原作小説『ハウ』犬と人間の心温まるあらすじは?

「ワンと鳴けない優しい犬とちょっぴり気弱な青年の物語」と謳われている通り、人と犬のかけがえのないつながりを描いた物語。

婚約者に捨てられ、たった一人で購入した一戸建てに越してきた赤西民夫、32歳。人生に投げやりになっていた民夫の元にやってきたのは「ハウ」という名の大型犬でした。

ハウの世話をするうちに民夫は生きる気力を取り戻していきました。

そんなある日、ハウは民夫の元から姿を消してしまいます。再び生きる気力を失ってしまった民夫…。

民夫とは反対に、なんとしてでも民夫の元に帰りたいと思うハウは過酷な旅が始まります。

ハウは、旅の途中で出会う人々の気持ちに寄り添い生きる気力を与える不思議な犬なのでした。

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小説のあらすじは?

横浜市の区役所で働く赤西民夫(あかにしたみお)、32歳。人生で初めて付き合った彼女・真里菜とゴールイン間近…のはずだった。

結婚式場を予約し二階建て4LDKの新居を購入し、あとは2人の生活が始まるのを待つだけだったのに、突然真里菜から切り出されたのは別れ話。

真里菜は、民夫に真里菜のことを紹介した後輩の吉住正一郎のことが好きだと言って去って行った。

民夫は新居に一人で引っ越した。近所には妻は海外に転勤になったと言い訳をした。

民夫の上司の鍋島課長は民夫に「ペットを飼わないか」と持ちかけてきた。動物に興味のない民夫はやんわりとかわしたが、週末鍋島の自宅に行くことになってしまった。

鍋島の家では保護された犬や猫が数匹いるが、妻の麗子によると1歳の大型犬の飼い主がまだ決まっていないとのことだ。ラブラドールレトリーバーとプードルを掛け合わせたラブラドゥードルという犬種だと教えてくれた。

ハウと名付けられたその犬は、声帯除去手術を受けているため「ハウッ、ハウッ」とかすれた声でしか鳴くことができない。動物愛護センターの前に置き去りにされていたらしい。

全く乗り気がしないまま、なぜか民夫はハウと一緒に自宅に帰ってきた。32歳独身男と声を失くした犬の生活が始まった。

散歩は朝夕2回、近所の川沿いの道を歩いた。ハウはしつけの行き届いた賢い子でテニスボールでボール遊びをするのが好きだった。

全力でボールを追いかけ、民夫とのボール遊びに全身で喜びを表現するハウを、民夫は次第に好きになっていった。ハウから伝わる体温も心地よかった。

民夫は自分のことを「とうちゃん」と呼び、「とうちゃん」との生活はハウにとって全てだった。

散歩の途中で民夫が腹部の激痛で倒れた時には、ハウが助けを求めて走り巡回中の警察官を連れてきた。民夫は盲腸で入院することになった。

民夫とハウが暮らし始めて1年たったある日。民夫はハウを連れて近所のホームセンターに買い物に行った。入口のスロープの手すりにハウをつないで、20分後戻ってくると、そこにハウの姿はなかった…。

動物愛護センターにも連絡し、町のあちこちにポスターを貼ったりSNSで呼びかけたりしたが、ハウの行方はわからなかった。

ペット探偵から「ハウは死んだ」と聞かされたのは数日後のことだった。ハウがいなくなった日、大型犬が車にひかれているのをホームレスの男が見つけて、看病し看取ってくれたらしい。

