるまでの2週間、潤一は人生で最良の時間の中にいた。そこには時子がいた。

『アイスクリーム熱』の感想

感想と言われても…というくらいの超短編。登場人物は名前もない<私>と<彼>だけで、<私>が一方的に好きになって押しかけていくということ以外、特に大きな事件もありません。

こういうことってあるかもね的な物語です。

10~30代の4人の女性のラブストーリーとして映画化されるということなので、ほぼほぼ創作が付け加えられる訳ですね。これはこれで楽しみです♪

ただ『愛の夢とか』を全部読んでみて、たまに訳わかんないと思う表現や出来事があるのは否めないけど、文章が美しくて好きだなぁと思いました。

なんかどこかで自分も感じたことがあるような…と言うか、あの気持ちってこんな言葉で表現できるんだ…と言うか。一文がすご~く長くてまどろっこしいところも感情の波を表現しているようで、すんなり入ってくるんです。

登場人物が焦っている場面では自分も落ち着かないし、狂おしい気持ちになっている時には心の奥底がざわざわする…そんな、不思議な物語でした。

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海外からも熱い支持を受けている川上未映子さんの作品。ぜひ一度”体験”してみてください。
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