民夫がホームレスの男にハウの写真を見せると、男は「この犬だ」と言った。ハウを失った民夫は生きていても半分死んでいるような状態になってしまった。

その頃ハウは…、青森県に降り立っていました。

ホームセンターの駐車場で、小学生が投げたフリスビーがトラックの荷台に入ってしまい、それを取りに行ったハウは荷台に閉じ込められて東北道を北上してしまったのだった。

ハウは必死で鳴いて訴えたけれど、「ハウッ」としか鳴けないハウの声は運転手には届かなかった。

「ハウ!」ととうちゃんの呼ぶ声が聞こえた気がした。ハウはとうちゃんの元へ帰ることにした。

岩手県では、ハウは漁師見習いの出水甲介と出会った。高校を中退して漁師になった甲介だったが船酔いがなかなかおさまらず、早くも漁師になったことを後悔していた。

母親が作ってくれた弁当を食べる気にもなれず、ハウに分けてやったことがきっかけで、ハウがどこかから拾ってきたボールで遊んでやったりしていた。

不思議なことにハウと出会ってから、甲介の次第に船酔いしなくなっていった。

ハウが残飯をあさっていると漁協から苦情が出て、動物保護センターの職員が呼びつけられた。甲介は「戻ってきたらダメだぞ」と、ハウを逃がした。

ハウが朝倉麻衣と出会ったのは宮城県の海沿いの線路の上だった。クラスのみんなから無視されて、死ぬことを考えていた麻衣を救ったのがハウだった。

「いってきます」と家を出た麻衣は、無人駅でハウと一日過ごし、夕方になると家に帰っていくという毎日を過ごしていた。

幼馴染の田口亮が「もう心配いらないから学校に来い」と言ってくれた次の日、ハウが電車に乗り込んで、麻衣も成り行きで一緒に行くことになった。

中学校まで麻衣を見送ったハウは、再び父ちゃんの声が聞こえた気がして歩きだした。

福島県では夫に先立たれた志津の前に、陽炎の中から夫の次郎さんが現れた…と思ったら、大きな犬だった。それがハウだった。

志津はハウをお風呂に入れて餌をやった。志津のそばを離れないハウは、まるで次郎さんの生まれ変わりみたいだった。

ハウが志津と暮らし始めて1週間たった頃、息子の達也がプレゼントと称して1匹のチワワを連れてきた。志津はチワワに金太と名付けた。

数日後、ハウは「もう行かなくっちゃ」といったふうに志津の家を旅立った。志津は南にまっすぐ伸びる道を遠ざかっていくハウを見送った。

ハウは森を抜けると、女子修道院に出た。ハウは餌をもらい体をきれいに洗ってもらって、修道院で生活を始めた。

修道女見習いのめぐみはハウから目を逸らした。めぐみはパートナーからの暴力から逃げて修道院にたどり着いたのだった。

2年前、トシと付き合っていためぐみは勢いだけでペットショップで大型犬を購入した。めぐみはラッキーと名付けてかわいがっていたけれど、トシは吠える声がうるさいと声帯除去手術をさせ、挙句の果てには動物愛護センターの前にラッキーをすてた。

まさにハウはラッキーだった。

トシがめぐみの居場所を突き止めて修道院にやってきた。暴力を振るわれ修道院から連れ出されためぐみの乗った車をハウが全力で追いかけてくる。

カーブを曲がり切れなかったトシの車は巨木の根元に突っ込んだ。ハウはオイルに引火して火を噴く車からトシを助け出そうとしていた。

トシは退院するとめぐみに今までのことを詫びて去って行った。めぐみは修道院に戻ってきた。ハウは再び歩き始めた。

東京では民夫が重症のペットロスになっており、鍋島の紹介でカウンセリングを受けていた。

カウンセラーの和泉葉子先生は元獣医で、民夫が何度同じ話をくり返しても嫌な顔一つせず、それはそれはよく聞いてくれた。

ペットロスの気持ちを語り合う集いにも参加してみたりしたけれど、自分の悲しみは誰にも分からないという気持ちが強まっただけで効果はなかった。

民夫はより一層和泉葉子先生への信頼を強め、やがて女性としても理想的な人なのではないかと思い始めていた。

ハウの目の前にはよく見知った光景が広がっていた。とうちゃんといつも歩いた道だった。ハウは我が家へと急いだ。

沢村恭子は半年前に息子・祐樹を病気で亡くしたショックから未だ立ち直れないでいた。いつまでも失意のどん底から上がって来られない妻を支えきれず、夫の賢治も苦しんでいた。

祐樹の双子の弟・賢人はそんな両親の姿を見るのが嫌だった。賢人がリビングの窓の外に視線を移すと、そこには1匹のボロボロの犬がいた。

そこはかつてハウが民夫と住んでいた家だ。2か月前、民夫は「1人で住むには広すぎる」と家を売って職場の近くの賃貸マンションに引っ越していた。

賢人は庭に下りていくと、ボロボロの犬を抱いた。恭子は「私達のところへ来てくれた」と言った。

和泉先生に振られた民夫は、久しぶりにハウとよく来た散歩道を歩いていた。散歩コースをたどっているうちに、かつての我が家まで来てしまった民夫は、目の前の光景に固まった。

少年と一緒に家から出てきた「ブン」と呼ばれた大型犬。まぎれもなくハウだった。

駆け寄って抱きしめたい気持ちを必死で抑えて、民夫は元来た道を引き返した。すると、いきなり背後から大きなものが民夫の背中に飛び掛かってきた。

ハウは全身で喜びを表現し、民夫は号泣していた。道の向こうから必死で走ってきた少年が「すみません」と言ってハウに駆け寄った。

「とうちゃんはもう大丈夫だから」民夫はそうハウにささやくと、その場を立ち去った。

「ありがとうな。ハウ」民夫は流れる涙を止めることなく夕焼けを見つめた。

小説を読んだ感想

読む前からわかってたんですよ。これ絶対泣くやつだって…。犬を飼ったことがある人なら、感情移入しすぎて確実にボロ泣きすることになりますよ。

犬ってどうしてこんなに人の気持ちがわかる生き物なのでしょう。心が弱っている人を見つけて何も言わずにただ寄り添ってくれるんですよね。

そしてどんなことがあっても大好きなご主人様のところへ帰ろうとする帰巣本能。何百キロのもの距離をたった一人で歩いて帰ってこようとする執念。

私はこの帰巣本能信じてるんですよ。私が経験したのは数キロの話ですが…。

小学生のとき近くの川が氾濫して避難命令がでたとき、我が家は愛犬を抱いて雛所に連れて行きました。慣れない場所と大勢の人でワンワン鳴くので、ちょっと外へ連れて出ようと思ったら、私の不注意で逃げていなくなってしまいました。

翌日自宅に帰ると、なんと縁側に愛犬がいたのです。家の周りの道は大人の膝より上まで水が来ていたので、泳いで帰ったとしか考えられない…にわかには信じられませんでした。

大人になってからは、動物病院に連れて行ったときに放れていなくなってしまっていた猫が数日たって帰ってきました。猫の行動範囲とは思えない距離で、車で連れて行っていたにも関わらずです。

どちらも不思議すぎる出来事でしたが、どうしても家に帰りたいという気持ちがそうさせたのだと思うと、愛おしさがあふれて止まりませんでした。

だからハウみたいに優しい犬は本当に帰ってくるんじゃないかと、民夫のそばにいなくっちゃって必死で帰ってくるに違いない信じることができました。

民夫の落ち込み方は想像を超えるレベルで、それにはちょっとだけ笑ってしまいましたが、自分の不注意で死なせてしまったかもしれないと思うと、その喪失感はわかる気がします。

最後はちょっとだけハウが思い描いていたのとは違うけど、ハッピーエンドだよね。またいつだって民夫と会うこともできるし、新しい家族がハウを大事にしてくれているんだから。

民夫とハウが再会するシーンは、わかっていたはずなのに涙が止まりません。これ実写化されたら号泣してしまうなぁ。えらいことになるなぁ。。。

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2022年8月19日時点の情報となります。 オフィシャルサイトにて必ず最新の情報をご確認ください。

 

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